メダカは飼育が簡単なことから、アクアリウム初心者の方にすすめられることが多い魚です。
とはいえメダカに限らず「魚を初めて飼う人」は、少しハードルを感じてしまうのではないでしょうか。
- メダカが自分に飼育できるの?
- 飼育にどんな機材が必要?
- 屋外と室内なら場所はどこが飼いやすい?
- 繁殖や品種改良に興味があるけれど一連の流れがわからない
といった疑問が浮かぶ人は少なくないはず。
ここでは1から10まで、メダカの飼い方・育て方をすべて解説します。
飼育環境・機材はもちろん、稚魚や卵の育て方、繁殖方法など、メダカ飼育に必要なことをまとめました。
目次
メダカの飼い方・育て方!
メダカを飼育するうえで必要なことを解説していきます。
たくさんの項目がありますが、シンプルに考えると、
- メダカを飼育できる環境を用意する
- 入手する
- 実際に飼育する
これだけです。難しく考える必要はありませんし、実際簡単です。
すでにメダカの飼育を始めている方は、見出しから必要な項目に進んでみてください。
メダカの特徴と飼いやすい・飼いにくい種類
メダカはダツ目メダカ科メダカ属の淡水魚で、日本にも生息しています。
3.5~4cmほどの大きさに成長して、オスのほうがやや小さい傾向があります。植物・動物プランクトンから小さな水生昆虫まで幅広く食べる雑食性です。
寿命は長いもので5年、飼育下では3年ほど。
この野生のクロメダカから品種改良され、
- 三色メダカ:錦鯉のような赤と白、黒の体色
- ヒカリメダカ:尾ビレはひし形、背ビレと尻ビレが同じ形
- ラメ:光るウロコを持つ
など、この他にも形・色ともにさまざまな改良品種が生まれています。
飼育しやすいメダカ
品種改良によってたくさんの品種がいますが、体の丈夫さや飼育しやすさが異なります。
具体的には、原種(クロメダカ)に近いほど環境の変化に強く、飼育のハードルが低いです。次の種類は比較的飼いやすいメダカになります。
- クロメダカ
- ヒメダカ
- 白メダカ
- 青メダカ
- 楊貴妃(ようきひ)メダカ
- 幹之(みゆき)メダカ
魚の飼育が初めての方にとくにおすすめの種類です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
飼育が難しいメダカ
改良品種のなかには、飼育が難しい種類もいます。
- アルビノメダカ
- ダルマメダカ
- スモールアイメダカ
といった品種です。
視力が弱く、餌が見つけにくいことから、他の種類と一緒に飼育していると餌が行き渡らないことも少なくありません。
体型から想像できるとおり、泳ぎが上手くないので、餌を食べるのに時間がかかります。また、転覆病(反対になって浮かんでしまう病気)になりやすい点も飼育の難易度を上げている要因です。
アルビノと同様、視力が弱く餌を探すのに時間がかかってしまいます。
メダカの入手方法
メダカを飼うと決めたら、入手方法を選びましょう。
主な方法は次の4つです。
- アクアリウムショップや専門店で購入する
- 通販やネットオークションで入手する
- ゆずってもらう
- 自分で捕まえる
それぞれメリット・デメリットがあるので、利用しやすいものを選びましょう。
メダカの入手方法は、次の記事で詳しく解説しています。
アクアショップやメダカ専門店・ホームセンターで入手する
アクアショップ(熱帯魚ショップ)やメダカ専門店、ホームセンターなど実店舗で購入する方法です。
各店舗の特徴は次のとおりです。
- アクアショップ:メダカの種類が比較的豊富で飼育器具を一緒にそろえられる
- メダカ専門店:メダカの品ぞろえが多く高品質、値段は高め
- ホームセンター:メダカの種類が少なく品質も高くない、店舗数が多い
これらの実店舗は足を運ぶ必要があるので、通える範囲になければ利用しにくいデメリットがあります。
通販やネットオークションで入手する
メダカは通販やネットオークションで入手することもできます。
家にいながらメダカを選べるのは大きなメリットです。メダカの品種が多く珍しいものも少なくありません。
しかし、品質は出品者頼りなので、写真のイメージと違うメダカが送られてくることもあります。
