川魚が好きな人はもちろん、自分で捕まえて興味を持つと飼いたくなるものです。
ただ、「飼育したい!」という気持ちと同時に、
- 捕まえた川魚を水槽に入れたい!初めてでもできる?
- ろ過フィルターの設置は難しい?
- 失敗しない餌やりや水換えの方法はある?
といった疑問や不安を抱いてしまうことも少なくありません。
そこで今回は、捕まえたり、入手したりした大切な川魚を安全に飼育するために、川魚の飼い方と水槽の立ち上げ方を9つの手順でご紹介します。
目次
川魚の飼い方を動画で確認する
川魚の飼い方は、動画でもご紹介しています。
解説しているのはカワムツですが、多くの淡水魚に共通する内容です。
餌やりや水換えの仕方などは、実際に見ていただくことでイメージしやすくなります。記事を読む前や後に、ぜひご覧になってみてください。
川魚水槽を立ち上げる9つの手順
川魚水槽は、次の手順で立ち上げることができます。
- 水槽を設置する
- 底砂を洗って水槽に敷く
- ろ過フィルターを設置する
- 水槽に水をためる
- ろ過フィルターの電源を入れて動作確認
- 1週間待ってバクテリアを繁殖させる
- 水槽に川魚を入れる
- 餌やりをする
- 2週間経過したら水換えをする
「やることが多いな」と思うかもしれませんが、飼育用品を置くだけ、待つだけといった手順も多いので意外と手間はかかりません。
1~2時間もあれば水槽を立ち上げることができます。
水槽の立ち上げ方の前に川魚の飼育に必要なものを知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
1. 水槽を設置する
水槽を設置するために、次の条件に当てはまる場所を探します。
- 水平である
- 電源を確保できる
- 直射日光が差し込まない
- 人通りが多過ぎない
置く場所が不安定だと転倒のリスクが高まるだけでなく、負荷が偏ってかかるため水槽の寿命が短くなることがあります。
60cm水槽であれば、周辺機材を含めても80kg程度なので問題ありませんが、90cm以上の水槽を置く場合は床の耐荷重を確認するようにしてください。
また、ろ過フィルターや照明などを使うために電源があることも重要なポイントです。とはいえ、延長コードで対応することもできます。
直射日光は、水温の急上昇とコケの発生につながるので避けます。人通りがあまりに多かったり、ドアから近かったりする場所も、振動が魚にとってストレスになるためおすすめしません。
水場が近いと水換えの手間を抑えられます。
2. 底砂を洗って水槽に敷く
水槽を置いたら、底砂を敷いていきます。
そのまま水槽に入れるとゴミが多いので、5~10回程度洗ってから入れましょう。
洗っていると濁りが気になるかもしれませんが、完全に除去することは難しいため、ある程度で問題ありません。
底砂の厚さは、通常で2~3cm、水草を植えるなら4cm程度が目安です。
※川魚は底砂がなくても飼育できるので、敷かない場合は工程を省略してください。
水草や流木・石を入れるならこのタイミング
水槽に水草や流木・石といったレイアウト素材を入れたい場合は、底砂を敷いた後に配置します。
川魚におすすめの水草と植え方は、こちらの金魚の記事で解説しています。
≫金魚におすすめの水草9選!繁殖力が高い&食べられない種類選びが重要
3. ろ過フィルターを設置する
ろ過フィルターの設置方法は、種類によって大きく異なります。
- 上部フィルター:水槽の上に置く
- 投げ込み式フィルター:水槽の中に入れる
- 外掛け式フィルター:水槽の背面にかけて設置する
構造が難しいものではないため、上部フィルターなら5~10分、投げ込み式・外掛け式フィルターであれば5分足らずで設置できます。
説明書や製品箱の背面に設置方法が必ず記載してあるので、初めての方でも心配ありません。
余計な負担がかかるため、ろ過フィルターの電源は水槽に水を入れてからにしましょう。
4. 水槽に水をためる
ホースやバケツを使って水槽に水をためていきます。
水道から近ければホース、遠ければバケツで運搬して水槽の最上部から3cm程度まで注水します。
水量はあくまで目安なので、多少増減しても問題ありません。
底砂が掘れてしまうこともありますが、注水後でも整えられます。
水道水には魚に有害な塩素(カルキ)が含まれているので、カルキ抜きを入れて除去してから使いましょう。
5. ろ過フィルターの電源を入れて動作確認する
水槽に水がたまったら、ろ過フィルターの電源を入れて問題なく設置できているか確認します。
