金魚は春になると、冬眠から目覚めて活動を始めます。
とはいえ、まだまだ本調子ではない金魚に対して、
- 餌やりや水換えはいつ頃から始めたらいい?
- 冬眠明けはどうやって判断する?
- 繁殖が始まるタイミングは?
など、冬眠明けの世話の方法・始める時期で悩んでしまうことが少なくありません。
冬眠後は金魚の体力が落ちているため、世話の仕方を間違えると体調をくずして弱ってしまうこともあります。
そこで今回は、冬眠明けの水換えや餌やりの方法をふまえて、春の金魚飼育を3・4・5月ごとにご紹介します。
餌やりや水換えを始める安全なタイミングがわかるので、金魚を飼い始めて冬眠明けを経験したことがない方におすすめの内容です。
目次
春は金魚が冬眠から目覚める季節
春は金魚が冬眠から目覚めて、活動を始める季節です。
とはいえ、金魚は3月になったから急に動き出すわけではなく、水温の上昇を感じ取ることで活動するタイミングを判断しています。
具体的には、水温が10℃を超える日がつづくことが条件です。金魚は水温が10℃を超えると活動を始めて、15℃程度になれば本格的に動き始めます。
冬眠明けの世話は、金魚がしっかり活動を始めてから行うことが重要なので、天気予報と水温計の確認が欠かせません。
地域にもよりますが、3月半ば~後半に冬眠明けすることが多いです。
春の金魚飼育を3・4・5月に分けて解説!
ここからは春の金魚飼育について3・4・5月ごとに解説していきます。
基本的に屋外飼育でも室内飼育でも、冬眠明けの世話の仕方が大きく変わることはありません。
室内飼育のほうが汚れにくいため、水換えや掃除の手間は少ないです。
水槽用ヒーターを使って飼育している場合は、水温が一定なので冬眠も冬眠明けもなく通常通りの飼育方法で問題ありません。
3月:金魚が冬眠明けしても低水温に注意
3月は春といっても水温が変わりやすいので、低水温に注意しましょう。
月初めは水温が一時的に上昇しても、再び冷え込みがつづくことも珍しくありません。水温が安定して10℃を超えるまでは、水換えや餌やりを控えます。
このタイミングで本格的な水換えや掃除をしてしまうと、冬眠で体力を消耗した金魚の飼育環境を急変させたうえで、低水温になってしまう可能性があるので大きな負担になりかねません。
≫冬の金魚飼育と冬越し方法!冬眠中に世話をすると逆効果って本当?
水換えや餌やりは3月中頃~後半に始める
3月中頃になると水温が安定してくるので、本格的に世話を始めます。
とはいえ気温は地域によっても異なるので、水温計で確認して判断するようにしてください。
また、表層近くを泳いだり、餌をほしがる素振りを見せたりといった金魚の行動も世話始めの目安になります。
冬眠明けの金魚に行う最初の世話として「床直し」があります。
床直しは冬の間にたまったゴミや汚れをきれいにする大掃除のことです。水温が上がると菌が繁殖しやすくなるため、病気や体調不良になる前にきれいな環境にすることが目的です。
床直しの手順は次のとおりです。
- 飼育容器の水を2/3程度バケツに取っておく
- 金魚も一時的に別の容器に移動させる
- 残りの水で飼育容器のコケを落としてゴミと一緒に排水する
- きれいになった飼育容器に取っておいた水を戻す
- カルキを抜いた水道水を満水まで加える
- 水合わせをして金魚を戻す
金魚を飼育容器に急に戻すと、水質と水温の急変によるショック症状を起こすことがあるので、必ず水合わせしましょう。
- 金魚のいる容器ごと飼育容器に30分ほど浮かべて水温を合わせる
- 飼育容器の水を5分ごとにオタマ1杯ほど金魚の容器に入れて水質を合わせる
- 30分経過したら金魚を飼育容器に放す
といった方法で簡単に水合わせできます。
床直しが終わっても金魚は本調子ではないので、1週間ほど餌やりは控えましょう。
1週間ほど様子を見て、餌を食べる素振りを見せたら1日1回、2~3分で食べ終わる量の餌を与えてください。餌の回数を控えめにして、本調子まで少しずつ慣らしていきましょう。
もし冬の間にエアレーションを止めていた場合は、再開しても問題ありません。
水合わせの方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫【熱帯魚やメダカ】簡単で魚にやさしい水合わせ方法!pHショックの危険性も解説
床直しせず冬眠明けの世話をする方法
床直しは水質を急変させる可能性がありますし、まだ寒い時期に飼育容器の大掃除をするのは労力と手間もかかります。
どちらかといえば少し上級者向きなので、冬眠明けの世話として簡単な方法もご紹介します。
掃除を始めるタイミングは同じですが、
- 底のゴミを吸い出しながら飼育容器の水を1/3ほど捨てる
- カルキを抜いて水温を合わせた水道水を捨てた量だけ加える
といった方法で、通常の水換えとまったく同じです。
冬眠明けしたら、この方法できれいな水質を保ちつつ、4月に入って水温が上がってから本格的に床直しします。
床直しや水換えの際にはプロホースを使うと、簡単に効率よく排水したり、底にたまったゴミを吸い出したりできます。
金魚水槽の水換えについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
≫金魚水槽の水換え方法と理想的な頻度・水量を解説!1ヶ月に何回がベスト?