また、死着(死んだ状態で届く)のリスクもありますし、送料も負担しなければいけません。
通販でメダカや飼育用品を入手する際の注意点と安く買う方法は、こちらの記事で解説しています。
ゆずってもらう
身近にメダカを飼育している人がいる場合は、ゆずってもらえることもあります。
とはいえ、信頼関係がないと厳しいうえに情報がないので、ハードルが高い入手方法です。
自分で捕まえる
日本に生息しているクロメダカであれば、自分で捕まえることができます。
無料ですし捕まえること自体が楽しい反面、時間と労力が必要です。魚捕りを楽しめる方におすすめします。
メダカを自分で捕まえてみたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
飼育場所の選び方:屋外・室内飼育のメリットとデメリット
メダカを飼い始めるためには、次の2つから飼育場所を決める必要があります。
- 室内飼育
- 屋外飼育
それぞれメリット・デメリットがありますし、準備物も変わってきます。メダカを家に迎える前に確認しておきましょう。
室内飼育の特徴とメリット・デメリット
室内飼育のメリットとデメリットは次のとおりです。
- 水温と水質が管理しやすい
- 観賞性が高い
- 冬でも繁殖できる
- 水槽の置き場所に困る
- コストが少し高い
室内飼育は外気や天候(雨)の影響を受けないので、水温と水質が管理しやすいです。
水槽用ヒーターを使うことで、冬でも繁殖させられるのもメリットの1つ。また、水槽で飼育するので横から眺められて観賞性も高いです。
一方で、居住スペースを圧迫するため、水槽の置き場所に困ることも少なくありません。
照明やろ過フィルターを用意する必要があるので、コストが少し高いのもデメリットです。
マンションなどで室内飼育が難しい場合は、ベランダで飼うこともできます。
屋外飼育の特徴とメリット・デメリット
屋外飼育のメリット・デメリットをご紹介します。
- 飼育スペースが確保しやすい
- メンテナンスに手間がかからない
- メダカが丈夫に育つ
- 冬には冬眠させる必要がある
- 台風や雨の影響を受ける
- メダカを食べる天敵のリスク
屋外飼育は、庭や軒下など飼育スペースが確保しやすいです。
バクテリアが繁殖しやすいうえに、風による水面の波立ちで酸素が供給されやすいので、ろ過フィルターやエアレーションが必要ありません。
近場に排水できるため、水換えや掃除も簡単です。
一方で、冬には水温が下がることから、冬眠させる必要があります。
ジッとして動かなくなるので観察もできません。
また、台風や雨、メダカを食べる天敵といったリスクもあります。
雨・天敵とその対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
飼育に必要なものと準備物
メダカを飼育するために必要なものをご紹介します。
室内飼育と屋外飼育で少し異なります。
室内飼育に必要なもの
メダカを室内飼育するなら、次のものが必要です。
- 水槽
- ろ過フィルター
- 照明
- 餌
- カルキ抜き
- 水換え用のホース(プロホース)
- 水温計
- 網
上記に加えて、45cm以上の水槽の場合は重量があるので、水槽台を用意することをおすすめします。
また、冬場でも元気に泳ぐ姿を見たかったり、繁殖させたかったりする場合は水槽用ヒーターを使いましょう。
底砂と水草があると観賞性が増します。
メダカの室内飼育に必要なものとおすすめの飼育機材はこちらの記事で詳しく解説しています。
屋外飼育に必要なもの
屋外飼育に必要なものは次の6つです。
- 飼育容器
- 餌
- カルキ抜き
- 水換え用のホース(プロホース)
- 水温計
- 網
日光と風による波立ちで酸素が供給されやすいので、照明とろ過フィルターは必要ありません。
室内飼育と同様、必須ではありませんが底砂と水草もおすすめです。
メダカの屋外飼育で必要な飼育機材は、以下の記事で詳しく解説しています。屋外飼育におすすめの飼育容器もご紹介しています。
メダカ水槽・飼育容器の立ち上げ方
水槽や飼育容器を配置して水を入れ、魚が住める状態にすることを「立ち上げる」といいます。
