【失敗なし】熱帯魚の飼育に必要なものと飼育用品の選び方

熱帯魚の飼育は、カラフルでかわいい魚を飼える人気の趣味ですが、始めるときに立ちはだかるのが「飼育用品選び」の壁です。

熱帯魚はもちろん、魚の飼育自体が初体験の人では、

  • 水槽の大きさやろ過フィルターの種類選びが難しい
  • 飼育用品の種類が多すぎて判断できない

といった問題に直面する人は少なくありません。

そこで今回は、熱帯魚の飼育に必要なものと失敗しない飼育用品の選び方をご紹介します

必要なものを買わずに失敗したり、不要なものを買って余計に費用がかかったりせず、熱帯魚の飼育を始められようになるので、ご覧になってみてください。

高橋
グッピーやネオンテトラ、コリドラスなどの小型熱帯魚から、アーモンドスネークヘッドやオスカー、ポリプテルスなどの中~大型熱帯魚まで飼育してきました。魚種は変わりつつも、20年以上管理してきた経験をふまえて解説します。

熱帯魚の飼育に必要なものと失敗しない飼育用品の選び方

熱帯魚の飼育に必要なものは、次の8つです。

  • 水槽
  • ろ過フィルター
  • 照明
  • 水槽用ヒーター
  • 水温計
  • バケツ
  • カルキ抜き

飼育用品の用途と必要性、選び方を具体的に解説していきます。

チェックポイント

※ここでは、小型~中型熱帯魚向きの飼育用品を中心にご紹介します。

例をあげると、

  • グッピー
  • ネオンテトラ
  • コリドラス
  • プラティ
  • オトシンクルス
  • グラミー

といった魚種です。あくまで例なので、大型熱帯魚や肉食魚でなければ、この他の魚種にも当てはまる内容になっています。

飼育用品がすでにそろっていて水槽を立ち上げる段階の方は、こちらの記事をご覧ください。

水槽:30~60cm水槽がおすすめ

熱帯魚用の水槽は、30~60cm水槽がおすすめです。

30cm水槽より小さいと、水量が少なく水が汚れやすいです。また90cm以上の水槽は、200kgを超えることも珍しくないので、床の耐荷重を考えなければ置くことはできません。

最初の1台目は、30~60cmの範囲で水槽サイズを選ぶことで失敗するリスクが減ります。

また水槽の大きさは、次の2点が判断基準になります。

  • 用意できる飼育スペース
  • 飼育したい魚の数

水槽は居住スペースを圧迫するため、飼育スペースの確保が重要です。そのうえで、たくさん飼いたい場合は大きな水槽を選ぶようにしましょう。

水槽サイズに合った飼育数の目安は次のとおりです。

水槽サイズグッピー程度グラミー程度
30cm水槽(12L)12匹2~3匹
45cm水槽(32L)32匹6~7匹
60cm水槽(64L)64匹10~12匹
※あくまで目安です

グッピーやネオンテトラなどの小型熱帯魚は水1Lに対して1匹、グラミーやモーリーといった少し大きな魚種では5Lに1匹程度で考えます。

ただし、水槽は満水にするわけではないため、目安の7~8割程度に抑えるほうが無難です。

水槽サイズで悩む場合は、60cm水槽がおすすめです。熱帯魚の飼育を始めると、飼いたい魚種が増えることがよくあります。

高橋
60cm水槽であれば、大型魚以外の一般的な熱帯魚が飼育できます。流通量が多いことで、ろ過フィルターや照明といった周辺機材の種類も豊富です。

45cm以上の水槽には水槽台を用意

45cm以上の水槽は水を入れると重くなるので、置き場所には水槽台がおすすめです。

45cm水槽(幅45奥行き24高さ30cm)には約32L入るうえに、照明やろ過フィルター、底砂を入れると40kg近い重さになります。60cm水槽(幅60奥行き30高さ36cm)では80kgが目安です。