4月:水温が上がり金魚が本格的に活動開始
4月に入ると水温が上昇して、金魚が本格的に活動を始めます。
水温が15℃を超えれば、1日1回の餌やりを2回に変更します。1回の餌の量は、2~3分で食べ終わる程度が目安です。
水換えも通常の頻度、月に1~2回に戻して問題ありません。とはいえ、4月でも水温が高いわけではないため、水が汚れるペースは遅いです。
床直しや飼育容器の掃除ができていれば、水換えで神経質になる必要はありません。
3月の気温が不安定で床直しを見送っていた場合は、このタイミングで行いましょう。
5月:金魚が本調子で低水温の心配なし
5月になれば水温が安定して15℃を超え、低水温の心配もなくなるため金魚が本調子になります。
餌やりや水換えの頻度は4月と変わりませんが、日差しが強い場合はすだれやフタを用意して日陰を作ってあげましょう。
水温が極端に上昇する時期ではないため必要性は低いですが、6~8月の高水温対策として事前に用意しておくのも1つの手です。
夏の金魚飼育と高水温対策は、こちらの記事をご覧ください。
≫【夏の金魚飼育】金魚水槽の暑さ対策12選!高水温や酸欠で弱らせない方法
春は金魚が繁殖を始める季節
春(4~6月)は金魚の繁殖期なので挑戦したい場合は、繁殖の準備を整える時期でもあります。
金魚は水温が20℃を超えると繁殖を始めるため、3月半ば~4月までに繁殖できる環境を整えましょう。
繁殖できる金魚の条件
金魚を繁殖させるためには「繁殖できる状態の個体」が必要です。
金魚は孵化後2~3年で成熟(繁殖できる状態)して、オスとメスで次のような違いが現れます。
- オス:エラと胸ビレの前方に追い星(おいぼし)と呼ばれる白い斑点が現れる
- メス:腹部がふくらむ
メスの特徴は判断が難しいこともあるため、オスの追い星で判別することをおすすめします。
また繁殖期のオスはメスを追いかける「追尾行動」を行うので、追いかける側をオス、追われる側をメスと見分けることもできます。
金魚の繁殖に必要なもの
金魚の繁殖では、次のような繁殖に必要なものを用意しましょう。
- 産卵床:マツモ、アナカリス、ホテイソウ、人工産卵床
- 稚魚用の隔離容器:小型水槽、トロ舟、発泡スチロール
- 孵化した稚魚の餌:人工飼料、ミジンコ、ブラインシュリンプ
金魚が卵を産み付ける産卵床と卵が食べられないように隔離する容器、孵化して間もない稚魚に与える餌は欠かせません。
とはいえ、金魚にも相性があります。どうしても繁殖しない場合はペアを変える、もしくは気長に待つようにしましょう。
≫金魚におすすめの水草9選!繁殖力が高い&食べられない種類選びが重要
≫【厳選】金魚におすすめの餌7選!体型・成長・コスパ・色揚げに特化した餌の選び方
まとめ:春の金魚飼育を3・4・5月に分けて解説!餌やりと水換えは完全に冬眠明けしてから
今回は冬眠明けの水換えや餌やりの方法をふまえて、春の金魚飼育について3・4・5月ごとにご紹介しました。
春は冬と違って金魚が活動する姿を観察できるので、飼育していても楽しい季節です。
とはいえ、3月は水温の変化が激しい日もあるため、水温と天気予報を確認しながら餌やりと水換えなどの世話の頻度を調整しましょう。
4月、5月と進むにつれて水温変化の心配もなくなりますし、繁殖に挑戦することも可能です。
春は「金魚飼育の始まり」とも呼べる季節なので、良いスタートを切って夏の飼育につなげましょう。