- 室内飼育で水槽を立ち上げる
- 屋外飼育で飼育容器(トロ舟やプラスチック容器)を立ち上げる
この2つのパターンをご紹介します。飼育スタイルに合わせて必要な項目を参考にしてみてください。
室内飼育で水槽を立ち上げる
室内飼育で水槽を立ち上げる手順は次のとおりです。
- 水槽と水槽台の置き場所を決める
- 底砂を敷く(省略可)
- 水草を植える(省略可)
- ろ過フィルターを設置する
- 水槽用ヒーターを設置する(省略可)
- 水槽に水を入れる
- 照明を設置する
- 水を循環させて1週間待つ
- 水槽にメダカを入れる
- 餌やりは翌日にする
- 水換えをする
水槽や水槽台は1度設置して水を入れると簡単には動かせないので、入念に決めましょう。
水平で床の耐荷重が問題がなければ設置できます。飼育機材用の電源の確保も忘れにようにしてください。
屋外ほどバクテリアが繁殖しやすいわけではなく、酸素が供給される機会も少ないため、ろ過フィルターを設置します。
設置が終わってもすぐにメダカを入れず、バクテリアが増えるまで1週間ほど待ちましょう。
室内飼育の水槽の立ち上げ方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
屋外飼育で飼育容器を立ち上げる
屋外飼育は室内飼育よりも手順が少ないです。
- 飼育容器の置き場所を決める
- 底砂を敷く(省略可)
- 水草を植える(省略可)
- 水を入れる
- 1週間待つ
- メダカを入れる
- 餌をやる
- 水換えをする
必要な機材が少ないのは嬉しいことですが、日差しが強すぎると高水温になってメダカが消耗してしまうため、飼育容器の置き場所には注意しましょう。
すだれなどで日陰を作る方法が効果的です。
屋外飼育で飼育容器を立ち上げる方法と手順、注意点はこちらの記事で詳しく解説しています。
最適な水質と水温
メダカは水質や水温の変化に強い魚ですが、体に合った条件で飼育するほうがよいです。
餌食いがよくなったり、活性が上がったりなど、メダカの健康に大きく関係します。
飼育に必要な水量は「メダカ1匹につき1L」
メダカを飼育できる数は「水量」で決まります。
目安は「メダカ1匹につき水1L」です。
- 水量10Lの飼育容器:10匹
- 水量30Lの水槽:30匹
実際は水槽を満水にするわけではないので、表記してある水量よりも少なくなります。
また、メダカの数が多いほど、餌の食べ残しやフンが増えて水質が悪化しやすいため、控えめのほうが飼育しやすいです。
メダカには中性~弱アルカリ性の水質が最適
メダカの飼育に1番よい水質は中性~弱アルカリ性の水質です。
とはいえ、水質の適応範囲が広いので、弱酸性~弱アルカリ性であれば問題なく飼育できます。
魚を飼育していると水質は酸性に傾いていくため、水換えをして中性付近の水質に近付けるようにしましょう。
メダカに最適な水温は25~28℃
メダカは水温25~28℃が最適です。
繁殖させる場合もこの水温がベストです。とはいえ、水質同様、水温変化にも耐性があることから、18~30℃の範囲なら問題ありません。
メダカ飼育の高水温・低水温対策はこちらの記事をご覧ください。冬眠させる方法も解説しています。
メダカに与える餌の種類
メダカに与える餌の種類は次の4つに分かれます。
- 人工飼料
- 生き餌
- 乾燥餌
- 冷凍餌
それぞれ特徴と役割が異なるので、栄養価やメダカの大きさに合わせて使いわけることが重要です。
メダカに与えるおすすめの餌と種類は、こちらの記事で解説しています。
人工飼料
人工飼料はメダカの成長に必要な栄養素を考えて作られているので、栄養バランスがよいです。
乾燥していることもあって保存しやすく、稚魚から成魚に与えるメインフードです。
- 顆粒状:沈む速度が少し早く表層から底層まで行き渡りやすい
- パウダー状:粒が小さく稚魚や活性が低い成魚におすすめ
- フレーク状:餌が拡散しやすくメダカが多いときに効果的
形状によって拡散性や食べやすさが異なります。
生き餌
生き餌は嗜好性と栄養価が高い優秀な餌です。
- ブラインシュリンプ
- ミジンコ
- ゾウリムシ
- イトミミズ
