GEXから販売されている「卵のお守り産卵床」は、メダカの繁殖に使う人工産卵床として有名です。
産卵数や孵化率が上がるという話を聞きますが「実際どうなの?」という人は少なくありません。
そこで、今回は卵のお守り産卵床を完全レビューします。
目次
メダカの繁殖で役立つ「卵のお守り産卵床」の特徴
【メーカー】ジェックス(GEX)株式会社
【サイズ】5×5×6cm(幅:奥行き:高さ)
【材質】フロート:EVA発泡体 スポンジ:ポリエステル、アクリル
【個数】4個
「卵のお守り産卵床」は、アクアリウムやペット用品を取り扱うGEXが販売している人工産卵床です。
- 孵化率約2倍※ジェックスラボ調べ
- メダカが産卵しやすい形状と硬さ
- 卵にカビが生えにくい特殊繊維(銀世界)
といった特徴があります。この時点では「良さそう」というのが率直な感想です。
卵のお守り産卵床を使ってわかったメリット
気になるのは商品情報よりも実際のデータです。
そこで、卵のお守り産卵床を実際に使ってみて、メリットをまとめました。
産み付けられた卵が確認しやすい
深緑色をしているので、産み付けられた卵がわかりやすいです。
黄色い卵がよく目立ちますね。
カビが生える前の白っぽい死卵も一目で確認できます。
産卵床から卵を取って孵化させたい場合に効果的です。
産卵数が多い
同時期に他の産卵床も使っていましたが、卵のお守り産卵床のほうが産卵数が多かったです。
朝方産卵して、昼頃確認してみるとびっちり卵が付いていることも。
品種改良目的で産卵数を増やしたい方には重宝するのではないでしょうか。
フロートが付いていて、卵の移動がしやすいのも嬉しいポイントです。
カビが生えにくい
他の人工産卵床と水草(ホテイアオイとウィローモス)と比較してカビが生えにくい印象です。
同じ飼育容器に入れていた結果なので、水質の良し悪しというわけではないようです。
「パーツが分解できて掃除しやすい」こともカビが生えにくい大きな要因でしょう。
フロートとスポンジが分解できて簡単に掃除できるので、清潔な状態を維持しやすいです。
孵化率が高い
カビが生えにくいことで死卵が少なったおかげなのか、孵化率が高いです。
1つの産卵床に産み付けられた卵の数と死卵の数、そして生まれた稚魚の数から計算して「孵化率はおよそ9割」ほど。
体色や模様がきれいな親が産んでも孵化しなければ意味がないので、効率重視の繁殖や品種改良目的の場合に向いています。
4色あって品種によって色をそろえられる
1袋に4色入っているので、品種によって使い分けることができます。
たとえば「幹之(みゆき)メダカは青色、三色ラメは赤色」といったように、品種ごとに使う色を変えれば人工産卵床に付いている卵がどの品種か一目でわかります。
ふとした瞬間に混ざって困ることがあるので助かりますね。
卵のお守り産卵床を使ってわかったデメリット
とても優秀な製品ですが、使ってみてわかったデメリットもあります。
お値段は高め
1番気になったところが「値段」です。
店舗にもよりますが、4個入りで800~900円ほど。
産卵床から卵を取らずにそのまま移動させて孵化させる場合には、たくさんの産卵床が必要なので少し値が張ります。1回1回卵を取って産卵床を戻すのも手間ですし効率が悪いです。
安価なもので代用する、もしくは、
- マツモ
- アナカリス
- アマゾンフロッグピッド
といった増えやすい水草と併用する手もあります。産卵数であればホテイアオイが1番ですが、数をそろえるとなると値が張りますからね。
メダカにおすすめの水草は、こちらの記事で詳しく解説しています。
卵が繊維の奥に入って取りにくいことがある
卵を取って単体で孵化させようとした際に、繊維の奥のほうに卵が入って取りにくいことがあります。
とはいえ、これは産み付けられた卵が落ちないことにもつながるので、デメリットとは言い切れません。少し手間がかかる程度です。
産み付けられず沈んでいる卵がある
産卵数が多いといっても、100%の卵が産み付けられるわけではなく、底に沈んでしまう卵もあります。
これは、他の産卵床にもいえることですね。
ただ、飼育容器の底にある卵を網ですくう作業も手間でしかないので、底に沈むタイプの「沈める卵のお守り産卵床」を使ってみました。
完ぺきではありませんが、産み付けられずに沈む卵をカバーできるので便利です。それでも拾えない卵は網ですくわなければいけないものの、労力は抑えられます。
まとめ:【メダカの繁殖】「卵のお守り産卵床」を完全レビュー!使用してわかったメリットとデメリット
卵のお守り産卵床のレビューのまとめです。
- 産み付けられた卵が確認しやすい
- 産卵数が多い
- カビが生えにくい
- 孵化率が高い
- 4色あって品種によって色をそろえられる
- お値段は高め
- 卵が繊維の奥に入って取りにくいことがある
- 産み付けられず沈んでいる卵がある
値段が気になる場合は、力を入れたい(高価な)品種に使って、その他の品種は安価なものや水草を使って併用するのも1つの手。
手間でなければ、産卵床から卵を取って飼育容器に戻す方法もあります。
メダカの繁殖は産卵床の性能によって、効率が段違いに変わってきます。
「卵のお守り産卵床」は産卵床として優秀なので、本格的に繁殖・品種改良に挑戦したい方におすすめです。