秋は気温が低下するとともに、メダカの飼育方法や餌のやり方も変わってくる季節です。
- 餌を食べる量が減ってきたけど調整すべき?
- メダカの冬越し(冬眠)準備ってどうする?いつから?
- いつまで繁殖させていいの?
など、秋ならではのメダカに関する悩みも少なくありません。
今回は、水温低下を意識した餌やりと冬越しの準備をふまえて、秋のメダカ飼育のコツを月ごとに解説します。
秋の飼育が上手くいくと、水温の低下に合わせた餌やりや世話ができて体調をくずす心配がなくなります。
また冬が来る前に冬越しの準備をすることで、無事にメダカを越冬させられる確率が上がるのでおすすめです。
秋に体調を整え体力をつけて無事に冬越しできる方法とコツもご紹介するので、参考にしてみてください。
目次
秋のメダカ飼育のコツを9・10・11月ごとに解説!
秋といっても、夏に近い9月と冬に近い11月では飼育方法が大きく異なるので、9・10・11月にわけてメダカ飼育のコツを解説していきます。
秋になって水温が下がれば、メダカの活性も落ちて、
- 餌を食べる量が少なくなる
- 繁殖しなくなる
- 稚魚の成長速度が滞る
といった行動・生態の変化が表れます。秋は、この「メダカの変化」に合わせて飼育方法を変えることが重要です。
大きなポイントは、次の4つです。
- 水温の変化によって餌やりの回数を変える
- 冬を見越した繁殖・稚魚育成計画を立てる
- 越冬できるだけの体力を稚魚につけさせる
- 冬越しできる環境を整える
水温が高い夏とは違った飼育方法に変えていきます。
上記のポイントをふまえて、秋のメダカ飼育のコツを解説するので、ぜひご覧ください。
※水温によって餌やりの回数が異なるため「水温計」が必要です。
9月:水温が高くメダカの活性も高い
9月は30℃を超える日も多く、メダカの活性が落ちるほど水温が下がらないので飼育方法は夏と同じです。
成魚の餌やりは1日2回、2~3分で食べ終わる量を目安にしましょう。
メダカがしっかり活動していないと、餌の食べ残しが増えたり、消化不良になったりするので、日の出直後と日没直前を除く日中に与えるのがおすすめです。
稚魚の場合も夏と同じで、1日4回、1つまみの半分程度の量をこまめに与えます。
水温が高く餌をしっかり食べる9月は、稚魚を大きくする大切な時期です。餌やりを欠かさないようにして、冬越しに耐えられる体力をつけさせましょう。
メダカは水温が18℃以上あると繁殖するため、9月はまだ繁殖させることが可能です。
とはいえ、繁殖条件として欠かせない日照時間(13~14時間がベスト)が短くなってくるので、自然と繁殖ペースは落ちてきます。
冬までに稚魚を成長させることを考えると、繁殖を止めて稚魚の飼育に専念するのもおすすめです。
また9月は日によってまだ気温が高いので、飼育容器を風の通しのよい場所に移したり、飼育容器にすだれを被せたりして、高水温対策をするようにしましょう。
餌やりの方法と夏のメダカ飼育(高水温対策)、稚魚の育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫メダカの餌やりは1日何回がベスト?理想の回数と餌の与え方を解説します
≫メダカ稚魚の飼育完全ガイド!最適な餌・水換え・飼育容器と生存率を上げる方法
≫メダカ飼育では夏の高水温・酸欠が危険!死なせないための対策9選
秋は台風や大雨にも注意
9~10月は台風が多発する時期なので、雨や暴風に気を付けましょう。
大量の雨が飼育容器に入ると、水温や水質が急変してメダカが体調をくずすことも少なくありません。暴風で飛んだ物が飼育容器に当たって破損すれば、水が抜けて全滅してしまうこともあります。
大雨の場合は、フタやシートを被せて飛ばないように重しを置きましょう。
台風など、あまりにも雨風がひどいようなら、屋内や軒下などに飼育容器を移すほうが安全です。
大雨と台風対策については、こちらの記事をご覧ください。
≫【梅雨】メダカの飼育容器に雨を入れない!雨水の影響とあふれさせない対策
10月:気温が下がりメダカの活性も安定する
10月になると暑さも落ち着き、水温も20℃台で安定します。
メダカにとっては快適な水温なので、活性も安定して餌もよく食べます。成魚の場合は、9月と同様、1日2回の餌やりで問題ありません。
稚魚は11月に入ると水温が下がり成長速度が遅くなるため、10月が成長させる最後の時期といえます。