丈夫な体作りに役立つだけでなく、稚魚の生存率を向上させることもできます。一方で、生きた状態で保存する必要があるので管理が難しいです。
生き餌の与え方や管理方法は、こちらの記事をご覧ください。
乾燥餌
乾燥餌は生き餌を乾燥させたもので、
- 乾燥赤虫
- 乾燥イトミミズ
- 乾燥ミジンコ
などが一般的です。保存性にも優れ、形が生き餌ということもあって嗜好性が高く好んで食べます。
冷凍餌
生き餌よりも扱いやすい冷凍餌を与えることもあります。
主な冷凍餌は次の4つです。
- 冷凍赤虫
- 冷凍ミジンコ
- 冷凍ブラインシュリンプ
- 冷凍イトミミズ
必要なときに解凍して与えられるので、保存しやすいのが特徴です。
一方で、動かないため嗜好性が劣り、解凍したら再冷凍できないデメリットもあります。
乾燥餌と同様、おやつとして給餌することが多い餌です。
メダカの餌やりの回数と与え方
メダカの餌やりの回数は悩みやすいポイントです。
栄養と健康面を考えると「1日2回」の給餌をおすすめします。時間帯は午前と午後に1回ずつ。
1回の量は「2~3分」で食べ切る量が目安です。
餌やりの注意点として、次の場合は1日の餌やり回数が変わります。
- 春や秋の低水温期:1日1回
- 冬眠中:なし
- 効率よく繁殖させたい:1日5回以上
- 稚魚:1日4~5回
- 調子が悪い:餌を与えず様子を見る
- 薬浴や塩浴中:なし
メダカの状況や体調を見て、調整することが重要です。
メダカの餌やりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
水換えの頻度と1回に換える水量
水が汚れるとメダカの体調不良につながるので、水換えが必要です。
目安は1~2週間に1回、水量は水槽の1/3程度です。
水の透明度が下がったり、嫌な臭いがしたりなどしたら水換えしましょう。
また、冬眠中に水換えすると水温変化でメダカに負担がかかるので、冬眠明けまで必要ありません。
メダカ容器・水槽の水換え方法とpH・水温ショックについては、以下の記事をご覧ください。
メダカが繁殖する条件
メダカは殖えやすい魚なので、繁殖させることができます。
繁殖に必要な条件は次の7つです。
- 成熟したオスとメスのメダカをそろえる
- オスとメスの数は2:3
- オスとメスの相性を確認する
- 繁殖に最適な日照時間は13時間以上
- 水温を25~28℃に調節する
- 繁殖には産卵床や産卵水草が必要
- 繁殖期の餌やりは飽和給餌にする
繁殖には成熟(繁殖できるまで成長)したオスとメスが必要で、メダカは孵化してから3~5ヶ月で成熟します。そのときの大きさは2cmほど。
オスとメスの見分け方はヒレの形状と体形で判断することができます。
- 背ビレが長く根本に切れ込みあり、先がギザギザしている
- 尻ビレが長く形は四角形
- 体形が比較的スマート
- 背ビレが短く切れ込みはない、先は丸みを帯びている
- 尻ビレは尾ビレに近付くにつれ短くなる
- 腹部が丸みを帯びる
オスよりもメスの割合が多く、2ペア以上のほうが繁殖させやすいです。
オスとメスの割合は2:3にして、オス4匹のメス6匹、計10匹で繁殖させることをおすすめします。
また、日照時間と水温によって繁殖が促されるため、日照時間を13時間以上にして水温を25~28℃に調節しましょう。
繁殖場所として人工産卵床、もしくはホテイアオイやマツモといった産卵水草が必要です。
メダカの繁殖とおすすめの産卵床については、こちらの記事で詳しく解説しています。
卵が孵化する条件
メダカが繁殖して産卵床に卵を産み付けたら孵化させましょう。
メダカの卵は、積算水温が250℃になると孵化します。
- 水温25℃なら10日で孵化
- 水温20℃なら12.5日で孵化
水温が高いほうが早く生まれますが、30℃を超える高水温で孵化させると奇形になりやすいため、25~28℃がよいでしょう。
一方、低水温で孵化に時間がかかるとカビが生えやすくなり孵化率が低下します。
同様に水質の悪化もカビの発生につながるので、注意が必要です。
メダカの卵を孵化させる方法
メダカが卵を産んでから孵化させる具体的な手順は次のとおりです。
- メダカが卵を産んだら隔離する
