メダカは飼育するだけでも楽しい魚ですが、観賞魚なので「体色を濃く・きれいにしたい」という人は多いです。
とはいえ、飼育方法と違ってメダカの体色を濃くする方法はあまり一般的ではないため、
- 体色を濃く鮮やかにする方法はある?
- 色が揚がる餌ってどれ?
- 手間をかけずに色揚げに挑戦できる?
といった悩みも少なくありません。
そこで今回は、体色が変わる理由をふまえて、メダカの色が濃く・キレイになる6つの色揚げ方法をご紹介します。
メダカの色揚げができれば日々の観察がより楽しくなりますし、SNSや販売目的の写真を撮る際にきれいに見せることもできます。
目次
メダカの色は「色素胞」で決まる
メダカの色揚げについて考えるためには、「体色が決まる理由」を知っておくことが重要です。
体色は、ウロコに存在する色素胞(しきそほう)の種類と現れ方で決まります。
メダカが持っている色素胞は次の4つです。
- 黒色素胞
- 黄色素胞
- 白色素胞
- 虹色素胞
基本的にそれぞれの色素胞が体色を決定していますが、組み合わせによっても変わります。
たとえば、
- ヒメダカ:黒色素胞がない
- 白メダカ:黒・黄色素胞がない
- 青メダカ:黄色素胞がない
- 幹之メダカ:体や背中に虹色素胞がある
- ラメ:虹色素胞が点在している
といったように、色素胞のある・なしが体色に影響します。
ちなみに虹色素胞は色があるわけではなく、光を反射することで輝いて見えます。
ここで「メダカは赤色素胞を持っていないのに、楊貴妃メダカなどが赤いのはどうして?」という疑問が浮かぶかもしれませんが、メダカの赤色は黄色素胞が濃く現れたり、他の色素胞の組み合わせによって赤く見えたりしているためです。
メダカの色が濃く・キレイになる6つの色揚げ方法!
ここからは、メダカの色を揚げる6つの方法をご紹介します。
- 周囲の環境に合わせて色を変える
- 餌の成分が影響する
- 遺伝によって色の出方が変わる
といったメダカの色が揚がる理由をふまえて解説するので、ご覧になってみてください。
黒い飼育容器で飼う
メダカは黒い飼育容器で飼うと、はっきり色が濃くなります。
黒い飼育容器にするだけで色揚げになるのは不思議に思うかもしれませんが、これは「保護色」が関係しています。
周囲の環境に合わせて体色を変えることです。黒や茶色、青色など、濃い色合いの場所では体色が濃くなる一方で、白や透明といった場所では薄くなります。
保護色は外敵に見つかりづらくするためにメダカが持っている能力ですが、これを色揚げに利用しています。
SNSの投稿や販売用の写真を撮るときに黒い容器に入れるのは、保護色が現れやすいことが大きな理由です。
黒が一番効果的ですが、濃い茶色や青色の飼育容器でも体色が揚がります。屋外では黒い飼育容器、室内飼育ではブラック水槽がおすすめです。
黒や茶色の底砂を敷く
保護色は飼育容器だけではなく、底砂にも影響されます。
黒や茶色の底砂にすることで、体色が濃くはっきりします。
メダカにおすすめの底砂は、こちらをご覧ください。
≫メダカ飼育におすすめの底砂と選び方 | 室内・屋外向きの種類や砂利とソイルの使い分け
黒いバックスクリーンを使う
ブラック水槽を入手するのが難しい場合は、「黒いバックスクリーンを貼る」方法が手軽でおすすめです。
水槽の背面に貼るだけで、ブラック水槽と同じ効果が期待できます。安価で取り外しできるのも嬉しい点です。
色揚げ用の餌を与える
メダカの色揚げに効果的な「カロチノイド」などの成分が含まれている餌を与えることで、体色を濃く・きれいにする方法です。
アクアリウムメーカーがメダカの色揚げ目的で開発した人工飼料を与えます。ヒメダカや朱赤系のメダカにとくに効果的で、色揚げに特化しているからといって餌食いが悪いこともありません。
生き餌では、ブラインシュリンプが色揚げ効果があります。
メダカの色揚げ用の餌は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫【完全版】メダカにおすすめの餌20選!成魚・稚魚ごとにベストな餌を追求しました
グリーンウォーターで飼育する
メダカの飼育水として使うことがある「グリーンウォーター」には色揚げ効果があります。
グリーンウォーターは植物プランクトンが繁殖して緑に色付いた水ですが、植物プランクトンはメダカにとって良い餌です。
グリーンウォーターを飼育水にすることで常に栄養がとれる環境になるので、色つやが良くなります。
グリーンウォーターは、
- クロレラを飼育水に添加する
- 日光の当たる場所に水を1~2ヶ月ほど置く
といった方法で作ることができますが、かかる時間を考えるとクロレラを使う方法がおすすめです。
グリーンウォーターは色揚げに効果的な反面、水が緑色になることでメダカが観察しづらくなる点には注意しましょう。
グリーンウォーターの特徴や作り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫メダカの栄養水!グリーンウォーター(青水)を簡単・早く作る方法【実例あり】
メダカに最適な飼育環境を整える
健康的であればあるほど、メダカの色は良くなります。
- 栄養バランスを考えて餌やりする
- 日光を当てる
- 定期的に水換えする
- 過密飼育しない
など、基本的なことですが色揚げには欠かせません。環境が整っていると体色はもちろん、体格やツヤなども良くなるので、総合的にきれいなメダカに見えます。
≫メダカの餌やりは1日何回がベスト?理想の回数・量と餌の与え方を解説します
繁殖期には色が揚がる
メダカは繁殖期になると、色が揚がります。
婚姻色(こんいんしょく)と呼ばれるもので、繁殖活動をしていない時期よりも体色が濃くなります。
婚姻色を目的に、オスとメスのペアで飼育するのも色を揚げる方法の1つです。
繁殖を繰り返して色鮮やかにする
繁殖を繰り返して、鮮やかなメダカを作出することもできます。
現在飼育しているメダカをきれいにするわけではなく、品種改良によって子や孫、さらにその後の世代で濃く・きれいな体色を作り上げます。
メダカの繁殖方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫メダカを繁殖・産卵させる7つの方法!水温と日照時間の調整が必須条件です
メダカの色揚げには限度がある
メダカは、色揚げすれば必ずきれいになるわけではなく限度があります。
それは「遺伝によって体色が決まっている」ためです。遺伝的に体色が薄いメダカを色揚げしても、大きな効果は期待できません。
まとめ:メダカの色が濃く・キレイになる6つの色揚げ方法!飼育容器・餌・環境が体色を決める
今回は体色が変わる理由をふまえて、メダカの色が濃く・きれいになる6つの色揚げ方法をご紹介しました。
メダカは保護色や餌の種類、健康状態によって体色が変わるので、
- 黒い飼育容器で飼う
- 色揚げ用の餌を与える
- 最適な飼育環境を整える
といったことが色揚げに効果的です。観賞目的で飼育したり、SNSや販売用に写真を撮ったりする場合に、ぜひ、実践してみてください。