スカートのような大きな尾ビレをヒラヒラとなびかせ、カラフルな体で忙しそうに泳ぐグッピー。
アクアリストに人気で、子供たちにも好かれる熱帯魚です。そんな可愛らしい姿に、飼ってみたくなった方も多いのではないでしょうか。
飼育自体は簡単ですが、必要なものや餌など、飼い方を知っておくことでスムーズに飼い始めることができます。
今回は、グッピーの飼い方を熱帯魚飼育13年の経験をもとに解説します。
目次
グッピーは飼育・繁殖が簡単なおすすめの熱帯魚
グッピーは飼育が簡単な熱帯魚ですが、大きさや食性を知ることで最適な水槽サイズや餌が選びやすくなります。
ここでは、グッピーの特徴と種類、生体についてご紹介します。
特徴と大きさ・種類について
グッピーは、南米原産の熱帯魚で大きさは3~5cm程度です。
流通しているものには国産と外国産がありますが、そもそもグッピーは品種改良された魚ですので、違いとしてはどこで養殖されたかというところです。
ホームセンターのペットコーナーなどでは特に書かれていないものの、外国産の可能性が高いです。
とはいえ、外国産だからと言って見た目が綺麗でないということはありませんし、ショップで購入する際は店員さんが選ばせてくれることも多いので、気に入ったものを購入すれば良いとでしょう。
グッピーの種類について、細かい単位では数十種類ありますが、人気種は以下になります。
- グラスグッピー:ブルー、レッド、イエローなど、尾ビレがはっきりとした鮮やかな種類
- タキシードグッピー:白ベースの体色が特徴
- モザイクグッピー:尾ビレがぼんやりしたモザイク柄
- コブラグッピー:名前のとおり蛇のような細かい柄が尾ビレだけでなく体にもある
生態
グッピーはあまり同じ場所にじっとしておらず、水槽内を忙しく動き回っていることが多いです。
メダカなどと同様に人工餌や藻類をよく食べます。また、卵ではなく直接稚魚を産む卵胎生(らんたいせい)なので、容易に繁殖します。
グッピーの飼い方を完全解説!ベストな水質と飼育に必要なもの・餌
ここからは、グッピーの飼い方を実際の飼育方法を交えつつ、具体的にご紹介していきます。
水質や水槽サイズ、餌など、飼育に欠かせないことを解説するので参考にしてみてください。
熱帯魚の飼育に必要なものは、こちらの記事でも詳しく解説しています。
≫【手間いらず】熱帯魚の飼育に必要なものと失敗しない飼育用品の選び方
飼育に最適な水温と水質
グッピーの飼育で推奨するpH値は、7.5前後です。
pH値は7が中性なので、弱アルカリ性となります。とはいえ、水質にうるさい魚ではないため、弱酸性~弱アルカリ性の範囲であれば問題なく飼育可能です。
最適な水温は、22~26℃となります。安価で販売されている26℃固定のヒーターでも元気に生きています。
水槽サイズは30~60cmがおすすめ
グッピーの成魚の場合は、30cm水槽なら最大10匹、60cm水槽なら最大30匹で考えておくと良いでしょう。
ただし、グッピーは繁殖により増えていく可能性があります。
オスとメスを一緒に飼育する場合は、稚魚が産まれて過密になってしまうことを考慮して、水槽サイズを余裕のある大きさにする、もしくは匹数を抑える方が良いです。
健康的に成長させられる餌
グッピーは水面付近にいることも多く、簡単に水面の餌を食べることができます。
わざわざ沈むタイプの餌にする必要はなく、水を汚しにくい浮上性の餌が良いでしょう。
おすすめの餌は、「ひかりクレスト グッピー」です。
軽くて水面に浮くタイプですので、底面に落ちる前にグッピーたちが食べることができます。
グッピーに合った底砂
先ほどご紹介したとおり、グッピーは弱アルカリ性の水質を好みます。
その水質に合った底砂でもっとも有名なのは「大磯砂」です。
大磯砂は貝殻の破片が混入していることがあり、それが水質を弱アルカリ性に傾ける働きをします。
「ソイル」は水質を酸性に傾ける性質があるため、飼育だけを考えるなら使わない方が無難です。
もしくは、水質に影響を及ぼさないセラミック素材の底砂であれば問題ありません。
照明の選び方
グッピーは昼行性ですので、照明があった方が良いです。
照明が当たる時間を1日8~10時間程度、規則正しく当てることでグッピーの美しさを保つことができます。
特殊なものではなく、一般的な照明で十分飼育できるので正しい照明時間を意識して運用することを心がけましょう。
グッピーは混泳できる!