さらに、水槽は移動させることなく一点に重さがかかりつづけるため、置き場所への負担は小さくありません

耐荷重を確認して問題なければメタルラックや棚に置けないこともありませんが、保証はできないので専用の水槽台のほうが安全です。

選び方とおすすめの水槽台は、こちらの記事で詳しく解説しています。

≫45・60cm水槽におすすめの水槽台6選と選び方!水槽の安全を守る必需品

ろ過フィルター:水質をきれいに保つ

ろ過フィルターは、水槽の水をきれいにする重要な機材です。

汚れた水で飼育すると熱帯魚が体調をくずしてしまうため、ろ過フィルターで管理する必要があります。

扱いやすいろ過フィルターの種類は、次の3つです。

  • 上部フィルター
  • 投げ込み式フィルター
  • 外掛け式フィルター

上部フィルターは水槽の上に設置するもので、高いろ過能力が特徴です。

上部フィルター

多くの水をろ過する必要がある60cm水槽におすすめします。

投げ込み式フィルターは水槽内に設置しますが、設置が簡単な反面、ろ過能力は高くありません。

投げ込み式フィルター

30~45cm水槽向きのろ過フィルターです。

外掛け式フィルターは設置しやすく、ろ過能力があるものの上部フィルターほどではないので、30~45cm向きです。

高橋
投げ込み式と外掛け式で悩む場合は、手軽さなら投げ込み式、水槽内をすっきり見せたいなら外掛け式をおすすめします。

照明:明るく照らして魚の健康管理にも効果的

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照明は水槽を明るく照らせることはもちろん、熱帯魚の健康管理に役立ちます

魚は光が当たることで動いたり、休んだりといったリズムを整えるため、照明がないとバイオリズムがくずれて体調不良につがなることがあります。

また、熱帯魚と一緒に水草を育てたい場合にも欠かせません

熱帯魚や育成が簡単な水草であれば、一般的な照明で十分です。光量がないと育ちにくい水草を入れる場合は、水草育成用の強い照明を用意しましょう。

水槽用ヒーター:熱帯魚には加温が必要

熱帯魚は暖かい地域の魚なので、水槽用ヒーターを使って加温する必要があります。

適水温は26℃程度なので、夏場以外には欠かせない飼育用品です。

水槽用ヒーターは、水槽の大きさ(水量)によって最適なものが変わります。とはいえ、温められる水量が多いだけで基本性能に大きな違いはありません。

安全面を考えると、水中以外で電源を入れると通電しなくなる空焚き防止機能が付いたヒーターがおすすめです。空焚きによる火災を未然に防ぐことができます。

高橋
ただし、誤って水上で電源を入れて防止機能がはたらくと再使用できなくなる製品がある点には注意してください。

餌:人工飼料が手間いらず

熱帯魚の餌やり

熱帯魚の飼育では、人工飼料をおすすめします

熱帯魚に必要な栄養バランスを考えて作られているうえに、乾燥状態で保存しやすいため扱いやすいです。

人工飼料のみで飼育しても、栄養が偏ってしまうことがありません。

赤虫やブラインシュリンプなどの生き餌も好んで食べますが、生きた状態で管理する手間があります。

高橋
人工飼料以外の餌も与えたい場合は、市販されている冷凍や乾燥状態の赤虫であれば保存性が高くおすすめです。とはいえ、人工飼料と違って栄養バランスが偏るので、おやつとして与えるようにしましょう。

熱帯魚の餌やりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

≫熱帯魚の餌やりは1日1回がベスト!健康的に育てられる回数と量を理由付きで紹介

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水温計:熱帯魚や水槽の異常を察知できる

水温

水温計は、熱帯魚や水槽の異常を教えてくれる重要な飼育用品です。

水温の上下がわかるので、たとえ水槽用ヒーターが故障しても早期に対応できます。発見が遅れると、水温の上昇、もしくは低下に耐えられず水槽内の魚が全滅してしまうケースも珍しくありません。

また、夏に水槽用ヒーターを外していると、水温が下がり始める秋になっても入れ忘れてしまうことがあります。

熱帯魚の安全や健康管理に欠かせないものなので水槽に1個設置して、日課として毎日確認するようにしましょう。

熱帯魚の体調不良については、こちらの記事で詳しく解説しています。

≫熱帯魚が底や水面で動かない・元気がない12の原因と対策!泳がないのは体調不良のサイン

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バケツ:水換えの必需品

熱帯魚飼育では汚れた水を定期的に交換する必要があるため、水換え用のバケツを用意しましょう。

10Lほど入る大きさが使いやすいです。5Lではすぐ満杯になりますし、20Lは重すぎたり、大きすぎたりするため重いものが持てる人以外は扱いにくいです。

高橋
腕力に自信があって60cm以上の水槽の水換えであれば、20Lのほうが効率的な場合もあります。とはいえ、水換えは1回に水槽の1/3程度の水量が目安なので、60cm水槽(64L)であっても約20Lで十分です。10Lバケツなら2回の排水と注水で済みます。
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カルキ抜き:水道水の有害な塩素を除去

