メダカ飼育に水換えは付きものですが、
- 水換えをするタイミングは?目安はあるの?
- 水換えは1ヶ月に何回?1回の水量は?
- 稚魚のときの水換えはどうしたらいい?
など、初心者の方が悩みやすいポイントが多いです。
水換え1つでメダカの体調を大きく左右することもあるので、健康的に飼育するためには「正しい水換え方法」の習得が欠かせません。
今回は水換えしたほうがよい理由とタイミングをふまえて、メダカの飼育容器・水槽の理想的な水換え方法と頻度・水量を解説します。
水質の良し悪しはメダカの体調に大きく関係します。ろ過フィルターを使う機会が少ないメダカ飼育では、水換えが水質管理の大きなポイントです。
上手く水換えができると、メダカが体調をくずすことなく飼育し続けられるようになります。
目次
メダカ飼育で水換えが必要な理由
メダカの飼育容器や水槽の水換えが必要なのは「きれいな水質」を維持するためです。
汚れた水で飼育し続けると、
- 雑菌が増えやすく体調不良や病気につながる
- 餌食いが悪くなる
など、体調面に悪影響がでることも少なくありません。
魚を飼育していると水が汚れるのは避けられないので、水を新しくして水質をきれいにする必要があります。
水換えで硝酸塩を取り除く
メダカを飼育しているとフンや食べ残しがでるので、どうしても水が汚れてしまいます。
また、フンや食べ残しから発生する有害なアンモニアや亜硝酸塩(あしょうさんえん)は、バクテリア(細菌)によってほぼ無害な硝酸塩(しょうさんえん)に分解されます。
しかし硝酸塩は分解されることなく水中に残り続け水質悪化の原因になるため、水換えで取り除くしかありません。
≫熱帯魚・メダカ水槽に必要なバクテリアとは!硝化サイクルで水がろ過される仕組み
メダカの飼育容器・水槽の水換えをすべきタイミング
水換えをしたほうがよいタイミングは「水が汚れているとき」です。
具体的には次のとおりです。
- 1ヶ月以上水換えをしていない
- メダカの動きが鈍い
- メダカの餌食いが悪い
- 水が臭う
- 水面に油膜が張っている
長期間水換えをしていないと、水が汚れている可能性が高いので水を換えたほうがよいです。
メダカの動きが鈍かったり、餌食いが悪かったりするときも水質が悪化しているサインなので水換えを検討します。
ただし、メダカは水温が低下することで活動が鈍ることもあるので「最近、寒くなってきたな」と感じたら低水温も疑いましょう。水温が急に低下しやすい春や秋の時期には要注意です。
水温が15℃を下回ってくると、動きや餌への反応が鈍るので水温計で確認しましょう。
また水から嫌な臭いがする、もしくは油膜が張っている場合も水が汚れていることが多いです。
≫メダカの元気がない・動かない!死ぬ前に知っておきたい原因7つと対策!
メダカの飼育容器・水槽の水換え頻度と1回に換える水の量
水換えをするタイミングの次は『頻度』と『1回に換える水の量』が大切です。
メダカ飼育では「2週間に1回、容器全体の1/3程度」が目安になります。
メダカは水質にうるさい魚ではないため、週に1回の頻度で変える必要はありません。一方で、3~4週間に1回だと餌のやり方によっては水質が悪化していることがあります。
水量については、1回に換える水の量が多いと水質が急変してpH ショックを起こすことがあるので要注意です。
- pHショックとは
- 水質(pH)が急変することで起こるショック症状。死んでしまうことも少なくありません。
水質を急変させることなく水換えをするなら、容器や水槽の1/3程度の水量が理想です。全部や大半の水を換えると危険なので控えましょう。
とはいえ、頻度も水量も目安から少し違っただけで影響が出ることはないので安心してください。
また水換えの頻度は水温や飼育環境、メダカの大きさによって変えたほうがよい場合がありますが、後ほどご紹介します。
≫【熱帯魚やメダカ】簡単で魚にやさしい水合わせ方法!pHショックの危険性も解説
【実例】メダカの飼育容器・水槽の水換え手順と必要なもの
ここからは、水換えの手順を実例をふまえてご紹介します。
屋外・室内飼育ともに同じ方法です。それぞれ少しだけ違う点があるため、その都度解説します。
