メダカにとって夏の「高水温」と「暑さ」は命取りになることがあります。
とはいえ、飼い始めて間もない頃は、
- メダカは何度まで大丈夫?
- 水温が30℃を超えても下げ方がわからない
- 簡単にできる高水温対策ってなに?
- 元気がないのは高水温が原因?
といった問題や疑問があっても、原因と対処法がわからないことも少なくありません。
そこで、ここでは夏のメダカ飼育と高水温・暑さ対策を5つご紹介します。
目次
夏のメダカ飼育では高水温になりやすい
夏は気温が上がるとともに水温も上昇します。
早ければ、5月頃から気温が30℃を超える地域もあります。
あまりに水温が高いと、
- フラフラと元気なく泳ぐ
- 底でジッとして動かない
- 少しでも陰がある場所に集まりたがる
- 繁殖ペースが落ちる
など、メダカの行動に変化が表れることが多いです。
高水温が長期間つづくとメダカに大きな負担がかかりますし、体調不良の原因になるため早めに対処しましょう。
上記のような異変は高水温以外にも、水質の悪化や病気の初期症状が原因なこともあります。
高水温対策しても改善しない場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
メダカが耐えられる水温は35℃!
メダカは水温の変化に強い魚なので「5~35℃」の範囲であれば死ぬことはありません。
理想は「25~28℃」です。
とはいえ35℃はあくまで死なないだけで、メダカにとって厳しい温度といえます。
水温を把握するためには「水温計」が必要です。100均で販売している安価なもので良いので、1つ持っておきましょう。
夏のメダカ飼育と高水温・暑さ対策5選!
ここからは、夏の高水温と暑さ対策をご紹介します。
具体的には次の5つです。
- 飼育容器を風通しの良い場所に移す
- 飼育容器にすだれを被せる
- 浮き草を入れる
- 観葉植物を置く
- 水槽用ファンを使う
すべて実践する必要はないので、水温計で水温を確認しつつ行ってください。
飼育容器を風通しの良い場所に移す
飼育容器の周囲にものがあったり、風が抜けにくかったりする場合は風通しの良い場所に移しましょう。
ただしメダカの成長には日光が必要なので、まったく日が差し込まない場所はおすすめしません。
日差しが強くない午前は表に出して、午後は少し日陰になる場所に置く方法がおすすめです。
とはいえ、大きな飼育容器の移動は重く手間もかかるので、その場合は「すだれ」が便利です。
飼育容器にすだれを被せる
飼育容器に「すだれ」を被せて日陰を作ります。
日差しが一番強くなる午後2時頃だけ完全に日陰にすることもできます。フタより通気性があることも嬉しい点です。
冬の低水温対策として、冷気や雪を防ぐこともできる年中活躍するアイテムです。
浮き草を入れる
「浮き草」を入れて強い日差しを和らげることができます。
種類は葉が大きくなる「ホテイアオイ(ホテイソウ)」が最適です。
高水温対策になるだけでなく、水質浄化作用もあり産卵床にもなる優秀な水草です。
メダカにおすすめの水草と浮き草は、こちらの記事で詳しく解説しています。
飼育容器の周りに観葉植物を置く
葉の大きな観葉植物を飼育容器の周囲に置く方法も効果があります。
見た目がきれいで、メダカ飼育とガーデニングの良いとこ取りです。
室内飼育では水槽用冷却ファンを使う
こちらは、室内飼育の高水温対策で「水槽用の冷却ファン」を使う方法です。
屋外飼育のように強い日差しはないものの風通しが悪いので、水温が30℃を超えることは珍しくありません。
水槽用の冷却ファンを使うと、水温を3~4℃程度下げることが可能です。
エアコンや扇風機を活用するのも1つの手
水槽を冷やすのではなく、エアコンを使って部屋全体の温度を下げる方法もあります。
ただし相当な電気代がかかるので、大量の飼育容器を置いている場合に限りおすすめします。
エアコンでなくても、扇風機の風を水槽に当てるだけでも効果的です。
夏のメダカ飼育では酸欠にも注意
夏は高水温だけでなく「酸欠」にもなりやすい季節なので注意しましょう。