水位が低いと、上部式や外掛け式フィルターは動かないので注意してください。ろ過フィルターからの水漏れも同時に確認します。
問題なければ水槽の上部にフタを置いて、その上に照明を設置しましょう。
6. 1週間待ってバクテリアを繁殖させる
水槽の設置が終わったら、1週間ほど待って「バクテリア」が増えるのを待ちます。
餌の食べ残しやフンから発生する有害なアンモニア・亜硝酸をほぼ無害な硝酸塩に分解する細菌です。バクテリアが少ない水槽では有害物質がたまりやすいため、水を入れた直後の水槽は魚の飼育に適していません。
バクテリアは時間の経過とともに自然に増えるため、待つだけで問題ありません。この期間は、水槽やろ過フィルター周辺に水漏れがないか確認しながら待ちましょう。
バクテリアについては、こちらの記事をご覧ください。
≫熱帯魚・メダカ水槽に必要なバクテリアとは!硝化サイクルで水がろ過される仕組み
捕まえた川魚をすぐに水槽に入れたい場合
捕まえた川魚をすぐに入れたい場合は、注水時にバクテリアが定着している他の水槽の水を1/3~1/2ほど使う方法もあります。
またリスクはありますが、水槽に水をためた次の日に魚を入れることも無理ではありません。その場合は、
- 魚が入ったバケツや容器の水温が上昇しないよう日陰に置く
- エアレーションで酸欠を防ぎつつ次の日まで待つ
といった方法で翌日に魚を水槽に放します。とはいえ、立ち上げたばかりの水質が不安定な水槽に投入するため、おすすめはしません。
川魚を入れることを見越して、1~2週間前に水槽を立ち上げておくほうが安全です。
≫【初心者向け】河川の魚捕り「ガサガサ」とは?基本的な方法と道具をまとめました!
7. 水槽に川魚を入れる
1~2週間ほど経過したら「水合わせ」してから川魚を水槽に放します。
魚がいる場所と新しい水槽では水質や水温が異なるため、そのまま入れると環境の急変によって危険なショック症状(pHショック・水温ショック)を起こしてしまうことがあります。水合わせによって、魚を少しずつ新しい環境に慣れさせることでショック症状を防ぐことが可能です。
水合わせの方法は次のとおりです。
- 袋に入った状態の魚を30~60分ほど水槽に浮かべて水温を合わせる
- 魚をバケツに移す
- 水槽の水を少しずつ魚のいるバケツに注ぐ
- 網で魚を水槽に放す
川魚を捕まえてきた場合は、バケツなどの容器に入れたまま水槽の横に1時間ほど置いておくと水温が同じになります。
また夏場で高水温が心配な場合は、冷却ファンを取り付けることも忘れないようにしましょう。
水合わせの具体的な方法は、こちらの記事で解説しています。
≫【熱帯魚やメダカ】簡単で魚にやさしい水合わせ方法!pHショックの危険性も解説
8. 餌やりをする
川魚を入れた当日は、慣れない環境に驚いている状態なので餌やりを控えます。
次の日から、1日2回、2~3分で食べ切る量を目安に餌やりをしましょう。
とはいえ、個体によっては最初は餌を口にしないことも珍しくないので、少し与えて反応がなければ控えたほうが良いです。
餌やりの詳しい方法や注意点は、こちらの金魚の記事で解説しています。
≫金魚の餌やりは1日何回がベスト?餌の頻度・量と与える時間帯について【季節で変わる】
9. 2週間経過したら水換えをする
水槽が無事に立ち上がって2週間経過したら、水換えをしましょう。
1回に換える水量は、水槽の1/3程度が目安です。一度に多量の水換えをすると、水質が急変してショック症状を起こしてしまうことがあるため注意しましょう。
水換えの目安は2週間~1ヶ月に1回ですが、
- 水が濁っている
- 水槽から臭いがする
- 魚の調子が悪い
など、水質が悪化しているようなら、その場で水換えしたほうが良いです。
水換えの具体的な方法と使う道具・手順は、こちらの金魚の記事で解説しています。
≫金魚水槽の水換え方法と理想的な頻度・水量を解説!1ヶ月に何回がベスト?
まとめ:川魚の飼い方・水槽の立ち上げ方を9つの手順で解説【水槽の設置から餌やりまで】
今回は、川魚水槽の立ち上げ方を9つの手順でご紹介しました。
- 水槽を設置する
- 底砂を洗って水槽に敷く
- ろ過フィルターを設置する
- 水槽に水をためる
- ろ過フィルターの電源を入れて動作確認する
- 1週間待ってバクテリアを繁殖させる
- 水槽に川魚を入れる
- 餌やりをする
- 2週間経過したら水換えをする
水槽の立ち上げは一見すると大掛かりですが難しい作業はないので、手順がわかっていれば1~2時間程度で終わります。
川魚に興味があったり、捕まえて飼育したくなったりした場合は、ぜひ、水槽を立ち上げてみてください。