ウツボは1mを優に超える大きさと引きの強さに加え、食べても非常においしい魚です。
人気上昇中のウツボ釣りに挑戦したいと考える人は少なくありませんが、
- ウツボはどこで釣れるの?
- 仕掛けは難しくない?
- よく釣れるエサは魚?イカ?
といった点でつまずいてしまうことがあります。
そこで、今回は手軽な仕掛け・釣れる場所もふまえて、「簡単なウツボ釣り」をご紹介します。
簡単な内容なので「ウツボの強烈な引きを楽しみたい」、「釣って食べてみたい」という初挑戦の方におすすめです。
目次
ウツボは簡単に釣れます!
ウツボの巨体を考えると、大掛かりな仕掛けを用意して磯や岩場で釣るイメージを持つかもしれませんが、思いのほか簡単です。
身近な漁港や堤防で十分釣れますし、仕掛けも簡単に作れます。
ここでは、初めに釣りに役立つウツボの特徴と生態をご紹介します。
ウツボの特徴と生態
ウツボは本州の中部以南に幅広く生息する魚です。
釣りでは、
- 神奈川県
- 静岡県
- 千葉県
- 東京都
- 和歌山県
- 三重県
あたりの釣果が多いですね。詳細な釣り場は後ほどご紹介します。
平均は80cm前後で、大きなものでは120cmを超えることもあります。
魚類から頭足類(イカやタコ)まで幅広く捕食しますが、元気に泳いでいるものよりも弱ったり、死んだりしている生き物を嗅覚頼りに狙うことが多いです。
ウツボの釣り方!岸際のぶっこみ釣りが最適!
ウツボ釣りでは岸際に仕掛けを落とす「ぶっこみ釣り」が最適です。
- よく釣れる
- 根掛かりが少ない
- 仕掛けが簡単
といったメリットがあります。
ウツボ釣りに向いている理由と具体的な手順を解説していきますね。
仕掛けの作り方は後ほどご紹介します。
1.仕掛けを岸際に落とす
ウツボ釣りでは岸際(足元)が絶好のポイントです。
ウツボは岩礁帯やテトラ帯など、隙間の多い場所を住処にします。一見すると、漁港や堤防の岸際はなにもないように見えますが、堤防の継ぎ目や底の境目など隙間が多くウツボ好みの条件がそろっていることが多いです。
足元に落として底に着いたら軽くラインを張りましょう。
2.しばらく待つ
ウツボが臭いに気付いてよって来るまでしばらく待ちます。
竿立てを使うと地面に当たって竿が傷付くことがないので、おすすめです。
早ければ5分、長ければ30分程度でアタリがあります。
30分以上しても反応がなければ、5mほど移動して仕掛けを落とし、またアタリを待ちましょう。竿先に鈴を付けるとアタリを音で知らせてくれるので、ずっと見ておかなくて済みます。
夜釣りならケミ蛍があれば、竿先に出るアタリがわかって便利です。
3.アタリがあったら一呼吸おいて合わせる
ウツボのアタリは大きく引き込むこともあれば、ゴソゴソと竿先が上下するものまでさまざまです。
反応があったら竿を持ち、ドラグをしめて合わせる準備をしましょう。エサを放すことは少ないため、慌てなくても大丈夫です。
竿に伝わるアタリを感じながら、上にあおって合わせを入れます。
4.ドラグを出さず強烈な引きに耐える
ウツボの引きは強烈です。
横に走らず底に引き込みます。竿が限界まで曲がることも少なくありません。
しかし、ここでドラグを出してしまうと隙間に入って出てこなくなるため、耐えましょう。できれば合わせと同時に底から浮かせられると、釣り上げられる確率がグッと上がります。
アワセを入れた時点ですでに隙間に入って出てこない場合は、強めにラインを張って待ちましょう。ズズッと出てくることも少なくありません。
5.弱ってきたらゆっくり巻き上げる
体力の多い魚ではないので、次第に弱ってきます。
そのタイミングで巻き上げましょう。何度か引き込むことがあるので油断は大敵です。
水面まで上がってきたら、50cm程度の小型ならそのまま抜き上げます。80cmほどであればタモ網を使った方が確実に取り込めます。
6.かまれないよう注意して針を外す
ウツボは非常に歯が鋭いため、針を外す際は注意してください。
大半の個体は動き回って逃げる、もしくは仕掛けに巻き付いてきますが、気性が荒いものはこちらの手を的確に狙ってきます。
素手で取ろうとせず、フィッシュグリップで動きを止めて柄の長いプライヤーで外しましょう。
とはいえ、落ち着いて道具を使って対処すれば滅多に噛まれないので安心してください。
ウツボがよく釣れる「ぶっこみ釣り」に必要な釣り具
ここからは、ぶっこみ釣りに必要な釣り具をご紹介します。
竿:ベイト・スピニングどちらでもOK