グッピーは、積極的に魚を食べる肉食性ではありませんし、攻撃性が強いわけでもないため、混泳させやすい熱帯魚です。
グッピー同士と他の熱帯魚との2パターンに分けて、混泳方法についてご紹介します。
グッピー同士の混泳は問題なし
グッピー同士の混泳は、基本的に問題ありません。
考慮することはサイズです。
グッピーは親であっても産まれたばかりの稚魚を食べてしまうことがあるので、生後1ヵ月ほど経ってから混泳させるようにしましょう。
他の熱帯魚との混泳はグッピーを食べない・攻撃しないことが条件
グッピーを他の熱帯魚を混泳させたい場合は、魚の大きさをよく見て、食べられない(口に入らない)種類にしましょう。
他にも、
- プレコ
- オトシンクルス
- コリドラス
- エビ(ミナミヌマエビやヤマトヌマエビなど)
といった生体は、泳いでいるグッピーに襲いかかることはないので混泳可能です。
一方で、サイアミーズフライングフォックスやエンゼルフィッシュは、追いかけ回して尾ビレを傷付けたり、口に入るものは食べてしまうこともあるので混泳は避けた方が良いです。
≫ネオンテトラの飼い方とベストな製品選び!水槽サイズ・餌・混泳相手の選び方
≫カージナルテトラの飼い方と育て方!実例つきで飼育環境と混泳方法をご紹介します
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グッピーの繁殖方法を解説
グッピーは、熱帯魚のなかでも簡単に繁殖できる種類です。
オス・メスの違いは比較的分かりやすく、以下の点で見分けられます。
- 尾ビレが大きく色が美しい
- しりビレが尖っている
- 成熟したサイズは3~4cm
- お腹が大きく色はオスよりも派手ではない
- しりビレは丸く広がっている
- 成熟したサイズは5~6cm
グッピーは卵胎生(らんたいせい)の魚で、卵を産まずにメスの体内でふ化させてから産みます。
繁殖力が強く、水草や流木など隠れ家となる場所が多い水槽であれば、何もしなくても勝手に増えていることも少なくありません。
チェックポイント
繁殖を促進したい方は、日々水槽をよく見て、稚魚を見つけたら親や他の成魚に食べられないよう早めに隔離しましょう。水槽にセットするサテライトの飼育ボックスも販売されているので、稚魚を隔離したいときにおすすめです。
サテライトの設置が難しい場合は、水草や流木など隠れ家となるものを入れてください。
餌は1日に3回ほど、稚魚用の人工飼料を少量与えます。
1ヵ月ほどで他のグッピーに食べられない程度の大きさになり、オス・メスの区別も付くようになります。3ヵ月程度になると繁殖が可能です。
繁殖が容易・成長が早いということは、それだけ早く過密になり水が汚れやすくなるとも言えるので、注意して飼育してください。
グッピーを入手するならアクアショップ!手軽なのは通販
グッピーは種類にこだわりがなければ、「売っていないお店はないのではないか?」というぐらい、入手しやすい熱帯魚です。
アクアショップをはじめ、ホームセンターやインターネット通販で入手できます。
通販で購入する場合は、国産・外国産やオス・メスと分けて販売されているので、個体までは選べなくとも豊富な種類の中から手軽に購入することができます。
また、お店で購入する際も、オスやメスだけ、もしくはペアで購入のどれにするか決める必要があります。
繁殖を考えていない場合は、ペアで購入するのは避けましょう。
通販で熱帯魚や飼育用品を入手するときの注意点と安く買う方法は、こちらの記事で解説しています。
≫熱帯魚・メダカ・金魚・飼育用品を通販で買うときの注意点 | 失敗せず安く購入する方法
まとめ:グッピーの飼い方を完全解説!飼育に必要な物と餌・混泳・繁殖方法のすべて
今回はグッピーの飼い方を解説しました。
グッピーは、飼育だけでなく繁殖させやすい熱帯魚なので、ぜひ、挑戦してみてください。
カラフルな成魚やたくさんの稚魚が泳ぐにぎやかな水景を楽しみたい方には、特におすすめの魚です。