水換えには水道水を使いますが、そのままでは魚に有害な塩素(カルキ)が含まれているため使用できません

高橋
塩素は市販の「カルキ抜き」を入れることで除去できます。

カルキ抜きには液体と固形タイプがありますが、水換えに使う水道水の量に合わせて調節できる液体タイプがおすすめです。

水量に合わせたカルキ抜きの使用量は容器に記載されています。

熱帯魚を飼育するときに便利なもの

熱帯魚水槽の水換え

ここからは熱帯魚の飼育に必要ではないものの、効率化できたり、水槽の見た目が良くなったりするものをご紹介します。

必要に応じて、そろえてみてください。

水換え用ホース:水換えの効率化

水換え用のホースで、具体的には「プロホース」といいます。

ポンプを手動で数回押すだけで排水できるうえに、同時に底砂も掃除することが可能です

忙しいとつい後回しにしがちな水換えですが、水の汚れ具合は熱帯魚の体調につながります。

できるだけ効率化しつつ、2週間~1ヶ月に1回のペースで行いましょう。

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底砂:鑑賞性の向上と水質安定

水槽に底砂は必要ではありませんが敷くことで、

  • 水槽がきれいに見える
  • 水質が安定しやすくなる

といったメリットがあります。底砂があるだけで、水槽全体の印象が大きく変わります

そのうえ、水をきれいにしてくれるバクテリア(細菌)の住処になるので、水質が安定しやすくなるのもメリットです。また、水草を植えたい場合には底砂が欠かせません。

底砂は種類が豊富で悩みやすいポイントですが、

  • 熱帯魚の飼育なら大磯砂
  • 水草を植えるならソイル

といった選び方がおすすめです。

大磯砂は、アクアリウムでは定番の底砂で、自然な見た目と水質を大きく変化させない扱いやすさに人気があります。

粒が潰れることなく使いつづけられるのも経済的に嬉しい点です。

高橋
育成が簡単な種類であれば、水草を育てることもできます。

ソイルは土を原材料にした底砂で、栄養豊富なことから水草の育成に最適です。ただ、粒がくずれやすく1年程度で交換が必要なことはデメリットといえます。

悩んだら大磯砂、水草も力を入れて育てたいならソイルといった選び方でも問題ありません。

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水草:水槽を緑で彩る

水草があると水槽に緑が増えるので、見た目が華やかになります

また、水中の余分な栄養を吸収して水質悪化を遅らせたり、熱帯魚の隠れ家になったりするのもメリットです。

ただし、水草のなかには光量や肥料、CO2がないときれいに育たない種類もいるので、

  • マツモ
  • アナカリス
  • カボンバ
  • アヌビアスナナ
  • ウィローモス

といった、飼育環境に左右されにくい丈夫な種類がおすすめです。

育てやすい水草や植え方については、こちらのメダカの記事の室内飼育の項目でご紹介しています。

≫メダカ飼育におすすめの水草20選!屋外・室内の相性と植え方を解説

流木や石:簡単にレイアウト

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流木や石は、置くだけで水槽をレイアウトできる便利なアイテムです。

水槽が物足りないときに入れると、見た目がガラッと変わります

石を置く場合は、水槽の底面に直接当たらないよう底砂を敷きましょう。

流木は置くだけでなく、水草を活着(引っ付かせて)させて配置することもできます。

種類を選ぶ必要はありますが、底砂を敷かずに水草の育成を楽しめるのは流木の大きなメリットです。

高橋
熱帯魚の隠れ家にもなるので、複数の魚種を一緒に飼う場合にも役立ちます。一時的にケンカしても流木に避難できます。

手間が嫌なら「水槽セット」で済ませるのも1つの手

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飼育用品は水槽の大きさに合わせて選ぶ必要があるため、手間に感じる人も少なくありません。

手軽に始めたい場合は、飼育用品が一式そろった「水槽セット」を入手するのも1つの手です。

熱帯魚の飼育に必要のものがそろっているので、水槽の大きさが決まっていれば飼育用品を選ぶ手間がかかりません

ただ、製品によってセット内容が大きく異なるので、

  • 水槽+ろ過フィルター
  • 水槽+ろ過フィルター+照明
  • 水槽+ろ過フィルター+照明+カルキ抜き

など、目的のものがそろっている水槽セットを選ぶようにしましょう。

まとめ:【失敗なし】熱帯魚の飼育に必要なものと飼育用品の選び方

今回は、熱帯魚の飼育に必要なものと失敗しない飼育用品の選び方をご紹介しました。

熱帯魚を飼うには、

  • 水槽
  • ろ過フィルター
  • 照明
  • 水槽用ヒーター
  • 水温計
  • バケツ
  • カルキ抜き

この8つの飼育用品が必要です。また、水換え用のホースや水草・流木などを活用することで、掃除を効率化したり、水槽をきれいに見せたりできます。

「熱帯魚を飼いたいけど飼育用品選びはストレス」という場合は水槽セットも選択肢の1つです。

失敗しないためにも、始めたい水槽を思い浮かべたうえで必要なものをそろえたり、選んだりしてみてください。

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