金魚は丈夫な魚の代表格のような存在ですが、それでも死んでしまうことはあります。
「強い魚だから初心者でも大丈夫」といわれて飼ったのに上手くいかないと、
- 金魚が突然死してしまったけど原因がわからない
- 同じ水槽の金魚まで死んでしまわないか心配
- 新しい金魚を迎え入れてもまた死んでしまわないか不安
といった悩みや不安を抱えてしまうことも少なくありません。
そこで今回は、金魚が死んでしまう原因14選と対策をご紹介します。
金魚が死んでしまう原因がわかれば同じ失敗を防げますし、結果的に寿命をのばすことが可能です。
目次
金魚が死んでしまう原因14選と対策!
金魚が死んでしまう主な原因を14例ご紹介します。
対策も合わせて解説するので、再発防止に役立ててみてください。飼育する前に目を通していただくと、金魚の飼育の失敗を防ぐチェックリストにもなります。
水質悪化
汚れた水で長期間飼育すると、体調不良や病気につながり死んでしまうことがあります。
金魚は水質にうるさくない魚ですが限度があるため、水がひどく濁っていて臭いがしたり、底にゴミがたまっていたりなど、明らかに水質が悪化している環境は良くありません。
水槽の見た目だけはなく、金魚の動きや餌食いが悪くなることもあります。
- 2ヶ月以上水換えや掃除をしていない
- 金魚が食べ残すほど多くの餌を与えている
- 水槽の大きさに見合わない数の金魚を飼育している
といった場合は水質が悪化している可能性が高いです。
対策:定期的に水換えする
水質悪化には、定期的な水換えが一番効果的です。
「2週間~1ヶ月に1回」を目安に水換えしましょう。それでも水が汚れがちな場合は、1週間に1回にするなど水換えの頻度を高めます。
ただ、水換えの頻度は金魚の活性や水温によって変える必要があります。
- 水温が高い夏:1週間に1回
- 水温が低い春や秋:1ヶ月に1回
- 金魚が活動しない冬:水換えしない
といったように水が汚れやすい高水温の時期は頻度を高め、あまり汚れない低水温の時期は頻度を低くしましょう。
金魚水槽の水換えについては、こちらの記事をご覧ください。
≫金魚水槽の水換え方法と理想的な頻度・水量を解説!1ヶ月に何回がベスト?
カルキを抜いていない水道水で水換えする
水道水には魚に有害な塩素(カルキ)が含まれているため、そのまま使うと金魚に悪影響を与えます。
体調が良い金魚であれば耐えられる場合もありますが、体力がなかったり、弱ったりしていると死んでしまうことがあります。
対策:カルキ抜きを添加する
水換えに使う水道水には、「カルキ抜きを添加する」ようにしましょう。
バケツに水道水をためて、カルキ抜きを入れるだけで有害な塩素を除去できます。
水量に合わせたカルキ抜きの添加量は、容器に記載されています。
多量の水換えによる水質・水温の急変
一度に多量の水を換えると、水質や水温が急変してショック症状を起こす危険があります。
「pHショック」や「水温ショック」と呼ばれる症状で、死んでしまうことも少なくありません。
対策:1/3の水量を水換えする
金魚水槽の水換えは「1回に水槽の1/3程度の水量」を目安にして、水質が大きく変わらないようにしましょう。
また、バケツにためた水をすぐに使うのではなく、1時間ほど水槽の横に置いて水温を合わせることも重要です。
冬場で水槽用ヒーターを使っている場合は、給湯器などを活用して飼育水と水温を近付けた水で水換えします。
金魚水槽の水換えについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫金魚水槽の水換え方法と理想的な頻度・水量を解説!1ヶ月に何回がベスト?