用意するものが少なく難しい作業もないので安心してください。
1. 水換えに必要なものを用意する
水換えに必要なものは次のとおりです。
- バケツ×2
- プロホース
- カルキ抜き
バケツは水換え用の新しい水のために1個、そしてメダカ容器から排水した水を入れるために1個必要です。
バケツの大きさは10~15Lのものが使いやすくおすすめです。近くに排水できる水回りがある場合は、バケツを使わず直接排水しても問題ありません。
プロホースは水換えに使うアイテムで、手押しポンプを数回押すことで水を吸い上げて簡単に排水できます。
プロホースを使うと、底砂の掃除も一緒にできるのでとても便利です。
普通の短いホースで排水できないこともありませんが、口で水を吸い上げたり、ホースを全部沈めて片方を抑えて排水したりと手間がかかります。
安価なうえに、ずっと使い続けられので1つは用意しておくことをおすすめします。
カルキ抜きは水道水に含まれている塩素(カルキ)を取り除くために必要です。
カルキ抜きを使う理由
塩素は魚にとって有害なので、水道水は必ずカルキ抜きを添加してから水換えに使いましょう。カルキ抜きは固形と液体タイプの2種類ありますが、水量に合わせて添加量を調整しやすい液体タイプがおすすめです。
また、一緒に容器や水槽のコケを掃除するならスポンジも用意しましょう。
≫メダカ水槽に生えたコケを簡単に取る!面倒なコケが発生する原因とコケ掃除を解説
2. 水換え用の新しい水を用意する
水換え用の新しい水をバケツに入れます。
このときは、まだカルキ抜きを添加する必要はありません。バケツに水を入れ終わったら、メダカの容器や水槽の横に置いて水温を合わせましょう。
水温合わせが必要な理由
水換え用の水が冷たすぎたり、熱すぎたりすると、入れたときに水温が急変してメダカが体調をくずす原因になります。水温があまりに急低下・急上昇すると、水温変化によるショック症状を起こして危険なこともあるため、水温合わせが必要です。
1~2時間ほど待てば水温がほぼ同じになるので、手で確認してみてください。
室内飼育で水槽用ヒーターを使っている場合は、給湯器などのお湯と水道水で水温を調整します。
やや高めにして水温が下がるのを待つと失敗しにくいです。
水温があっているか判断しにくい場合は、水温計を使うようにしましょう。
3. メダカの飼育容器・水槽の水を抜く
プロホースでメダカの飼育容器・水槽の水を抜きます。
水温を合わせている時間に作業すると効率的です。
抜く水の量は1/3程度で、同時に底砂を掃除するのもおすすめです。
水を抜く前に容器や水槽のコケをスポンジで落としておくと、水中に舞うコケを一緒に排水できます。
水を抜くときは、メダカを吸ってしまわないよう注意しましょう。
心配なら、ホースの先に網をかぶせると安心です。この方法は、稚魚の水換えのときにも使います。
4. 新しい水をゆっくり注ぐ
水温合わせが終わったら、水換え用の新しい水にカルキ抜きを添加して塩素を除去しましょう。
水を注ぐきは、ゆっくり入れることが重要です。勢いよく入れると底砂が掘れたり、底にたまった汚れを巻き上げたりしてしまいます。
また、水質の急変につながってメダカに負担をかけてしまう可能性もあります。水面に手をかまえて、ワンクッションさせてから入れるとゆっくり入れることが可能です。
もしくは、新しい水の入ったバケツを注ぎたいメダカ容器より上に置ける場合は、プロホースを使ってゆっくり入れることができます。
メダカの飼育容器・水槽の水換え頻度を変えるタイミング
メダカの水換え頻度は2週間に1回が目安とご紹介しましたが、頻度は水温や飼育環境、メダカの大きさによって変わります。
ここでは、水換えの頻度を変えるタイミングと理由を解説するので、参考にしてみてください。
餌をやり過ぎたらその場で水換え
餌やりをしていると、容器からドバッと出て大量の餌が入ってしまうことがあります。
とても食べ切れる量ではないことがほとんどですし、放っておくと水質が急激に悪化してしまうため、その場で水換えしましょう。
