- 餌を食べずにジッとしたり泳いだりしている
- 口にしても吐き出してしまう
- あまり食べず痩せ気味で元気もない
選り好みせず口にすることが多い金魚が餌を食べないと、心配になるのも無理はありません。
「餌を食べること」は金魚が生きるために欠かせない行動です。それをしないのは必ず原因があります。
ここでは、金魚が餌を食べない6つの原因と対処法を紹介します。
餌を口にしない現状に対して、すぐに対処した方が良いのか、待てば自然に食べ始めるのか「緊急性」を判断することが可能です。合わせて対処法も紹介するので、痩せたり、栄養不足で弱ったりすることを防げる可能性が上がります。
金魚が餌を食べない原因6選と対処法!
金魚が餌を食べない原因は次の6つです。
- 水槽の環境に慣れていない、緊張している
- 食べ慣れていない餌を与えている
- 水温が10℃以下もしくは35℃以上になっている
- 水が汚れて活性と食欲が落ちている
- 体調不良や病気の初期症状
- 他の金魚にいじめられストレスを受けている
現在の飼育環境や金魚の状態と照らし合わせてみて、可能性が高いものから対処することをおすすめします。
水槽の環境に慣れていない・緊張している
金魚が環境に慣れていないと、緊張で餌を食べなくなります。
たとえば、次のようなケースです。
- 水槽に入れた当日
- 水換えや掃除した直後
- 新しい金魚や生体を入れた直後
周囲の変化に驚いて警戒している状態なので、餌を食べないのも無理はありません。
対処法:数時間から2日ほど様子を見る
不慣れな環境で餌を口にしないのは金魚に限ったことではなく、他の魚種でもよくあることです。
早ければ数時間、遅くとも2日ほど経過すれば落ち着いて、餌も食べ始めるので様子を見ましょう。
≫金魚の餌やりは1日何回がベスト?餌の頻度・量と与える時間帯について【季節で変わる】
食べ慣れていない餌を与えている
普段食べ慣れている餌から別のものに切り替えた際に口にしなくなったり、吐き出したりする場合があります。
とくに金魚の飼い始めでは、ショップにいたときに食べていた餌と自宅で与えているものが違うことで、食べなくなる個体がいます。
対処法:数日様子を見る・金魚の購入時に与えている餌を聞く
新しい餌に慣れていないことが原因なので、少量の餌を2~3日与えて様子を見ましょう。
食べない場合は、水が汚れてしまうため食べ残しを網ですくって除去します。
時間をかけて食べ慣れれば口にすることがほとんどですし、お腹が空くことで自然と食べ始めるケースも多いです。
≫【厳選】金魚におすすめの餌7選!体型・成長・コスパ・色揚げに特化した餌の選び方
水温が10℃以下もしくは35℃以上になっている
金魚は水温が下がると活性が落ちる“変温動物”なので、低水温では餌を食べなくなります。
11~12月頃に金魚が餌を口にしなくなったら低水温を疑いましょう。目安としては水温が15℃前後で餌食いが鈍り、10℃前後になると食べなくなることがほとんどです。
餌への反応だけでなく、ゆっくり泳ぐようになったり、底の方でジッとするようになったりするのも低水温のサインです。
一方で35℃以上の高水温は金魚にとって厳しい環境なので、35~40℃近い水温では餌を食べなくなる場合があります。
対処法:水槽用ヒーターや冷却ファンなどで水温管理する
低水温で餌を食べない場合は、「水槽用ヒーターを使って水温を一定に保つ」方法がおすすめです。
とはいえ、水槽用ヒーターは月に1,000~1,500円ほど電気代がかかるため、費用が気になる場合はそのまま「冬眠させる」方法があります。
水温が低いとジッとして活動しなくなり冬眠に入りますが、動かないことで生きるために必要な栄養も少なく済むため、餌を食べずに春を迎えることができます。
水槽用ヒーターを使うか冬眠させるか迷う場合は、
- 冬でも元気に泳ぐ金魚を観察したい:水槽用ヒーターを使う
- 金魚飼育にかかる電気代を抑えたい:冬眠させる
といった選び方がおすすめです。
一方で高水温が原因で餌を食べない場合は、「水槽用冷却ファン」がおすすめです。
風で気化熱をうながすことで、製品にもよりますが3~4℃ほど水温を下げる効果が期待できます。
屋外飼育では、「すだれ」を使って通気性を確保しつつ強い日差しを遮ると良いです。
金魚の低水温や高水温対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫冬の金魚飼育と冬越し方法!冬眠中に世話をすると逆効果って本当?
