金魚は人気の魚なので、品種改良によってたくさんの種類が存在します。
ただ、金魚を初めて飼育する方にとっては、「飼育が簡単で失敗しにくい種類がほしい」ということも多いのではないでしょうか。
飼育が簡単な金魚とはいえ、種類によって難易度は変わります。
見た目だけで判断すると餌を食べにくかったり、環境に合わなかったりなど上手くいかないこともあるため、種類選びは安定して長期間飼育するための第一歩といっても過言ではありません。
そこで今回は、初心者の方におすすめの飼いやすい金魚5選をご紹介します。
飼いやすい金魚を最初の1匹に選ぶことで、餌を食べにくい、体調が安定しないなど、トラブルにつながる確率が下がります。
目次
飼いやすい金魚の種類と特徴
金魚の体型を大きく分けると次の3つになります。
- 和金型
- 琉金型
- ランチュウ型
このなかで一番飼いやすいのが「和金型(わきんがた)」です。和金型はその名のとおり、和金を代表とする体型です。
和金型は原種のフナに近い
金魚はフナの突然変異から生まれたヒブナから品種改良され、現在ではたくさんの品種が存在しますが、なかでも和金は「フナにとても近い」のが特徴です。
フナ→ヒブナ→和金→その他の金魚
改良品種は、改良する前のもとになった種類(原種)に近いほど丈夫です。金魚の場合は「フナに近いほど環境の変化に強い」といえます。
そのため、和金を代表とする和金型の金魚は餌食いが悪かったり、水質に敏感だったりすることがなく飼育しやすいです。
琉金型・ランチュウ型でも飼育の難易度が高いわけではない
一番飼いやすい金魚は和金型ですが、琉金型(りゅうきんがた)やランチュウ型であっても初心者の方が飼育できないほど難しいわけではありません。
ただ、琉金型とランチュウ型は体が丸いため、
- 水流が苦手
- 頭のコブが発達する品種は水面の餌が少し食べにくい
- 消化不良や転覆病になりやすい
といった特徴があるので、和金型と比べると飼育の難易度が少し高いです。
とはいえ、ろ過フィルターの吐出口の向きを調節して水流を弱めたり、消化しやすい沈下性の餌を与えたりなど、ちょっとした配慮で十分飼育できます。
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金魚の飼いやすさは尾の形も関係する
金魚の飼いやすさは、体型だけでなく「尾の形」も関係します。
一番飼いやすいのは「フナ尾」の金魚です。シンプルな形の方が遊泳力が高く、水流に影響されにくかったり、餌を食べやすかったりするためです。
金魚の尾の形を大きく分けると、
- フナ尾:フナと同じシンプルな形状
- 吹き流し尾:後方に長く伸びる
- 3つ・4つ尾:3つ、4つに分かれる
などがありますが体型と同様、原種のフナに近いほど遊泳力が高く飼育しやすいです。
とはいえ、体型ほど飼育のしやすさに関係するわけではないので、吹き流し尾や3つ・4つ尾であっても問題なく飼育できます。
【厳選】飼いやすい金魚5選!
ここからは、たくさんの種類の中から飼いやすい金魚を5種類ピックアップしてご紹介します。
和金体型・フナ尾はもちろん、その他の体型や尾の金魚から飼いやすい種類をご紹介するので、ご覧になってみてください。
和金
和金型の代表的な種類で、一番飼いやすい金魚です。
アクアリウムショップはもちろん、ペットショップやホームセンターで見かけることも少なくありません。小赤(こあか)として流通することも多いです。
丈夫なうえに安価で入手しやすいこともあって、金魚すくいでも多く用いられます。
和金は赤い体色のフナ尾が一般的ですが、
- 更紗(さらさ):赤と白の2色
- キャリコ:赤・白・黒の3色
といったカラフルな種類や3つ尾・4つ尾の種類もいます。和金が一番飼いやすいですが、更紗和金やキャリコ和金、3つ尾・4つ尾の和金も簡単に飼育できます。
20cm近い大きさになることもありますが、水槽飼育では10~15cm程度にとどまることが多いです。
コメット
和金型の金魚ですが名前のとおり、彗星(すいせい)のように長く伸びる吹き流し尾が特徴です。
尾は長いものの遊泳力があるので、とても飼いやすい種類です。
赤と白の更紗模様が一般的で、ペットショップやホームセンターで見かけることも少なくありません。大きなものでは20~25cm近くなることもあります。
朱文金(しゅぶんきん)
3色のキャリコ模様と吹き流し尾が美しい和金型の金魚です。
キャリコ出目金とヒブナ・和金の掛け合わせで生まれた品種なので、原種に近くとても丈夫で飼いやすいです。
遊泳力が高いので、和金型の金魚と一緒に飼っても餌を食べ損ねることはありません。
大きさは15cm程度でとどまる場合が多いですが、20~25cmに成長することもあります。
琉金(りゅうきん)
琉金型の代表的な品種で、和金ほどではないものの丈夫で入手しやすい金魚です。
体高のある寸詰まりな体と3つ尾・4つ尾が特徴的です。体色は赤や更紗が一般的ですが、キャリコなども珍しくありません。
和金の突然変異から生まれた品種なので、環境の変化に強いですが、和金型に比べ泳ぎが上手くありません。和金型と一緒に飼育すると餌を食べ損ねることが多いので、同じ琉金型やランチュウ型など、丸い体型の金魚と混泳させるのがおすすめです。
また、消化不良が主な原因の転覆病にかかることがあるので、消化の良い餌を与えたり、水温が下がる時期には水槽用ヒーターを入れて加温したりすると安定して飼育できます。
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出目金(でめきん)
飛び出た目が特徴的で愛嬌のある琉金型の品種です。
琉金の突然変異から生まれたこともあって、寸詰まりな体と大きく開く3つ尾・4つ尾を持っています。赤や黒一色、キャリコといった体色が一般的です。
大きくとも15cm前後なので、やや小ぶりな印象を受けます。琉金と同様、泳ぎが上手い品種ではないので、混泳相手は琉金型やランチュウ型が向いています。
飼いやすい金魚でも飼育環境は整える
飼いやすい金魚とはいっても、餌の頻度や量が適切でなかったり、水がひどく汚れていたりすれば体調不良になることもあります。
- 餌は1日に2回、2~3分で食べ終わる量
- 水換えは2週間~1ヶ月に1回
など基本的な飼育方法をふまえて世話をするようにしましょう。
言い換えると基本さえできていれば、失敗することは少ないので神経質になる必要はありません。
金魚の餌やりや水換えについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫金魚の餌やりは1日何回がベスト?餌の頻度・量と与える時間帯について【季節で変わる】
≫金魚水槽の水換え方法と理想的な頻度・水量を解説!1ヶ月に何回がベスト?
まとめ:【厳選】飼いやすい金魚5選!初心者におすすめの簡単に飼育できる種類
今回は、初心者の方におすすめの飼いやすい金魚5選をご紹介しました。
- 和金
- コメット
- 朱文金
- 琉金
- 出目金
どれも丈夫で環境の変化に強い金魚ですが、比べるなら、
- 和金
- コメット・朱文金
- 琉金・出目金
といった順に飼いやすくなります。とはいえ、見た目や愛嬌など、人によって好みがあるので、
「キャリコ模様のきれいな朱文金がいい」「出目金の出っ張っている目がかわいい」
など、お気に入りの1匹を選ぶことが失敗しないコツです。