メダカが思ったように食べず食べ残しが多い場合も、水換えして取り除くことをおすすめします。
また水が臭っていたり、油膜が張っていたりなど明らかに汚れている場合もその場で水換えしたほうがよいです。
≫メダカの餌やりは1日何回がベスト?理想の回数と餌の与え方を解説します
夏の水温が高い時期は1週間に1回
水温が高いと水が汚れやすいので、1週間に1回水換えをすることがあります。
ただし、水が汚れたら水換えのタイミングなので、夏だからといって必ずしも週1で水換えしないといけないわけではありません。
最初にご紹介した、「水換えをすべきタイミング」を参考に水が汚れていると感じたら水換えしましょう。
とくに、メダカの数が多いと餌やフンの量も多く水が汚れやすいので、夏場は1週間に1回水換えしたほうがよいです。
≫メダカ飼育では夏の高水温・酸欠が危険!死なせないための対策9選
春や秋の水温が低い時期は1ヶ月に1回
春や秋の水温が低い時期は、1ヶ月に1回の水換えで十分なことも多いです。
水温が低いとメダカが餌を食べる量が減るので、餌やりを1日1回だけにすることも少なくありません。
餌が減れば食べ残しやフンも減って水が汚れる速さも遅くなるため、水換えの頻度も低くなります。
≫春のメダカ飼育に必要なコツ5個!冬眠明けは水温と水換えに気を付けよう
≫秋のメダカ飼育のコツを月ごとに解説!水温低下を意識した餌やりと冬越しの準備
冬は冬越し!水換えしない
屋外飼育の場合は、冬はメダカが冬越し(冬眠)しているので水換えをする必要がありません。
メダカは水温が10℃前後になると、泳がずジッとして餌も食べない「冬越し状態」になります。餌を食べず水が汚れることもないので、水換えをする必要はありません。
むしろ、水換えによる水質や水温の変化は、冬眠中のメダカにとって負担になるため控えたほうが安全です。
春を迎えて、メダカがしっかり活動を始めたら水換えするようにしましょう。
≫冬のメダカ飼育と冬越し方法!死ぬことなく越冬させる寒さ対策
≫メダカが冬眠明けに死ぬのは世話の仕方が問題?主な死因5つと対策
稚魚期は水換えを控える | 水が汚れたときだけ
メダカの稚魚は成魚と違って水質の変化に弱いので、成長するまで水換えを控えます。
できるだけ水換えしなくても済むように、大きめの飼育容器(5~10L以上)で稚魚を育てるのがポイントです。
ただし臭いがする、水が茶色いなど、明らかに汚れていたり、ゴミがたまっていたりする場合は水換えしましょう。水換え1回の水量は、このときも全体の1/3が目安です。
メダカ稚魚の水換えと飼育容器については、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫メダカ稚魚の飼育完全ガイド!最適な餌・水換え・飼育容器と生存率を上げる方法
屋外飼育では水換えがいらないこともある
屋外飼育では、水換えが必要ないこともあります。
屋外飼育はバクテリアが増えやすいうえに日光が当たることで水草が育ちやすいです。
- メダカのフンや食べ残しをバクテリアが分解
- 分解してできた硝酸塩を水草が吸収
この流れが上手くできあがると水が汚れにくいため、水換えしなくても維持できる場合があります。
とはいえ、
- トロ舟やコンテナなど大型の飼育容器を用意する
- メダカの数を少なめ(5匹前後)にする
- 水草を育成する必要がある
といったように、水換えせず管理するためには条件がありますし、少し技術が必要です。
無理に水換えしないよりも、水が汚れていたら素直に水を換えるほうが安全です。
まとめ:メダカの水換えは週に何回がベスト?理想のタイミングと頻度・水量を解説!
今回は、水換えした方がよい理由とタイミングをふまえて、理想の水換え方法と頻度・水量を解説しました。
- 頻度は2週間に1回が目安
- 1回に換える水の量は容器や水槽の1/3程度が目安
- 水温やメダカの大きさ・飼育環境で頻度を変える
正しい水換えができるとメダカの体調が安定しやすくなりますし、病気が発生する確率を下げることができます。
「汚れた水は万病のもと」といっても過言ではないので、末永く飼育できるよう水換えをしてメダカに快適な環境を整えてあげましょう。