メダカを飼い始めて最初の冬を経験される方のなかには、
- すごく冷え込む地域だけど大丈夫?水が凍っても平気?
- 冬越し中の餌やりや水換えはどうする?
- 動かず底でジッとしてるのは問題ない?
といった悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
メダカは低水温に耐性のある魚ではありますが、実は冬越し中に死んでしまうことも珍しくありません。
冬はメダカの生死を分ける季節ですが、越冬させる方法を知っていれば春を迎えられる確率がグッと上がります。
ここでは、冬のメダカ飼育と冬越し方法を解説します。
上手く冬越しさせられると、大切なメダカを死なせずに済みます。
目次
【屋外編】冬のメダカ飼育と冬越し方法!
メダカは、冬になって水温が下がると冬越し(冬眠)に入ります。
具体的には、
- 餌を食べない
- 底でジッとして動かない
など、行動に変化が表れます。
完全に冬越し状態になる前に動きや反応が鈍くなるので、それまでに越冬できる環境を整えてあげましょう。
冬越しかどうかを判断するためには水温を確認するのがおすすめです。
チェックポイント
メダカは水温が15℃を下回り10℃に近付くと活動が鈍ります。10℃以下になると本格的に冬越しに入るので、11月の半ば~後半には水温計を確認して越冬の準備を始めましょう。
冬越しの期間は、12月~翌年の2月です。11月はまだ暖かい日に活動することもありますし、3月も半ばを過ぎると冬眠明けで活動するメダカがでてきます。
ここでは、水温が下がりやすい屋外飼育の越冬方法を解説しますが、室内飼育の場合の越冬方法も後ほどご紹介します。
冬眠に入る前の秋のメダカ飼育と冬眠明けの注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫秋のメダカ飼育のコツを月ごとに解説!水温低下を意識した餌やりと冬越しの準備
≫メダカが冬眠明けに死ぬのは世話の仕方が問題?主な死因5つと対策
冬越し中は餌をやらない
冬越し中はメダカに餌を与えずに飼育します。
「冬の間餌をやらなくて大丈夫?」と思ってしまいますが、冬越しに入ると底のほうでジッとして活動しないためエネルギー消費も極端に少ないです。
12~2月の3ヶ月間、餌やりしなくても春を迎えることができます。
また、水温が10℃を下回り冬眠状態になるとそもそも餌を食べないので、すべて食べ残しになり水が汚れてしまいます。
とはいえ、越冬中でも少しずつ体力を消耗していくので、秋の段階でしっかり餌をやって冬眠に必要な体力をつけさせましょう。
とくに9~10月に生まれた稚魚は、秋にしっかり成長させないと冬越しできる体力がなく死んでしまうことも少なくありません。
目安としては、1.5~2cm程度まで成長させると冬越しできる可能性が高いです。これ以下の大きさで越冬したこともありますが、確実ではありません。
心配な場合は、室内に移動させるのもおすすめです。
冬越しに入る前の秋の飼育方法と稚魚の育て方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫秋のメダカ飼育のコツを月ごとに解説!水温低下を意識した餌やりと冬越しの準備
≫メダカ稚魚の飼育完全ガイド!最適な餌・水換え・飼育容器と生存率を上げる方法
水換えや掃除を控えて体力を温存させる
冬越しの間は、水換えや掃除をせずに過ごさせてあげましょう。
越冬中のメダカは低水温によって活動できない状態なので、水換えによって水流ができると体力の消耗やストレスにつながります。さらに、多少なりとも水温や水質が変わることも、繊細なこの時期にはよくありません。
また、コケ掃除や底砂の清掃もメダカの負担になるので控えましょう。
冬越し状態のメダカには餌をやらないので、水や底砂が汚れる心配もありません。そっとしておいて体力を温存させてあげることが重要です。
≫メダカの水換えは1ヶ月に何回がベスト?理想の水換え方法と頻度・水量を解説!