- 卵を産卵床から採卵する(付着糸を取り除いてバラバラにする)
- 卵の水換えには水道水を使う
- 有精卵と無精卵・死卵を分けて取り除く
- 日照時間は14時間を確保する
- エアレーションを使うなら最弱にする
孵化率を高くしてたくさん殖やしたかったり、品種改良に挑戦したりする場合は、上記の手順がおすすめです。
飼育スタイルに合わせて孵化方法を選びましょう。
卵を孵化させる方法と孵化率を上げる方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
メダカ稚魚の飼育方法について
メダカは稚魚期の飼育が1番難しいです。
成魚よりも繊細で気付かないうちに数が減っていることも少なくありません。
死因で1番多いのは餓死ですが、餌の種類と与え方を工夫するだけで生存率はグッと上がります。
メダカ稚魚の飼育環境
メダカ稚魚の飼育環境をご紹介します。
- 稚魚には大きい飼育容器がおすすめ
- 稚魚に最適な水質と水温
- ろ過フィルターは必要ない
- 日光と照明が稚魚の成長を助ける
稚魚用の飼育容器は5~10L程度の大きなものがおすすめです。
1cm程度まで成長すると体が丈夫になるので、水換えしても問題ありません。
最適な水質は親同様、弱酸性~弱アルカリ性で、水温は25~28℃に調節しましょう。
20℃以下では成長が悪くなり生存率が下がります。一方で30℃以上が連日続くと消耗してしまいます。
稚魚は水流に弱いので、ろ過フィルターを使用しません。
そのためにも、大型の飼育容器で水量を確保して水質の悪化を抑えます。
メダカ稚魚の飼い方と餌やり
メダカ稚魚の飼育方法を実際の流れをふまえて、ご紹介します。
メダカの稚魚に与える餌は次のとおりです。
- 人工飼料(稚魚用):孵化後3日~1ヶ月
- ゾウリムシ:孵化後2週間~1ヶ月
- ミジンコ:孵化後1ヶ月~成魚
- ブラインシュリンプ:孵化後1ヶ月~成魚
- グリーンウォーター:孵化直後~成魚
孵化後3日までは腹部にある栄養(ヨークサック)のみで育つので、餌を与える必要はありません。3日以降に上記の餌を与えます。
実際の手順はこちら。
- 孵化~3日:餌をやらない
- 3日~1週間:稚魚用の人工飼料を与える
- 1週間~1ヶ月:人工飼料とゾウリムシを与える
- 1ヶ月以降:人工飼料とミジンコやブラインシュリンプを与える
生存率の高いおすすめの方法ですが、生存率や体格を気にせず育てるだけなら人工飼料だけでも成魚にできます。
メダカ稚魚の飼育方法の詳細と生存率の上げ方は、こちらの記事で解説しています。
水草の役割と必要性
メダカ飼育にとって水草は、次の役割があります。
- 隠れ家
- 産卵床
- 水質浄化
- 日陰を作る
- 観賞性を上げる
- おやつになる
葉や茎が隠れ家になるので、メダカ同士のケンカや天敵が近付いたときに逃げ込むことができます。
種類によっては卵を産み付ける産卵床にもなるため、繁殖でも重宝します。
また、水中の余分な栄養を吸収して水をきれいにしたり、水面に浮かべることで強い日差しを遮ったりなど、メリットは少なくありません。
屋外飼育では、日陰になるだけでなく産卵床にもなるホテイアオイが優秀です。
ただし、背丈が高くなるうえに光量が必要なので、室内飼育ではアマゾンフロッグピッドをおすすめします。
マツモやアナカリスは安価で増えやすいため、使い便利はよいです。
アヌビアスナナとスクリューバリスネリアは観賞性重視の水草です。
ミジンコウキクサは特殊で、非常に小さな浮草なので、メダカが食べることができます。
メダカと一緒に飼える生き物と混泳相手の選び方
メダカと一緒に飼える相性のよい生き物を次のとおりです。
- 日本淡水魚:ドジョウ、シマドジョウ
- エビ:ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ、レッドチェリーシュリンプ
- 貝:石巻貝、ヒメタニシ、レッドラムズホーン
- 小型熱帯魚:コリドラス、オトシンクルス、ネオンテトラ、アカヒレ
メダカと一緒に泳ぐ姿を観察できるだけでなく、餌の食べ残しやコケを食べてくれるお掃除生体(メンテナンスフィッシュ)としても重宝します。
