メダカは夏の暑さや冬の寒さにも耐えられるので、屋外で飼育できます。
とはいえ、魚の飼育自体が初めての人にとっては、
- 屋外飼育に必要なものがわからない
- 飼育容器を設置してメダカを入れるまでの手順が難しい
という場合も少なくありません。
そこで今回は、メダカの屋外飼育を始めたい人向けに、必要なものから実際の手順・注意点まで実際の写真付きでご紹介します。
目次
メダカの屋外飼育で必要なもの
メダカの屋外飼育を始める前に、次の6つが必要になるので用意しておきましょう。
- 飼育容器
- 餌
- カルキ抜き
- 水換え用のホース(プロホース)
- 水温計
- 網
底砂と水草はなくても飼育できますが、水質が安定しやすい、観賞性が上がる(見た目がきれい)といったメリットがあります。
必要なものについて、具体的な製品名や機能など詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
メダカを屋外で飼育する具体的な手順
メダカの屋外飼育の手順は次の通りです。
- 飼育容器の置き場所を決める
- 底砂を敷く(省略可)
- 水草を植える(省略可)
- 水を入れる
- 1週間待つ
- メダカを入れる
- 餌をやる
- 水換えをする
順を追って解説していきます。
底砂と水草はなくても飼育できるので、必要な場合だけ読んでみてください。
1. 飼育容器の置き場所を決める
初めに飼育容器の置き場所を決めましょう。
ここでポイントになるのが「日光」です。メダカは日光が当たることによって、成長に必要なビタミンを体内で作ります。
とはいえ「ずっと日光を当てないといけない」というわけではなく、8~14時間も当たれば十分です。
その他には、
- 水回りが近い:水換えの排水や給水が便利
- 雨が吹き込みにくい:雨による水質の急変を防げる
- 観察しやすい:健康状態を毎日把握できる
この3つも飼育容器の置き場所選びでは重要なポイントです。
2. 底砂を敷く(省略可)
飼育容器の置き場所が決まったら底砂を敷きます。
飼育容器に入れる前に、バケツに入れて2~3回水道水で軽く洗いましょう。
赤玉土は粒状ですが素材が土なので、ガシガシ洗うとくずれてしまいます。
粉状になった土を洗い流すイメージです。大磯砂や田砂などの砂利タイプは、粒がくずれる心配はありません。
洗い終わったら飼育容器に平たく敷いていきます。底砂の厚さは3cm程度が目安です。
メダカに最適な底砂の選び方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
※メダカは底砂がなくても飼育できるので、必要な場合に敷くようにしてください。
3. 水草を植える(省略可)
メダカと一緒に水草を育成したい場合は、この段階で植えていきます。
まったく水がないと少し植えにくいので、底砂から1~2cmほど水を入れるとやりやすいです。
植えたい部分を軽く掘って植え込み、抜けないよう底砂を被せます。
押し付けるように植えてしまうと根が傷んでしまうので、注意しましょう。
メダカにおすすめの水草は、こちらの記事で詳しく解説しています。
※メダカは水草がなくても飼育できます
4. 水を入れる
次は飼育容器に水を溜めていきます。
水道水を使いますが、すぐにメダカを入れるわけではないので、カルキ(塩素:魚に有害)を抜く必要はありません。
1~2日置いておくと自然に抜けるため、メダカを入れるときには無害です。
水は勢いよく注いでも問題ありませんが、底砂を敷いている場合はホースやジョウロを使って巻き上がらないようにしましょう。
水量は飼育容器の7~8割程度が目安です。満水にするとちょっとした雨であふれてメダカが流れてしまったり、水面から飛び出て死んでしまったりします。
5. 1週間待つ
「飼育容器に水が溜まったらメダカが飼える!」となりがちですが、グッとこらえて1週間待ちましょう。
溜めたばかりの水には「バクテリア」がいないので、メダカの飼育に適した水とはいえません。
バクテリアは1週間もすれば自然と増えるため、特別になにかする必要もありません。気長に待ちましょう。
バクテリアについては、こちらで詳しく解説しています。
6. メダカを入れる
1週間待って環境が整ったら、メダカを入れます。
立ち上げて間もない頃は水質が安定しにくいので、あまりたくさん入れずに3~5匹程度で様子を見ることおすすめします。