足し水をして水位を高く保ち凍結を抑える
冬のメダカ飼育で、とても重要なのが「足し水をして水位を保つこと」です。
メダカは5℃程度の低水温にも耐えられますが、飼育水が完全に凍結すると死んでしまいます。
水面が凍る程度なら底のほうでジッとして耐えられるので、足し水して水位が下がらないようにしましょう。
足し水は水道水にカルキ抜きを添加して、飼育容器の横に置いて水温を合わせてからゆっくり入れます。
水深が確保できない浅い飼育容器は、凍結の危険が高いので変えたほうが無難です。
フタやすだれをして低水温と凍結対策する
飼育容器にフタやすだれをすることで、水面からの冷気や凍結を和らげることができます。
メダカが低水温に耐えられるとはいえ、水温が下がり過ぎないほうがよいのは間違いありません。
またフタをすることで、雪が入ることによる水質の変化を防げます。
冬眠中に落ち葉などを入れて安心できるよう隠れ家を作る場合もありますが、フタをして水面を覆えば飼育容器全体が隠れ家のようなものなので必要ありません。
すだれなら、冬だけでなく夏の日差しを遮ることにも役立ちます。
飼育容器を発泡スチロール製に変える
冬越し中の低水温・凍結対策として、発泡スチロール製の飼育容器もおすすめです。
断熱性に優れるため、冷気による水温変化を和らげることができます。効果が高い方法ではありますが、飼育容器を変える手間もあります。
面倒な場合は飼育容器の底面や側面に発泡スチロールの板を配置するだけで同じ効果が期待できます。
冬眠に入ってからではメダカにストレスを与えてしまうため、変える場合は秋のうちに行っておきましょう。
より安全に冬越しさせたい場合におすすめします。
室内や玄関に飼育容器を移動する
室内や玄関など、外気の影響を受けにくい場所に移動するのも効果的です。
屋外ほど冷え込んだり、雪が入ったりすることもないので、安全に越冬させることができます。冷たい風が通らないだけでも大きく違います。
とはいえ、飼育容器が多いと手間ですし、飼育スペースも限られるため、少数のメダカを飼育している場合におすすめです。
またダルマメダカは低水温によって転覆病になりやすくなるので、室内や屋内に移動させるほうが無難です。
【室内飼育編】冬のメダカ飼育と冬越し方法!
ここからは、室内でメダカを冬越しさせる方法をご紹介します。
- 水槽用ヒーターで加温する
- 無加温で飼育する
この2パターンで方法が変わるので、飼育環境に合うものをご覧ください。
水槽用ヒーターで加温するなら普段通りの飼育方法でOK
水槽用ヒーターを使う場合は、普段通りの飼育方法で問題ありません。
水温が下がらずメダカが冬眠に入らないので他の季節と同様、餌やりと水換えをしながら管理します。
メダカにおすすめの水槽用ヒーターについては、こちらの記事をご覧ください。
≫【選び方】メダカにおすすめの水槽用ヒーター6選!30・45・60cm水槽ごとに解説
無加温飼育なら水温を確認しつつ飼育する
水槽用ヒーターを使わない無加温飼育の場合は、水温を確認して飼育方法を変えます。
- 15℃以上なら餌やりを1日2回
- 15℃前後なら餌やりを1日1回
- 10℃付近でメダカが動かないなら餌やりを控える
室内といっても置き場所によって水温が変わるので、水温計とメダカの動きを見て餌やりの回数を調整しましょう。
また、エアコンによって水温が変わりやすい場所は、メダカの負担になるため要注意です。
その場合は、飼育容器の置き場所を移動させる、もしくは水槽用ヒーターを使って水温を安定させることをおすすめします。
水温ごとの餌やりと水換えについては、こちらの記事もご覧ください。
≫メダカの餌やりは1日何回がベスト?理想の回数と餌の与え方を解説します
≫メダカの水換えは1ヶ月に何回がベスト?理想の水換え方法と頻度・水量を解説!
メダカの冬越し中の失敗談:1つの飼育容器が壊滅状態
最後に、初心者のころにやってしまった失敗談をご紹介します。
3色ラメのメダカを屋外で越冬させていましたが、3匹を残して壊滅状態になってしまったことがあります。
数年に一度の冷え込みということもありましたが、他の飼育容器のメダカはすべて生きていたので「品種改良による弱体化」が原因でしょう。
品種改良が重ねられたメダカは体が弱い場合があるので、屋外で越冬させる場合は様子を見ながら少し慎重になる必要があります。
冬眠中に1匹、2匹と死んでいくようなら、室内や屋内に移動させることも検討しましょう。
【まとめ】冬のメダカ飼育と冬越し方法!死ぬことなく越冬させる寒さ対策のすべて
今回は、冬のメダカ飼育と安全に冬越しさせる方法をご紹介しました。
メダカは冬越しに入ると底でジッとして動かなくなるので、餌やりと水換えを控えましょう。冬眠中はエネルギーをあまり消耗しないので餌を食べなくても問題ありません。
水が汚れることもないため、水換えも不要です。
低水温に耐えられる丈夫な魚ですが、飼育水が完全に凍結すると死んでしまうので、
- 足し水をして水位を高く保つ
- フタやすだれをして低水温と凍結対策をする
といった方法で凍ってしまうことを防ぎましょう。水面が凍結しても底のほうにいるメダカには問題ありません。
より安全に越冬させたい場合は、発泡スチロール製の飼育容器を使ったり、室内に移動させたりする方法もよいでしょう。
他の季節と比べると冬はメダカが死んでしまいやすいですが、正しい冬越し方法ができていれば無事に春を迎えられる確率が高まります。
大切なメダカを飼いつづけるためにも、万全な状態で冬のメダカ飼育にのぞみましょう。