メダカは丈夫で初心者の方にもよくおすすめされる魚です。
とはいえ、魚の飼育が初めてという場合は勝手がわからず、失敗してしまうことも少なくありません。
初めての挑戦に失敗はつきものなので恥ずかしいことではありませんが、メダカが死んでしまったら申し訳ないし悲しいですよね。
そこで、今回はメダカ飼育で初心者がやりがちな失敗10個と対策をご紹介します。
目次
メダカ飼育で初心者がやりがちな失敗10個と対策!
ここでご紹介する失敗例は、メダカの飼育を始める多くの方が通る道です。
ただ、どれも難しい技術が必要だから失敗してしまったわけではなく「知らなかった」というケースが少なくありません。
言い換えると頭に入れておくだけで、メダカが体調をくずしたり、死んだりしてしまうリスクが大幅に下がります。
飼育で上手くいかない場合はもちろん、飼育を始めたい方はチェックリストとして目を通してみてください。
水道水のカルキを抜かずに水換えする
水道水に含まれるカルキ(塩素)は魚にとって有害です。
除去せず水換えに使うと体調をくずすだけなく、最悪の場合にはメダカが死んでしまうこともあります。
対策:カルキ抜きを添加する
水換えに水道水を使う場合は、必ず「カルキ抜き」を添加しましょう。
バケツに水道水を入れて、数滴添加して混ぜるだけで簡単にカルキを除去できます。
水量あたりのカルキ抜きの添加量は容器に記載してあります。
固形と液体のタイプが主流ですが、水量に応じて添加量を調整できる液体タイプが使いやすくおすすめです。
一度に多量の水換えをする
一度に多量の水換えをすると、水質が急変して「pHショック」を引き起こすことがあります。
この値が短時間で大きく変化することで起こるのがpHショックで、発症すると多くの場合は死んでしまいます。
水換えで飼育容器の1/2、2/3といった多量の水を換えると水質が急変するので危険です。
pH ショックについては、こちらをご覧ください。
対策:水換えは少量ずつ行う
pHショックの対策として、水換えは少量ずつ行いましょう。
一度に換える水量の目安は、水槽や飼育容器の「1/3程度」です。
また、ザバッと短時間で入れずにホースやプロホースなどを使うとより安全です。
余談ですが、水換えの頻度が高すぎるとバクテリアが減少してしまいますし、少なければ水質が悪化してしまいます。
水槽サイズとメダカの数にもよりますが、2~3週間に一度が水換えの目安です。
メダカ容器・水槽の水換えについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
小さな飼育容器で飼う
メダカを小さな飼育容器で飼うことは、実はハードルが高いです。
ボトルなどでも飼育できるイメージがあるだけに意外ですよね。
飼育容器が小さいと水量が少なくなるので、水が汚れやすく、水質も急変しやすいです。
餌の量が多ければすぐに水質が悪化してしまいますし、魚の数が多ければなおさらです。
小さな飼育容器ほど、管理は難しくなります。
対策:水1Lにメダカ1匹を目安にする
余裕のある大きめの飼育容器で飼育しましょう。
飼育容器の大きさは、飼育したいメダカの数で決めます。目安は「水1Lに対してメダカ1匹」です。
あくまで目安なので、メダカの数がこれより少ないほど飼育しやすいです。
慣れないうちは目安の半数にして、少しずつ数を増やすことをおすすめします。
水槽を立ち上げたその日にメダカを入れる
水槽を購入して水を入れて、すぐにメダカを入れる。
実はこれ、NGです。
立ち上げたばかりの水槽は、有害なアンモニアや亜硝酸塩を分解してくれるバクテリアがいないので、水質が悪化しやすく不安定です。
言ってしまうと、メダカを飼育する環境として適していません。
水があれば飼育できるイメージがある魚なので、失敗してしまうのも無理はありません。
対策:水槽を設置したら1~2週間おく
水槽を立ち上げてから1~2週間おいてメダカを入れるようにしましょう。
バクテリアは時間の経過とともに増えるので、基本的に待つだけで問題ありません。
ただメダカは強い水流が苦手なので、水量や吐出量を調節できるろ過フィルターがおすすめです。
バクテリアとメダカ水槽におすすめのろ過フィルーについては、こちらで詳しく解説しています。
メダカを水槽に入れるときに水合わせしない
水槽を立ち上げて2週間待ってバクテリアを増やしました。
「やっとメダカを入れられる!」と、はやる気持ちもわかりますが、入れるときは必ず「水合わせ」をしなければいけません。
これをしないと、先ほどお話ししたpHショックになることがあります。
立ち上げた水槽とそれまでメダカがいた場所では水質が異なるので、短時間で移すと水質が急変することになります。
対策:水合わせする
メダカを入れる際は必ず水合わせしましょう。
水合わせの方法を解説していきます。