≫【選び方】金魚におすすめのヒーター6選!30・45・60cm水槽ごとに解説
≫【夏の金魚飼育】金魚水槽の暑さ対策12選!高水温や酸欠で弱らせない方法
水が汚れて活性・食欲が落ちている
汚れた水で飼育すると、金魚の食欲が落ちることがあります。
金魚にとっての水は、人で例えるなら空気と同じようなものなので、汚れていると活性が落ちて餌への反応が鈍ります。
また水質の悪化は、食欲の低下だけでなく病気につながることも少なくありません。
対処法:水換えする
金魚が餌を食べなかったり、反応が悪かったりすると同時に、
- ひどく濁っている
- 臭いがする
- 水面に油膜が張っている
- 底にゴミがたまっている
など水が明らかに汚れている場合は、その場で水換えしましょう。
水質の悪化が原因であれば、これだけで改善する可能性が高いです。
金魚の食欲や活性を維持するためにも、「2週間~1ヶ月に1回」ほどのペースで定期的に水換えすることをおすすめします。
≫金魚水槽の水換え方法と理想的な頻度・水量を解説!1ヶ月に何回がベスト?
体調不良や病気の初期症状
体長不良や病気の初期症状が表れている金魚は、餌を食べないことが多いです。
「餌を食べられるほど元気がない状態」なので、早めに対処する必要があります。
対処法:水換えと塩水浴・薬浴する
水質の悪化や病気でも軽度であれば、水換えで水質を改善すれば回復することもあります。
水換えで改善しなかったり、白点や白濁・荒れなど金魚の体やヒレに病気の症状が現われていたりする場合は、「塩水浴」や「薬浴」を検討しましょう。
塩水浴は、0.5%の塩水で飼育することで金魚の回復力を高める方法です。薬浴は、魚病薬を添加して病気を治療する方法で、症状から病名が特定できている場合に効果的です。
金魚がかかりやすい病気と症状、効果的な魚病薬は以下をご覧ください。
病名 | 症状 | 魚病薬 |
---|---|---|
白点病 | 体やヒレに小さな白い点が現れる | メチレンブルー |
水カビ病 | 体表に綿毛のようなカビが付着する | ニューグリーンF |
尾ぐされ病 | ヒレが白く濁る、傷付く | グリーンFゴールド、エルバージュエース |
用量や用法は魚病薬によって異なるため、製品の梱包箱や説明書に記載されている手順で薬浴するようにしてください。
塩水浴の効果と方法は、こちらのメダカの記事で詳しく解説しています。魚種は異なりますが、必要な塩の量や手順はまったく同じです。
≫【実例付き】メダカの塩水浴の方法と塩水の作り方 | 回復までの期間と元の水槽への戻し方とは
他の金魚にいじめられストレスを受けている
他の金魚から頻繁にいじめられたり、追いかけられたりしているとストレスで餌を食べないケースがあります。
おびえて逃げることを優先しているので、餌への反応は良くありません。
水槽を観察して、餌を食べていない金魚がいじめられていないか確認することが大切です。
対処法:水草や石など隠れ家を増やす
追いかけられても身を潜められる「隠れ家」を用意しましょう。
水草や石などを入れることで隠れ家になりますし、お互いの視界を遮るためケンカの頻度を下げることも期待できます。
とはいえ気の強い個体は、それでも頻繁に追いかけることがあるので、いじめがひどい場合には弱い個体を一時的に隔離することも検討してください。
いじめが長期化すると、消耗して死んでしまう可能性があるためです。
≫金魚におすすめの水草9選!繁殖力が高い&食べられない種類選びが重要
金魚が餌を吐き出す・痩せるなら冷凍餌や生き餌を与えてみる
金魚が餌を吐き出したり、食べているのに痩せ気味だったりする場合には「冷凍餌」や「生き餌」がおすすめです。
- 冷凍餌:赤虫やイトミミズ、ミジンコなどを冷凍したもの
- 生き餌:生きた状態の赤虫やイトミミズ、ミジンコなど
赤虫やイトメ、ミジンコなどは嗜好性が高く金魚がよく食べます。タンパク質が豊富で栄養価も高いため、より大きく育てたい場合に与えることが多い餌です。
ただ生き餌は、生きた状態で保管する必要があり手間もかかるため、面倒な場合は冷凍餌が向いています。
金魚におすすめの餌については、こちらの記事もご覧ください。
≫【厳選】金魚におすすめの餌7選!体型・成長・コスパ・色揚げに特化した餌の選び方
まとめ:金魚が餌を食べない原因6選と対処法!吐き出す・痩せる金魚にできること
今回は、金魚が餌を食べない6つの原因と対処法を紹介しました。
金魚は飼育環境や体調によって餌を食べなくなることがありますが、原因を特定して対処すれば1~3日程度で改善することも少なくありません。
水槽の環境に慣れていなかったり、新しい餌を食べ慣れていなかったりする場合は時間が解決してくれることがほとんどですが、
- 水温が35℃以上になっている
- 水が汚れて活性と食欲が落ちている
- 体調不良や病気の初期症状
- 他の金魚にいじめられストレスを受けている
といった場合は、判断が送れると金魚の命に関わるため早めに対処しましょう。