メダカの飼育に慣れてきたら、繁殖に挑戦したくなります。
とはいえ、餌やりと水換えを怠らなければできる飼育と違って、繁殖は少し難しい印象がありますよね。
ここでは、
- メダカを繁殖させてみたいけど方法がわからない
- 挑戦してみたけど繁殖しない
- 繁殖回数や産卵数を増やして効率よく繁殖させるにはどうしたらいい?
といった悩みや問題を解決するために、メダカを繁殖・産卵させる7つの方法をご紹介します。
目次
メダカを繁殖・産卵させる7つの方法と条件!
メダカを繁殖・産卵させる方法は次のとおりです。
- 成熟したオスとメスのメダカをそろえる
- オスとメスの数の割合は2:3
- オスとメスの相性を確認する
- 繁殖に最適な日照時間は13時間以上
- 水温を25~28℃に調節する
- 繁殖には産卵床や産卵水草が必要
- 繁殖期の餌やりは飽和給餌にする
この7つの条件がそろっていれば、メダカが高確率で繁殖します。
これから繁殖に挑戦したい方はもちろん、現時点でメダカがうまく繁殖しない場合には、1つずつ目を通してみてください。
成熟したオスとメスのメダカをそろえる
前提として、成熟した(繁殖できる状態に育った)オスとメスのメダカをそろえる必要があります。
メダカは孵化後(卵から産まれて)早ければ3ヶ月、遅くとも5ヶ月前後で成熟します。
このときの体長は約2cmです。
アクアショップやホームセンターなど、販売されているメダカは成魚であることがほとんどなので、成熟の有無を心配する必要はありません。
もし人からゆずってもらったり、入手したりしたメダカが小さい場合は、2cm程度に育ててから繁殖に挑戦しましょう。
オスとメスの特徴と見分け方
1.5~2cmほどに成長すると、オスとメスで特徴が出てくるので見分けることができます。
- 背ビレが長く根本に切れ込みがあり、先がギザギザしている
- しりビレが長く形は四角形
- 背ビレが短く根本に切れ込みはない、先は丸みを帯びている
- しりビレは尾ビレに近付くにつれて短くなる
- 腹部が丸みを帯びる
1番見分けやすいのは、背ビレとしりビレの違いです。
体形は慣れるまでは、わかりにくいかもしれません。上から見ると、オスのほうがスマートな印象を受けます。
オスとメスの数の割合は2:3
オスとメスの割合は、2:3が理想です。
- オスが2匹ならメスは3匹
- オスが4匹ならメスは6匹
オスはメスよりも多くの餌を食べる傾向があります。
1ペアよりも2ペアのほうが繁殖する確率が高いことから、オス4匹・メス6匹の計10匹がおすすめです。
オスとメスの相性を確認する
成熟したオスとメスがそろっていれば繁殖するわけではなく、メダカにも相性があります。
相手が気に入らない場合は、なかなか繁殖まで進みません。また、片方が生殖機能に問題ある可能性もゼロではないです。
3日~1週間ほど様子をみて、産卵していないようであればペアを変えましょう。
繁殖に最適な日照時間は13時間以上
メダカの繁殖には日照時間が大きく関係しているので、13時間以上に調整しましょう。
メダカの繁殖期は4~10月ですが、これは日照時間が長くなるためです。
室内飼育の場合は、照明を使って管理します。
ただし長ければよいものではなく、メダカのバイオリズム(活動したり休んだりするリズム)にも関係するため、13~14時間点灯して夜間は休めるよう消灯しましょう。
水温を25~28℃に調節する
メダカを繁殖させる場合は、水温が25~28℃になるように調整します。
18℃以上あれば繁殖しますが、25℃以上のほうが繁殖率は高いです。
とはいえ、30℃を超えるとメダカが消耗してしまううえに孵化率も下がるので、屋外飼育ならすだれを使って日陰を作る、室内飼育なら水槽用冷却ファンを設置して28℃ほどにしましょう。