問題がなければ飼育容器の大きさ(水量)に合わせて、メダカを増やしていきましょう。
目安は「水1Lに対してメダカ1匹」です。
ただこれは、あくまで目安です。たくさん入れれば入れるほど餌や食べ残しが増えて水が汚れやすいので、水換えの手間も増えてしまいます。
また、メダカをいきなり飼育容器に入れてしまうと水質や水温の急変によって「pHショック」や「水温ショック」を起こして死んでしまう可能性が高まります。
「水合わせ」をすることで安全に入れることができるので、必ず行うようにしてください。
水合わせは、メダカがいる水に飼育容器の水を少しずつ入れて、時間をかけて慣れさせる方法です。
水合わせについては、こちらの記事で解説しています。
7. メダカに餌をやる
飼育容器に入れた直後は警戒して餌を食べないことがほとんどなので、翌日餌を与えましょう。
水面に浮いてきて餌を食べたら一安心です。
順調に食べるようになったら、1日2回を目安に餌を与えましょう。
餌のやり方とおすすめの餌については、こちらの記事を参考にしてみてください。
8. 水換えをする
飼育を始めて3週間~1ヶ月経過したら水換えのタイミングです。
プロホースなどを使って水を排水して、カルキを抜いた水道水を注ぎます。
餌をたくさん与えたり、メダカの数が多かったりする場合は水が汚れやすいので、水換えの頻度は高まります。
ちなみに屋外飼育であれば、
- 水量の多い飼育容器
- 底砂を敷く
- 水草を植える
- メダカの数を少なめにする
この4つのポイントを押さえれば水換えしなくても飼育できます。
多量の水量があってメダカの数を抑えれば水は汚れくいです。
さらにバクテリアの住処になる底砂を敷くことで、メダカのフンや食べ残しが分解されやすい環境を作ることが可能です。
分解してできた硝酸塩は水草が栄養として吸収します。
メダカを屋外で飼育するときの注意点と対策!
ここからは屋外飼育の注意点をご紹介します。
初めてメダカを屋外飼育する場合に失敗しやすいポイントと対策をまとめました。
メダカの屋外飼育を始めるなら4~10月がベスト
メダカの屋外飼育では始める時期も重要です。
具体的には4~10月がベスト。
メダカは水温の低下によって活性が下がるので、低水温では冬眠してしまいます。冬眠中は餌を食べないうえに、飼育水が凍結して死んでしまう危険があります。
失敗しないためにも暖かいときに始めて、飼育に慣れてから冬を迎えることをおすすめします。
夏の高水温と冬の低水温に気を付ける
夏の高水温と冬の低水温には注意しましょう。
メダカは生息できる水温の幅が広い魚なので、5~35℃でも飼育できます。ただし、あまりに高・低水温だと負担がかかってしまうので、対策が必要です。
より詳しい対策と水温を管理する方法はこちらで解説しています。
台風や大雨など天候に注意する
台風は飼育容器の破損につながり、大雨が吹き込むと水質が急変してしまう危険があります。
雨はフタをすれば防げますが、強風でものが飛んでくる場合は飼育容器の置き場所を考えなければいけません。
台風の規模を考えて、心配であれば飼育容器を玄関や車庫などの屋内へ移動させましょう。
メダカの屋外飼育の台風や大雨対策は、こちらの記事をご覧ください。
天敵・外敵対策をする
屋外飼育ではメダカを食べてしまう「天敵」の対策が必要です。
- 昆虫類:ヤゴやマツモムシなど
- 哺乳類:アライグマやハクビシンなど
- 鳥類:カラスやモズなど
- 両生類:カエルなど
基本的には園芸・防虫ネットを被せることで対策できますが、力の強い哺乳類には金網に加えて重しも必要です。
天敵の種類と対策についてはこちらをご覧ください。
まとめ:メダカの屋外飼育を始める!必要なものから手順・注意点まで実際の写真付きで解説
今回は、メダカの屋外飼育で必要なものや手順をご紹介しました。
- 飼育容器の置き場所を決める
- 底砂を敷く(省略可)
- 水草を植える(省略可)
- 水を入れる
- 1週間待つ
- メダカを入れる
- 餌をやる
- 水換えをする
1つ1つの作業自体はとても簡単なので、順番通りに進めるだけでメダカの飼育を始められる環境が整います。
成長していく姿を観察することは楽しく、日差しの下で泳ぎ回るメダカを見るだけで癒されます。
屋外飼育はメダカを飼ってみたい場合はもちろん、魚に興味があったり、新しいことに挑戦したかったりする方におすすめです。