竿はベイト・スピニングロッドどちらでも使えます。
大物専用でなくても、
- バスロッド:M~XH
- ショアジギングロッド:M~H
- ジギングロッド:M~H
- 磯竿:4号以上
※M(ミディアム)やH(ヘビー)は竿の硬さ(パワー)を表しています。
といった竿で十分釣ることが可能です。
ML(ミディアムライト)になると、パワー不足で最初の引き込みを止められないこともあります。岸際を狙って飛距離も必要ないため、短いもので問題ありません。
リール:ナイロン8号が50m巻けることが条件
投げたり、繊細なドラグ設定が必要だったりすることはないので、ナイロンラインの8号が50m巻くことができるリールならOKです。
糸巻き量はリールや製品が入っていた箱に表記してありますし、ネットで調べてもすぐにわかります。安価なバス用や海釣り用が入手しやすいです。
スピニングリールなら3000番前後が良いでしょう。
ラインとハリス:ナイロン8号とハリス18号
先ほど少しお話ししましたが、リールに巻くラインはナイロンラインの8号を使います。
魚に近い場所に使うハリスは、歯で切られないよう18号を結びましょう。1mを優に超えるサイズを狙うならハリスを30号に変更します。
釣り針:オフセットフック#5/0
釣り針はバス用オフセットフックの#5/0がおすすめです。
幅が広いので、飲み込まれるのを避けられます。
オフセットフック比較的安価で入手しやすいところも良いです。もちろん、この他の針でも折れない太さがあれば十分使うことができます。
オモリ:中通し10~20号
オモリは中通しオモリの10~20号を使います。
足元に落とすので、軽めの10号があれば大丈夫です。少し投げて釣りたい場合は15号や20号を使うことで、潮に流されてオモリが岩の隙間などに引っかかる心配がなくなります。
スイベル:1~3号
ラインとハリスを結束するためにはスイベルが必要です。
極端に小さく強度の低いものでなければ、問題ありません。
ウツボ釣りで用意すると便利なアイテム
必須ではないものの、ウツボ釣りにあると便利なアイテムをご紹介します。
- プライヤー
- フィッシュグリップ
- 竿立て
- 鈴
- ケミ蛍
- タモ網
- ライフジャケット
プライヤーとフィッシュグリップはウツボを針から外すときに使います。
素手では危険なので、できる限り用意しておいた方が良いでしょう。鈴とケミ蛍は音と光でアタリがわかりやすくなります。
漁港や堤防とはいえ、落ちると危険なのでライフジャケット推奨です。
ぶっこみ釣りの仕掛けの作り方
ここからは、ぶっこみ釣りの仕掛けの作り方を解説していきます。
とはいえ、非常にシンプルなので簡単に作ることができますよ。
- オモリにラインを通してスイベルを結ぶ
- スイベルにハリスを結び針も結ぶ
3回結ぶだけで完成します。
オモリにラインを通してスイベルを結ぶ
初めに穴が空いている中通しオモリにラインを通します。
通ったら糸先をスイベルに結びましょう。結び方は簡単で強度もあるユニノットがおすすめです。
スイベルにハリスを結び針も結ぶ
スイベルのもう片方にハリスを30~40cm結び、糸先に針を結んで完成です。
パイプ天秤を使った捨てオモリ式もおすすめ
根掛かりの多い場所では「捨てオモリ式」のぶっこみ釣り仕掛けもおすすめです。
根掛かってもオモリだけ切れて仕掛けは回収できます。とはいえ、足元に落とすようにしたら根掛かりは回避できますし、少しだけ複雑なので通常の仕掛けでも十分です。
広範囲を探れるのでウツボだけでなく、サメやエイといった幅広い魚種を狙う際に最適です。詳しくはこちらの記事で解説しています。
ウツボ釣りに使うエサは青魚とイカ
ウツボ釣りの餌には「青魚」と「イカ」を使います。
どちらも実績は十分です。
青魚は、
- サンマ
- イワシ
- サバ
といった種類が入手しやすく釣れやすいです。
イカは生のスルメイカが安価でおすすめです。
使い分けとしては青魚を中心に、エサ取りが多ければイカを使いましょう。
青魚の方が臭いの拡散力が強いので、ウツボをよせやすいです。その反面、フグやカニがよって来てしまうことも少なくありません。
イカは青魚ほど臭いが強くありませんが、エサ持ちが良いので重宝します。
どちらのエサもぶつ切りや短冊切りでOKです。面倒であればキッチンバサミを使って0.5~1cm幅で輪切りにすると手も汚れませんし手間もかかりません。
ウツボが釣れる場所をご紹介!