30℃を大幅に超える高水温
金魚は適応できる水温の幅が広いため、35℃近い水温でも死んでしまうことはありません。
しかし、35℃付近が長期間つづくと消耗してしまいますし、40℃にもなると死んでしまう可能性が高まります。
対策:冷却ファンやすだれで水温の上昇を防ぐ
水温はすぐに下がるものではないため、先を見越して30℃を超えたあたりで高水温対策しましょう。
室内飼育では水槽用の「冷却ファン」がおすすめで、製品にもよりますが水温を3~4℃ほど下げる効果が期待できます。
屋外飼育の場合は、飼育容器に「すだれ」を被せることによって、通気性を保ちつつ日陰を作ることが可能です。
金魚の高水温対策や水温の上昇を抑えるアイテムは、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫【夏の金魚飼育】金魚水槽の暑さ対策12選!高水温や酸欠で弱らせない方法
低水温による冬越しの失敗と飼育水の凍結
金魚は屋外でも飼育できるほど低水温に強いため、10℃を下回る水温でも死んでしまうことはありません。
底の方でじっとして動かなくなる「冬越し」状態に入ることで、寒い冬を乗り切ります。
とはいえ、金魚の体力がなかったり、飼育水が完全に凍ってしまったりすると低水温に耐えられないことがあります。低水温が原因で死んでしまうケースは、屋外飼育で多いです。
対策:水位を維持する・断熱性の高い飼育容器やフタ・水槽用ヒーターを活用する
屋外飼育の場合は飼育水を底まで完全に凍結させないために、足し水して水位を維持しましょう。
水面が凍るだけなら金魚は底の方でじっとしているので、死んでしまうことはありません。
また水温をできるだけ下げないために、断熱性の高い発泡スチロール素材の飼育容器を使ったり、フタをしたりする方法も効果的です。
冬越しは低水温対策と金魚の体力が重要なので、「秋のうちに餌をしっかり与えること」も欠かせません。
室内飼育の場合は、金魚が死んでしまうほど冷え込むことがないため、低水温や飼育水の凍結を心配することはありません。
とはいえ金魚が小さい幼魚だったり、病み上がりだったりなど、体力のない個体であれば水槽用ヒーターを使う方が安全に冬越しできます。
金魚飼育の低水温対策と冬越しの準備、おすすめの水槽用ヒーターは、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫冬の金魚飼育と冬越し方法!冬眠中に世話をすると逆効果って本当?
≫秋の金魚飼育のコツを9・10・11月ごとに解説!餌やりと水換え頻度は水温で変える
≫【選び方】金魚におすすめのヒーター6選!30・45・60cm水槽ごとに解説
水合わせなしで金魚を水槽に入れる
金魚を水槽にそのまま入れると、pHショックや水温ショックによって死んでしまうことがあります。
金魚がいる水と水槽の水では、水質と水温が大きく異なることが原因です。
対策:正しい手順で水合わせする
金魚を水槽に入れるときは、必ず「水合わせ」しましょう。
水合わせは、新しい水に金魚を慣れさせる作業で、具体的な手順は次のとおりです。
- 袋に入った金魚を水槽に30分ほど浮かべて水温を合わせる
- 袋からバケツに金魚を移す
- ソフトチューブを使って水槽の水をバケツに少しずつ入れる
- バケツの水が2倍になったら金魚を網ですくって水槽に放す
水槽の水を少しずつ入れることで、水質を急変させずに金魚を慣れさせることができます。
水合わせの方法や必要な飼育用品は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫【熱帯魚やメダカ】簡単で魚にやさしい水合わせ方法!pHショックの危険性も解説
立ち上げたばかりの水槽に金魚を入れる
立ち上げたばかりの水槽の水は、実は金魚に適していません。
金魚のフンや餌の食べ残しから発生するアンモニア・亜硝酸(あしょうさん)といった有害物質を分解してくれる細菌の「バクテリア」がいないためです。有害物質がたまると中毒症状を起こして死んでしまうことがあります。
立ち上げたばかりの水槽に金魚を入れても必ず死んでしまうわけではありませんが、リスクがあることは確かです。
対策:水槽を設置してから1週間待って金魚を入れる
バクテリアは自然発生するので、1週間ほど待ってから金魚を水槽に入れましょう。
金魚水槽の立ち上げ方と具体的な手順については、こちらの記事をご覧ください。
≫金魚水槽の立ち上げ方と作り方 | 水槽設置から金魚を泳がせる1~12の詳しい手順
酸欠
酸欠は水中の酸素が少ない状態で、長期化すると金魚が死んでしまうことも珍しくありません。
酸素は水温が高いほど水中に溶け込みづらくなるため、水温が上がりやすい夏はとくに酸欠になりやすいです。
金魚が水面付近で口をパクパクしていたり、明らかに動きが鈍かったりする場合は酸欠を疑いましょう。
