メダカは体が小さいうえに丈夫な魚なので、ペットボトルでも飼育できます。
水槽や飼育容器を用意せずに、メダカの飼育を始められるのは嬉しい点です。
とはいえ、なにもしていない状態のペットボトルにメダカを入れるだけでは飼うことができないので、
- ペットボトルの選び方
- 穴のあけ方
- 餌やりや水換えの頻度
など、工夫やコツがあります。
そこで今回は作り方と必要なものをふまえて、メダカをペットボトルで飼う方法をご紹介します。
目次
メダカはペットボトルで飼育できる
メダカには次の3つの特徴があるので、ペットボトルでも飼育できます。
- 体が小さい
- 水質の変化にうるさくない
- 酸欠に強い
ペットボトルほどの大きさでも自由に泳ぎまわれますし、水質が変化しやすい少ない水量でも体調をくずしにくいです。
さらに酸欠に強いので、開口部が小さく水面から酸素が溶け込みづらいペットボトルでも問題ありません。
とはいえ、メダカの数を増やしすぎると水が汚れやすかったり、酸欠になりやすかったりするため「水1Lに対してメダカ1匹」だけ飼育するようにしましょう。2Lペットボトルであれば2~3匹が限度です。
それよりたくさん飼いたい場合は、水槽飼育を検討しましょう。
≫メダカの室内飼育を始めよう!水槽の立ち上げ方と注意点をご紹介します
ペットボトル水槽の作り方と必要なもの
ここからは、実際の手順通りにペットボトル水槽の作り方と必要なものをご紹介します。
5~10分程度で完成する簡単な方法です。
1. ペットボトルとカッターを用意する
水槽になる「ペットボトル」と穴をあけるための「カッター」を用意します。
ペットボトルはできるだけ多くの水が入るよう2Lの大きさを選びましょう。
柔らかいペットボトルは変形しやすいため、簡単につぶれない硬めのものが向いています。
カルキ抜きが必要
飼育水や水換え用の水には水道水を使いますが、そのままではメダカに有害な塩素(カルキ)が入っているため使用できません。
メダカの安全のためにも、カルキ抜きを入れて塩素を除去してから使うようにしましょう。
底砂と水草もおすすめ
底砂は必要ではありませんが、敷くと見た目が良くなるだけでなく水質が安定しやすくなります。
底砂は水をきれいにしてくれるバクテリア(細菌)の住処になるためです。
メダカ用の底砂では、安価で入手しやすい「赤玉土」や「大磯砂」がおすすめです。
また、水草を入れることで華やかになりますし、水中の余分な栄養を吸収して水質の悪化を遅らせる効果もあります。
ペットボトル水槽であれば、
- マツモ
- アナカリス
- ウィローモス
- アマゾンフロッグビット
といった丈夫で背丈が大きくならない種類がおすすめです。
底砂と水草の有無は好みで判断しても問題ありません。
メダカ用の底砂と水草は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫メダカ飼育におすすめの底砂と選び方 | 室内・屋外向きの種類や砂利とソイルの使い分け
≫メダカ飼育におすすめの水草20選!屋外・室内の相性と植え方を解説
2. カッターでペットボトルの上部を切り取る
必要なものがそろったら、カッターでペットボトルの上部を切り取っていきます。
水面から酸素を取り込む場所にもなるので、広めにあけるのがコツです。
ただ、ペットボトルの側面まで広げてしまうと入る水が少なくなったり、メダカが飛び出しやすくなったりするので、平らな部分だけにしましょう。
極端に広くあけすぎなければ、好みで調節しても問題ありません。
3. 底砂を洗ってペットボトルに敷く
底砂を敷く場合は、必要な量だけバケツに移して洗います。
先にペットボトルに敷いて、厚さを確認しておくと失敗しません。
ペットボトルの高さを考えると、1~1.5cm程度の厚さがおすすめです。
完全に濁りが取れることはないため、5回ほど洗ったら敷いていきましょう。
4. 水道水を注いでカルキ抜きを入れる
開口部の2~3cm下まで、ゆっくり水道水を入れていきます。