冬越しに耐えられる体を作るためにも、人工飼料にくわえて、
- ゾウリムシ
- ミジンコ
- ブラインシュリンプ
- グリーンウォーター(クロレラ)
といった餌を与えて大きくしましょう。
上記の生き餌を与える場合は、1日に人工飼料を3回、生き餌を1回与えるとバランスがよいです。
日差しも弱まる時期なので水温計を確認して30℃以上にならなければ、日除けを外して日光を当てたほうが丈夫に育ちます。
また繁殖させることはできますが、稚魚を成長させる期間を考えると10月中盤でとどめておくほうが無難です。
この時期に繁殖させると、成長が遅い個体は冬越しできないこともあります。
稚魚育成用の飼育容器を室内に置いている場合は水温が安定しますし、水槽用ヒーターで加温もできるため繁殖させても問題ありません。
メダカ稚魚を大きく成長させる餌の種類と与え方は、こちらの記事で解説しています。
≫【完全版】メダカにおすすめの餌20選!成魚・稚魚ごとにベストな餌を追求しました
≫メダカ稚魚の飼育完全ガイド!最適な餌・水換え・飼育容器と生存率を上げる方法
11月:水温が低下する時期 | 給餌回数の調整と冬越しの準備
11月に入ると、いよいよ気温が落ちてメダカに影響が出てきます。
水温が低下してメダカが餌を食べるペースも落ちてくるため、給餌回数を調節する必要があります。
具体的には、水温15℃以下で餌やりの回数を1日1回にします。餌やりの時間帯は、水温が上がりやすい12~15時がおすすめです。
水温が下がると餌を食べる量が少なくなるため、遅くとも16時までに与え終わるようにしましょう。
稚魚も同様に餌を食べる量が減ってくるので1日2回を目安にして、それでも食べ残すようであれば1回にします。
チェックポイント
成魚・稚魚ともに、1回1回餌を食べる量を確認して、餌への反応が鈍ってきたら減らすことが重要です。
11月後半になって水温が15℃をグッと下回ることがあれば、餌やりを控えたほうがよいでしょう。
低水温対策して冬越しの準備をする
11月は餌の量を調節するだけでなく、冬越しの準備をする大切な時期です。
メダカの飼育数が多ければ時間がかかりますし、寒波が来てからでは手遅れになるため11月中に冬越しの準備をしましょう。
冬越しの準備は次のとおりです。
- 飼育容器を発泡スチロールで覆う
- 水量を多めに保つ
- すだれやフタを用意する
水温の低下を抑えるために、飼育容器を発泡スチロールで覆います。もしくは、発泡スチロール素材の飼育容器に変えるのも1つの手です。
とはいえ、一般的な飼育容器でも冬越しできるので、より安全に春を迎えたい場合におすすめです。
また飼育水がすべて凍結してしまうと、メダカが死んでしまうため、水量を多く保つようにします。
水面だけ凍る程度なら、メダカは底のほうでじっとして冬越しできます。
水面からの冷気を遮る方法として、すだれやフタもおすすめです。
冬のメダカ飼育と冬越し方法・低水温対策は、こちらの記事をご覧ください。
≫冬のメダカ飼育と冬越し方法!死ぬことなく越冬させる寒さ対策
≫メダカの水温を管理する方法とは?夏や冬の高温・低温対策も!
秋のメダカ飼育:室内飼育編
室内飼育の場合は、屋外飼育に比べて水温の低下が緩やかなので秋の飼育は簡単です。
9月は一時的な高水温を気を付ける程度で問題ありません。水温が30℃を超える日も減ってくるため、水槽用の冷却ファンを使うことも少なくなります。
10月は水温が安定するので気を付けることは特にありませんが、11月は室内飼育といっても水温が下がりがちです。
水温が15℃を下回って餌を食べる量が減ってきたら給餌回数を1日1回にします。
また室内飼育の場合は、飼育水が凍結するほど水温が下がることはないので寒さ対策は必要ありません。
観賞を目的にメダカが泳いだり、餌を食べたりする姿を眺めたい場合は水槽用ヒーターを使いましょう。
まとめ: 秋のメダカ飼育のコツを月ごとに解説!水温低下を意識した餌やりと冬越しの準備
秋のメダカ飼育のコツを9・10・11月にわけて解説しました。
- 水温の変化によって餌やりの回数を変える
- 冬を見越した繁殖・稚魚育成計画を立てる
- 越冬できるだけの体力を稚魚につけさせる
- 冬越しできる環境を整える
秋に最適な餌やりができて冬越しの準備が万全であれば、無事に春を迎えられる確率が大幅に上がります。
来シーズンもメダカの飼育や繁殖を楽しむためにも、秋のメダカ飼育に力を入れてみてください。