酸欠の症状は、1匹だけでなく水槽全体の金魚に現れることが多いです。
対策:エアレーションする
酸欠は水中に溶け込む酸素を増やすことが解決策になるので、「エアレーション」が最適です。
ソフトチューブを使ってエアーポンプとエアーストーンを接続することで、エアレーションできます。
エアーストーンの代わりに投げ込み式フィルターを接続すると、酸素供給だけでなくきれいな水質維持にも役立ちます。
餌のやり過ぎ・不足による餓死
餌はやり過ぎても不足しても金魚の健康に悪影響です。
頻度や量が多ければ消化不良・水質悪化で体調をくずしやすくなりますし、少なければ餓死につながります。
対策:1日2回、2~3分程度で食べ終わる量を与える
金魚の餌やりは「1日2回、2~3分で食べ終わる量」を目安にしましょう。
あくまで目安なので、食べ終わる時間が多少変わっても問題ありません。
ただ、金魚は水温が下がると餌食いが悪くなるため、「季節に合わせて餌やりの頻度を変える」ことも重要です。
- 水温が低い春先や晩秋:1日1回
- 水温が上がる夏:1日2回
- 低水温から水温が上がらない冬:餌やりをしない
金魚の餌やりについては、こちらの記事をご覧ください。
≫金魚の餌やりは1日何回がベスト?餌の頻度・量と与える時間帯について【季節で変わる】
病気
症状にもよりますが、「病気」は金魚が死んでしまう原因の1つです。
金魚がかかりやすい病気と症状は次のとおりです。
- 白点病:体表やヒレに白い点が現れる
- 水カビ病:体に白い綿状のカビが付着する
- 尾ぐされ病:尾びれが溶けたようにボロボロになる
病気は初期ほど改善しやすいですが、症状が進んだ状態では死んでしまうことも少なくありません。
対策:病気を特定して薬浴する
病気の治療は、魚病薬を使った薬浴が効果的です。
- 白点病:メチレンブルー
- 水カビ病:グリーンFリキッド
- 尾ぐされ病:グリーンFゴールド
病気によって、効果的な魚病薬が異なる点には注意しましょう。
魚病薬の使用方法や適切な濃度は、容器や説明書に記載されています。
水槽の近くで殺虫剤を使用
水槽がある生活に慣れない時期にやってしまいがちですが、水槽の周辺で殺虫剤を使うと体力のない小さい金魚や弱っている個体が死んでしまうことがあります。
とくに「ワンプッシュで落とす」タイプは強力なので危険です。
対策:水槽周りでは殺虫剤を使わない
水槽周りでは、意識して殺虫剤を使わないようにしましょう。
同じ部屋でも水槽から離れていれば使っても問題ありません。ただ、ワンプッシュタイプなど強力なものを同室で使うことはおすすめしません。
餌用の弱い和金だった
和金に多いケースですが、入手した時点で弱い個体の可能性があります。
安価な和金は大型魚などの餌として大量に飼育されていることが少なくないため、飼育用として管理されている金魚よりも弱いことがあります。
そのような金魚をいきなり夏の高水温や冬の低水温で飼育すると、死んでしまう可能性が高いです。
対策:水温変化の少ない環境で体力を付けさせる
餌用として管理されている可能性が高い和金の場合は、「負担の少ない環境で飼育して様子を見る」ことが重要です。
- 水槽用冷却ファンやヒーターを使って水温を安定させる
- 大きな金魚と一緒に飼育しない
など、飼育環境に配慮してあげましょう。1ヶ月もすれば体力がつきます。
≫【厳選】飼いやすい金魚5選!初心者におすすめの簡単に飼育できる種類と特徴
寿命を迎えた
金魚の寿命は長くても10~15年ほどなので、長期間飼育していると寿命を迎えることがあります。
対策:なし
寿命は必ず訪れるもので、長期間飼育できた証拠でもあります。
飼育方法が間違っているわけではないため、次に迎える個体も同じように大切に飼育してあげてください。
金魚が死ぬ前兆に気付いて予防することが大切
金魚が死んでしまった場合は、原因と対策を知って次の飼育に活かす他ありません。
とはいえ、死んでしまう前であれば改善できるケースもあるため「前兆に気付いて予防すること」が大切です。
- 底や水面で動かなくなる
- 餌を食べない
- 体表やヒレに異常が現れる
といった「金魚の体調不良のサイン」を見逃さないようにしましょう。
金魚の体調不良や異変は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫金魚が動かない10の原因!底や水面でじっとして元気がないときの対策
まとめ:金魚が死んでしまう原因14選と対策!死因を知れば2度目の突然死は防げる
今回は、金魚が死んでしまう原因14選と対策をご紹介しました。
金魚も生き物なので、飼育していると死んでしまうことはあります。
しかし、原因と対策がわかれば同じ失敗をせずに済むことも少なくないので、今後の金魚飼育に活かすようにしてください。