酸欠は水中の酸素が減少してメダカが弱ってしまう症状で、対処しないと死んでしまうこともあります。
夏にメダカが酸欠になりやすいのは、水中の溶存酸素量(ようぞんさんそりょう)が減少するためです。
夏は水温が上昇するので、溶存酸素量が減少してメダカが苦しい思いをすることがあります。
酸欠の症状は明確で、水面で口をパクパクさせていたら危険信号です。
この症状は複数のメダカで同時に起こることが多いので、注意深く観察しましょう。
ここからは、効果が高いものから順に酸欠対策をご紹介します。
すでに酸欠の症状が出ている場合は、上から順に行ってください。
エアレーションを使う
「エアレーション」は酸欠対策として1番効果があります。
酸欠の症状が出ていても、すぐに改善することが多いです。
- エアーポンプ
- ソフトチューブ
- エアーストーン
この3つが必要ですが、大半の場合エアーポンプに同梱されています。
屋外飼育の場合は電源の確保が難しいため、乾電池式がおすすめです。
- エアーポンプにソフトチューブをつなぐ
- ソフトチューブのもう片方にエアーストーンをつなぐ
という順につなぎ、電源を入れるとエアーストーンから空気が出るので、飼育容器にエアーストーンを投入しましょう。
エアーストーンの代わりに投げ込み式フィルターを接続すると、酸素供給だけでなく水質改善もできます。
こまめに水換えをする
水換えも酸欠対策になります。
水換えの際に水面が波立ったり、空気と混ざったりして水中に酸素が溶け込みます。
ただし「水温を下げられて一石二鳥!」と冷たい水道水を入れるのは危険です。水温が急変してショック症状を起こす可能性があります。
普段通り水温を合わせてカルキを抜き、飼育容器の1/3程度の水換えをしましょう。
メダカの飼育容器・水槽の水換えについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
飼育容器の水量を増やす
水が蒸発して水位が下がっている場合は、メダカが跳ね出ない程度に水量を増やしましょう。
水が増えれば、溶存酸素量も増加します。
またメダカの数が多いと酸素の消費量が増えるため、酸欠気味の場合は飼育容器を大きくしたり、2つに分けたりして1匹1匹に行き渡る酸素の量を増やしたほうが安全です。
水草を減らす
「酸素を出す水草を減らすの?」と思われるかもしれませんが、実は水草が原因で酸欠になることもあります。
たしかに水草は、昼間に光合成して酸素を供給してくれる嬉しい存在です。しかし落とし穴のようなもので、実は夜間は呼吸によって酸素を消費してしまいます。
高水温が続いて酸欠が心配であれば、水草を減らすことも検討してみてください。
夏のメダカ飼育の失敗談:水温が40℃近くなってしまった
最後に実際に起きた失敗談を1つご紹介します。
夏に高水温が続いていましたが、上記の対策で無事に飼育していました。
ある日、ゲリラ豪雨にあって「メダカの飼育容器があふれてしまう!」そう考えてフタをして様子をみました。もちろん、密閉すると酸欠になるので少しズラして空気が入るようにして。
30分ほどで雨はあがりましたが、フタをしていることを忘れて1時間経過。慌てて見に行くと高水温で瀕死のメダカが水面でよわよわしく泳いでいました。
水温計を確認すると優に35℃を超えています。
あと30分も遅ければ全滅していたことでしょう。
メダカに負担をかけて申し訳ない思いとともに、夏はちょっとしたミスが命取りになることを教えられた経験です。
まとめ:夏のメダカ飼育と高水温・暑さ対策5選!水温を効率よく下げる方法
今回は、夏のメダカ飼育で気を付けたい高水温と暑さ対策をご紹介しました。
- 飼育容器を風通しの良い場所に移す
- 飼育容器にすだれを被せる
- 浮き草を入れる
- 観葉植物を置く
- 水槽用ファンを使う
高水温対策はすべて実践する必要はないので、水温を確認しながら30℃程度になるようにしましょう。
酸欠の対策では、すでに症状が出ている場合はエアレーションを使って、水温調整ができている水があれば水換えも効果的です。
大切なメダカを死なせないためにも、夏の高水温と暑さ・酸欠対策を実践してみてください。