
「pHショックにならないよう水合わせをお願いします」
アクアショップで魚を購入するときによく聞くセリフです。ただ、これから魚の飼育を始める初心者の方は、
- pHショック?
- 水合わせ?
といったように、聞き慣れない言葉に困ってしまうこと珍しくありません。
水合わせは魚を水槽に入れるときに必要な作業で、これをしないとショック症状を起こして死んでしまうこともあります。
今回は、魚を死なせることなく水槽に入れて飼い始められるよう、簡単で魚にやさしい水合わせ方法をご紹介します。
目次
水合わせに必要なアイテム
水合わせには次のアイテムが必要です。
- ソフトチューブ
- 一方コック
一方コックは水合わせの際に水量を調節するために使います。
なくてもソフトチューブの端を軽く結ぶことで水量を調節できますが、少し面倒です。また、必要ではありませんが、キスゴムがあると手で持っていなくても水合わせできるので楽ですよ。
そろえるのが面倒な場合は、一式そろった「水合わせキット」をおすすめします。
具体的な使い方は順を追って説明しますね。
簡単で魚にやさしい水合わせ方法の手順!
魚を水槽に入れるときの水合わせ方法は次の手順です。
- 魚を袋ごと水槽に浮かべる
- 袋からバケツに移す
- ソフトチューブを使って水槽の水をバケツに入れる
- 網で魚を水槽に移す
順を追って詳しく解説しますね。
- 熱帯魚
- 日本淡水魚(メダカや金魚を含む)
- 海水魚
- エビ
など、魚全般に共通する方法なので、一度覚えておくととても便利です。
1.魚を袋ごと水槽に浮かべる
初めに魚を袋ごと水槽に浮かべましょう。
購入してきたままの状態であれば、袋に入って輪ゴムで留められているので、そのまま水槽に入れて浮かべます。この作業で水槽の水と魚のいる水の水温を合わせます。
時間は30~60分程度です。
2.袋からバケツに移す
しばらく待って水温合わせが終わったら、次は魚を水ごとバケツに移します。
水が入ればプラスチックケースでもかまいません。容器が小さい場合は、袋の水を半分ほど捨てても良いです。
3.ソフトチューブを使って水槽の水をバケツに入れる
ここからが本格的な水合わせで、ソフトチューブを使って水槽の水をバケツに入れていきます。
この作業で水槽と魚がいる水の水質を合わせます。ソフトチューブの片側を水槽に入れて(水面あたり)、もう片方を口で吸って水を吸い上げましょう。
水槽の水面より低い高さまで水がくると、そのまま流れ続けます(サイフォンの原理)。このとき、水量が多いと水質が急変してしまうので、「一方コック」を付けてから吸い上げると、自由に水量を調節することが可能です。
目安は1秒間に3滴程度ですが、神経質にならずチョロチョロ出るぐらいで問題ありません。バケツからこぼれない程度に水がいっぱいになったら終了です。
4.網で魚を水槽に移す
最後にバケツから魚をすくって水槽に移します。
やさしくすくって、ゆっくり入れてあげてください。
水合わせしないと危険!pHショックと水温ショックについて
ここからは、水合わせしないと起こる「pHショック」と「水温ショック」についてご紹介します。
pHショック
「pHショック」は水質(pH)が急変することで起こるショック症状です。
水には「酸性~中性~アルカリ性」といったように違いがあります(水道水は中性)。数値では中性を7.0として、それより低くなれば酸性、高ければアルカリ性と変化します。
たとえば、pH7.3からpH6.0の水に移すと水質に大きな差があるため危険です。pHショックになると暴れたり、元気なく横たわったりして、死んでしまうことも少なくありません。
このpHショックにならないよう、少しずつ水を注いで水質の変化を最小限に抑える方法が水合わせです。
水温ショック
「水温ショック」は水温が急変することで起こるショック症状です。
人でも「冷たい水に急に入ると危ない」といわれますよね。魚は人よりもさらに温度の変化に敏感なので、少し水温が変化するだけでも大きな負担がかかります。
水温ショックになると、ピクピクと変な泳ぎ方をしたり、力なく横たわったりして死んでしまうことが多いです。
水合わせの最初に水槽に袋を浮かべるとお話ししましたが、これは、袋越しに水槽の水温を伝わらせて温度差をなくすためです。
まとめ:【熱帯魚やメダカ】簡単で魚にやさしい水合わせ方法!pHショックの危険性も解説
今回は魚を水槽に入れるときに欠かせない「水合わせ」について解説しました。
- 魚を袋ごと水槽に浮かべる
- 袋からバケツに移す
- ソフトチューブを使って水槽の水をバケツに入れる
- 網で魚を水槽に移す
最初の内は手間がかかるかもしれませんが、慣れてくるとソフトチューブで水を注ぐタイミングで目を離すこともできます。
また、太めのホースでザーッと水合わせするならまだしも、ソフトチューブで扱える水量で少し多い程度であれば問題ありません。
自信をもって実践してみてください。