実釣経験をもとにウツボが釣れる場所をご紹介します。
漁港や堤防
一番おすすめの場所は、漁港や堤防です。
足場もしっかりしていて足元から水深があるので、際に落とすだけで釣れます。
ウツボが身を潜める隙間が多い堤防の継ぎ目や潮通しの良い先端がよく釣れます。
また、漁港は魚の水揚げで商品にならない魚類を捨てることがあるので、港内にウツボが集まっていることも少なくありません。そういった場所はウツボの数・大きさともに段違いです。
ゴロタ場
ゴロタ場にもウツボが生息しています。
ただし、少し投げないといけないうえに、石と石の隙間にオモリが入って根掛かってしまうことも少なくありません。
磯
磯はウツボ多いことで有名です。
しかし、足場が悪かったり、高波の危険があったりするため、無理に行く必要はありません。最低でもスパイクブーツとライフジャケットが必須です。
ウツボの実績がある場所4県
ウツボが実際に釣れた4県と場所をご紹介します。
- 神奈川県
- 静岡県
- 和歌山県
- 三重県
通える範囲でしたら、是非、足を運んでみてください。
神奈川県:湘南・小田原周辺
神奈川県の湘南あたりはウツボの魚影が濃いです。
小田原市付近の漁港であれば高確率でウツボがいます。
静岡県:伊豆周辺
伊豆の沿岸全域でウツボの実績があります。
- 熱海
- 下田
- 西伊豆
この辺りであれば、砂浜を除くほぼすべての場所でウツボを釣ることが可能です。トラウツボが釣れることも少なくありません。
和歌山県:日高・白浜周辺
日高郡から白浜周辺でウツボを多数釣っています。
この周辺の漁港であれば、まず間違いないです。
三重県:尾鷲周辺
尾鷲周辺もウツボの魚影が濃い場所です。
普通のウツボはもちろん、アミメウツボのような少し変わった種類も釣れます。
ウツボが釣りやすい季節と時間帯
ここでは、ウツボの釣りやすい季節と時間帯をご紹介します。
ウツボは年中釣れる!昼夜も問わない
ウツボは1年中釣れます。
特に釣りやすい時期は、5~11月です。
ただし、食味で考えると夏のウツボは臭みがあるので冬をおすすめします。
時間帯も昼・夜どちらでも安定して釣ることが可能です。
朝マヅメと夕マズメはアタリが多発します。
【うまい!】ウツボが釣れたら食べてみてほしい!
ウツボは釣って楽しいだけでなく食べてもおいしい魚です。
しっかりとしたうま味がありますし、身と皮の間にあるコラーゲンはプルプルとしていて食感も抜群。
ゲテモノ料理として扱われることも少なくありませんが、一度食べると認識が大きく変わります。
どんな調理法とも相性が良く、
- 蒲焼き
- 刺身
- たたき
- 唐揚げ
- 煮つけ
などでおいしくいただけます。
ただし、尾側は骨が非常に多いので食べにくいです。唐揚げや煮つけで骨に気を付けながら食べます。腹身は骨がないので、刺身やたたきに最適です。
まとめ:【簡単】ウツボ釣りを身近な漁港で楽しむ!手軽な仕掛け・釣れる場所をご紹介します
今回はウツボ釣りをご紹介しました。
- 引きが強く食味も抜群
- 仕掛けが簡単
- 漁港や堤防で楽しめる
釣りはもちろん、食の対象として非常に優秀な存在なので、ご興味をお持ちの方は挑戦してみてください。