繁殖には人工産卵床や産卵水草が必要
メダカの繁殖には、産卵場所になる「産卵床」が必要です。
産卵床には「人工産卵床」と「産卵水草」の2種類があります。
メダカにおすすめの産卵床は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
人工産卵床
人工産卵床は、化学繊維にフロート(浮き)が付いた産卵床です。
- 産み付けられた卵がわかりやすい
- 卵にカビが生えにくい
- 孵化率が高い
といったメリットがありますが値段は高め。
とはいえ水草のように枯れる心配がないので、長期間使えて扱いやすいおすすめの産卵床です。
産卵水草
水草はメダカの産卵床になります。
- ホテイアオイ
- アマゾンフロッグビット
- マツモ
- アナカリス
といった種類が産卵水草としてよく使われます。
とくにホテイアオイは、水中に根が大きく広がりメダカが産卵しやすいです。大きな葉が日差しを遮り、高水温対策にもなります。
他の3つは産卵床としての能力は劣るものの増殖しやすいため、水草を増やしながら産卵水草として使うことができます。
産み付けられた部分を切って移動することで、親メダカに卵が食べられないよう隔離しやすいのもメリットです。
メダカにおすすめの水草は、こちらの記事で詳しく解説しています。
繁殖期の餌やりは飽和給餌にする
繁殖期のメダカに餌をやるときは、飽和給餌(ほうわきゅうじ)します。
飽和給餌を言い換えると「メダカが食べるだけ餌を与えること」です。繁殖には相当なエネルギーが必要なので、餌の量を増やして補います。
餌やりの間隔は2時間おきがおすすめです。
朝の8時に餌をやり始めたら、16時には5回の給餌が終わります。もちろん、時間帯は前後しても問題ありません。
ただし、夜明けや日没間近に餌をやると食べてすぐ寝ることになるため、消化不良につながる可能性があります。
飽和給餌するなら水換えの頻度を高める
飽和給餌するとフンや餌の食べ残しが増えるため、水質が悪化するペースが速まります。
汚れた水はメダカの体調不良につながるので、水換えの頻度を高めましょう。
通常が2週間に1回なら1週間に1回に変更するといった具合です。
メダカが卵を産んだら別の容器や繁殖ケースに隔離する
メダカが卵を産んだら、すぐに別の場所へ隔離しましょう。
親メダカやその他の成魚が卵を食べてしまいます。隔離場所になる水槽や飼育容器は、繁殖する前に準備しておくことが大切です。
人工産卵床に産卵した際には、たくさんあるなら産卵床ごと移動させます。産卵床の数が少ない場合は、手で丁寧に取って卵だけ移しましょう。
産卵水草の場合は、水草ごと卵を隔離します。
マツモやアナカリスは繁殖力が高いので、産卵した部分だけ切って移動しても問題ありません。
まとめ:メダカを繁殖・産卵させる7つの方法と条件!水温と日照時間の調整が必須条件です
メダカを繁殖・産卵させる7つの方法と条件をご紹介しました。
- 成熟したオスとメスのメダカをそろえる
- オスとメスの数の割合は2:3
- オスとメスの相性を確認する
- 繁殖に最適な日照時間は13時間以上
- 水温を25~28℃に調節する
- 繁殖には産卵床や産卵水草が必要
- 繁殖期の餌やりは飽和給餌にする
メダカを繁殖させてみたい方、もしくは挑戦しているものの繁殖しない場合に参考にしてみてください。
メダカが産卵すると嬉しいものです。また卵から稚魚、成魚まで成長させられると飼育しがいがありますし、より愛着が湧いてきます。
メダカの繁殖は簡単で、初心者の方にもおすすめです。ぜひ、実践してみてください。
産卵した卵や孵化した稚魚の世話については、こちらの関連記事がおすすめです。