購入してきた状態なら袋に入っているはずなので、まず水槽に袋ごと浮かべて「水温合わせ」をします。
水温が急変しても「水温ショック」を起こしてダメージを受けてしまうことがあるため、大切な工程です。
30分程して水温が同じ程度になったら、袋から水ごとメダカをバケツに移します。
そして、ソフトチューブを使って水槽の水を少しずつ入れていきます。
30分程経過して水合わせが終わったら、網ですくって水槽に移しましょう。
水合わせの詳しい方法は次の記事で解説しています。
餌を多めに与えて水が汚れる
よって来て餌を食べる姿がかわいいあまりに、餌を多めに与えてしまうケースがあります。
食べ残しやフンが増えて水質が悪化すると、体調をくずしたり、病気になったりしてしまうリスクが高まります。
対策:1日2回、2~3分で食べられる量が目安
餌やりは1日2回、2~3分で食べられる量が目安です。
注意点としては、
- 水温
- 繁殖目的
- 稚魚
など状況やメダカの成長段階よって、餌やりの頻度・量が変わります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
たくさんのメダカを1つの飼育容器で飼う
飼育容器の大きさに見合わないたくさんの数を飼育することを「過密飼育」といいます。
過密飼育は、
- 水が汚れやすい
- 餌が行き渡りにくい
- ケンカしやすい
といったトラブルにつながるので、失敗しやすいです。水換えの頻度も高くせざるを得ないので、メンテナンスの手間も増えます。
対策:水量1Lにメダカ1匹が適正な飼育数
先ほども少しお話ししましたが、目安は「水量1Lに対してメダカ1匹」です。
これより少ない場合は問題ありませんが、多くて問題が起きているようなら飼育容器をワンサイズ大きくする、もしくは2つに増やして飼育しましょう。
夏の高水温や冬の低水温対策をしない
メダカは高水温・低水温に強い丈夫な魚です。
夏の水温35℃、冬の5℃にも耐えることができます。しかし、その状態が長期間続くと消耗して弱ってしまいます。
対策:すだれを活用する
夏の高水温対策には「すだれ」がおすすめです。
通気性を保ちつつ、日差しを遮ることができます。すだれは、雪や水面からの冷え込みを抑えることができるので、冬の低水温対策にも向いています。
メダカ飼育の高水温・低水温対策については、こちらの記事をご覧ください。
一緒に飼えない魚・エビ・生き物を入れてしまう
メダカを食べてしまうとは知らず、魚やエビ、その他の生き物と混泳させてしまうことがあります。
新しい生き物を入れたばかりに「順調に育てていたメダカがほとんど食べられてしまった」なんてことも珍しくありません。
対策:混泳できない生き物を把握する
この失敗に関しては「メダカを食べてしまう生き物を知る」ことが対策になります。
次の7種類は初心者の方が混泳させてしまいがちですが、メダカを食べる生き物です。
- 金魚
- フナ
- コイ
- カワムツ
- ヨシノボリ
- ザリガニ
- スジエビ
- テナガエビ
- カメ(ミシシッピアカミミガメ、クサガメ、イシガメなど)
- アカハライモリ
一見、魚を食べそうもない金魚やフナ、コイはなんでも食べる雑食性なので、口に入ればメダカを食べてしまいます。
特に金魚は知らずに混泳させてしまいがちです。
その他の生き物は、自分で捕まえたものをメダカの飼育容器に入れてしまうケースが少なくありません。
混泳させる前に、その生き物がメダカを食べてしまわないか調べるようにしましょう。
メダカと一緒に飼えない生き物・飼える生き物は、以下の記事で詳しく解説しています。
天敵にメダカを食べられる
室内飼育では心配ありませんが、屋外飼育の場合は「天敵」にメダカが食べられてしまうことがあります。
敷地内であっても、
- 昆虫類(ヤゴなど)
- 鳥類
- 両生類
- 哺乳類
といった天敵は、空から陸からメダカを奪っていきます。
人目のある場所でも夜間や隙を見て狙われることがあるので、意外と気が付かないことも少なくありません。
対策:飼育容器にフタやネットをする
どのような生き物がメダカの天敵になるのか知りましょう。
そのうえで、生き物が飼育容器に手を出さないよう対策が必要です。
簡単なのは、飼育容器の上にフタやネットをすること。
シンプルですが効果は絶大ですよ。
天敵の種類やより詳しい対策はこちらでご紹介しています。
まとめ:メダカ飼育で初心者がやりがちな失敗10個と対策!水換えや餌やりも注意!
メダカの飼育を始めたばかりの初心者の方がやってしまいがちな失敗10個と対策をご紹介しました。
失敗から学ぶことも大切ですが、初心者の方が失敗してメダカがいなくなってしまうと、難しく感じて飼育を諦めてしまうことがあります。
ただ今回ご紹介したように、知っているだけでも防げることが大半ですし、対策も簡単なものばかりです。
スムーズに飼育を進めるためにも、失敗しやすいポイントを把握して対策しましょう。