底砂を敷いている場合は、巻き上げてしまわないよう慎重に注ぎましょう。底砂があると最初は濁りますが、1日もすれば収まるので安心してください。
水を注ぎ終わったら、カルキ抜きを入れて塩素を除去します。
5. 1週間ほど経過したらメダカを入れる
ペットボトル水槽が完成したら、メダカを入れずに1週間ほど待ちます。
立ち上げたばかりの水槽には、餌の食べ残しやフンから発生するアンモニア・亜硝酸といった有害なものを分解してほぼ無害な硝酸塩にしてくれるバクテリアがいません。
この状態では水質が悪化しやすいので、1~2週間ほど待ってバクテリアが自然に発生してからメダカを入れることで、より安全に飼育を始められます。
すでに他の水槽で魚を飼育している場合は、その飼育水を使うことですぐにメダカを入れられます。
バクテリアについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫熱帯魚・メダカ水槽に必要なバクテリアとは!硝化サイクルで水がろ過される仕組み
メダカをペットボトル水槽に入れるときは「水合わせ」する
メダカをペットボトル水槽に入れるときは「水合わせ」が必要です。
そのまま入れてしまうと、水質と水温が急変してメダカが弱ってしまうことがあります。
水合わせの手順は、次のとおりです。
- コップなど小さな容器にメダカを入れる
- メダカ容器をペットボトル水槽の横に30分ほど置いて水温を合わせる
- スポイトでペットボトル水槽の水をメダカ容器に入れる
- メダカ容器の水が倍になるまで5分間隔で少しずつ入れる
- 網を使ってメダカをペットボトル水槽に移す
スポイトがない場合は、手間はかかりますが大きめのスプーンやオタマでも問題ありません。
水合わせについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫【熱帯魚やメダカ】簡単で魚にやさしい水合わせ方法!pHショックの危険性も解説
メダカをペットボトル水槽で飼う方法
ここからは、ペットボトル水槽でメダカを飼うために重要な「餌やり」と「水換え」について解説します。
チェックポイント
ペットボトル水槽に入れたばかりのメダカは環境に慣れていないため、底で動かなかったり、水槽に沿うように泳いだりしますが心配ありません。1~2日もすれば、自由に泳ぎ回るようになります。
メダカの餌やりは1日2回
メダカの餌やりは「1日2回、1分程度で食べ終わる量」が目安です。
飼い始めは加減が難しいかもしれませんが、日々の餌やりで少しずつ調整していきましょう。
多少量が違っても、メダカが体調をくずしてしまうことはないので安心してください。
メダカの餌やりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫メダカの餌やりは1日何回がベスト?理想の回数・量と餌の与え方を解説します
ペットボトル水槽の水換えは1週間に1回
ペットボトル水槽は水量が少ないことで水が汚れやすいため、こまめな水換えが必要です。
2~3匹のメダカを飼育している場合は、「1週間に1回」が目安です。春や秋の水温が低い時期は水が汚れにくいので、2週間に1回でも問題ありません。
一度に多量の水を換えてしまうと、水質や水温が急変してメダカが弱ってしまう可能性があるので、1/3程度の水量が水換えの目安です。
排水できたら、カルキ抜きした水をゆっくり注げば水換えは終了です。水が濁っていたり、臭いが気になったりする場合は、目安に限らず水換えしましょう。
メダカ水槽の水換えについては、こちら記事をご覧ください。
≫メダカの水換えは1ヶ月に何回がベスト?理想の水換え方法と頻度・水量を解説!
まとめ:【5分で作れる】メダカをペットボトルで飼う方法!簡単ペットボトル水槽の作り方
今回は作り方をふまえて、メダカをペットボトルで飼う方法をご紹介しました。
ペットボトル水槽は費用をかけず身近にあるものだけで、簡単にメダカ飼育を始められるのが大きなメリットです。
水槽を用意するのが手間だったり、お子さんに急に飼いたいといわれて困ったりした場合にペットボトル水槽を活用してみてください。