なかでも、ドジョウとエビ類、石巻貝は混泳させやすいうえに、掃除能力が高く人気があります。
この他にもメダカと同じ水槽で飼育できる生き物がいます。
メダカと一緒に飼える生き物と混泳相手の選び方は、こちらの記事をご覧ください。
メダカを食べてしまう天敵と対策
屋外飼育ではメダカを食べてしまう天敵に注意する必要があります。
- 昆虫類:ヤゴ、ボウフラ、ゲンゴロウ
- 鳥類:カラス、サギ、カワセミ
- 哺乳類:アライグマ、ハクビシン
- 両生類:トノサマガエル、ウシガエル、ツチガエル
天敵のなかでも昆虫類と鳥類は被害にあいやすいため、防虫・園芸用ネットを被せて侵入しないようにしましょう。
また、アライグマに食べられてしまうことも珍しくないので、金網に重しを乗せて対策します。
メダカを食べる天敵と、その対策についてはこちらをご覧ください。
メダカがかかりやすい病気
メダカは丈夫な魚ですが、体調をくずしたり、水質が悪い環境で飼育したりすると病気になります。
メダカがかかりやすい病気は次のとおりです。
- 白点病
- 水カビ病
- 尾ぐされ病
- 転覆病
- 過抱卵病
長期的にメダカを飼育するためには、病気の予防が必要です。
また、病気にかかったとしても治療できることもあるので、早期発見と治療を行いましょう。
白点病
白点虫(ウオノカイセンチュウ)が寄生することが原因で、体表やヒレに小さな白い点が現れます。
症状が進むと泳ぎ方に元気がなくなり食欲も低下します。
水温を28~30℃に上げ、メチレンブルーの薬浴が効果的です。
水カビ病
水質の悪化や体の擦れから細菌感染して発症します。
体の各部に白い綿状のカビが現れ、衰弱してしまいます。グリーンFリキッドを使った薬浴が効果的です。
体力があれば、水カビをピンセットで取り除くことで治りが早くなります。
尾ぐされ病
カラムナリス菌が原因で、水質が悪化することで発症する場合が多いです。
尾ビレが溶けたり、小さくなったりするだけでなく、弱って死んでしまうこともあります。
- グリーンFゴールド
- エルバージュエース
- 観パラD
といった魚病薬で薬浴して治療します。3種類とも治療の手順や濃度が異なるので、製品の記載を確認してください。
転覆病(てんぷくびょう)
腹部が膨張して、お腹を上に向けて浮かぶようになります。
明確な原因は特定されていませんが、消化不良によって腹部にガスがたまることで発症することがあります。
治療法はないので、消化不良になりやすい低水温期の餌やりに注意しましょう。
過抱卵病(かほうらんびょう)
メスが卵を産めないことで発症します。
腹部が大きく膨張するのが特徴です。
最悪の場合は死んでしまうこともありますが、相性のよいオスがいることで産卵して回復します。オスの数を増やすことをおすすめします。
メダカ飼育で悩みやすい・失敗しやすいポイント
最後に、初心者の方がメダカ飼育で悩んだり、失敗したりしやすいポイントを10個にまとめました。
- 水道水のカルキを抜かずに水換えする
- 一度に多量の水換えをする
- 小さな飼育容器で飼う
- 水槽を立ち上げたその日にメダカを入れる
- メダカを水槽に入れるときに水合わせしない
- 餌を多めに与えて水が汚れる
- たくさんのメダカを1つの飼育容器で飼う
- 夏の高水温や冬の低水温対策をしない
- 混泳できない魚・エビ・生き物を入れてしまう
- 天敵にメダカを食べられる
これから飼育を始める人は、事前に知っておくことで失敗を避けることができます。
現状で飼育が上手くいってない人は、チェックリストとして活用してみてください。
詳細と対策はこちらの記事で解説しています。
まとめ:【1記事でわかる】メダカの飼い方・育て方!水槽・餌選びのポイントとベストな飼育環境
今回は、メダカの飼育に必要なことをすべて解説しました。
飼育が簡単といわれるメダカですが、初心者の方にはわからないことがあっても無理はありません。
また、慣れてきた頃に繁殖や稚魚の育成、病気といった少し難しい問題に直面することもあります。
そのようなときに、この記事がお役に立てば幸いです。
この他にもメダカの飼育に役立つ記事を掲載しているので、ぜひ、参考にしてみてください。