大会経験者がグレのフカセ釣りを完全解説!釣り方や場所の選び方・季節ごとのコツ

グレは真下に突っ込む強烈な引きが魅力的で、食べても美味しいことからフカセ釣りファンの間では人気のターゲットとなっています。

釣りメーカーが主催するグレ釣り大会の地区予選は、毎回定員オーバーするほど熱いジャンルです。

釣り雑誌の表紙や釣り番組に取り上げられることも多いメジャーな釣りのため、フカセ釣りをやってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

とは言え、いざやってみたいと思えば、

  • グレが釣れる場所はどこ?
  • フカセ釣りの釣り方は?
  • 釣りやすい季節はいつ?

といった疑問が出てくるでしょう。

そこで、今回はグレを年中狙っているフカセ釣り歴13年の経験をふまえて、グレのフカセ釣りを完全解説します。

グレの生態をもとに、場所選びから釣りやすい季節、状況に合わせた釣り方を詳しく説明します。

田口竜也
グレ釣り全国大会の経験もあるので知識は豊富にあります。是非とも参考にしてみてください。

グレのフカセ釣りの手順

フカセ釣りは釣り始めるまでの準備がとても多いです。

私がおすすめする手順を解説しますので、参考にしてみてください。

グレのフカセ釣りに必要な道具を知りたい方は、こちらからご覧ください。

1:タモを用意する

道具が多いフカセ釣りでは、風で道具が飛ばされることがよくあります。

海に道具が落ちてしまってもすぐに回収出来るようにタモは最初に用意しましょう。

2:海の状況を見る

潮がどのように動いているのか、波を被っている危険な場所はないかなど、海の状況を見ましょう。

安全が確認できたら、釣り座を構える場所をある程度決めておきます。海の状況確認は、後ほどご紹介する仕掛け作りに大きく影響します。

3:撒き餌を作る

撒き餌はグレを寄せるために欠かせないものです。

撒き餌ができ上がったら、

  • どんな魚がいるのか
  • グレはどの場所から出てくるのか

など、撒き餌を撒いて観察することが大切です。特にグレが出てくる場所は隠れ家になっていることがあります。

釣果に直結しますのでしっかり見ておきましょう。

撒き餌の作り方や配合は、こちらの記事で詳しく解説しています。

4:仕掛けを作る

「仕掛け次第で釣果が決まる」といっても過言ではありません。

それほど仕掛け作りは大切です。

手順2で海の状況を見て判断して、自分が釣りやすくグレをヒットに持ち込める確率が高い仕掛けを選択しましょう。

グレのフカセ釣りに最適な仕掛けの作り方はこちらで解説しています。

5:釣り座を構える

準備が整ったらどの場所に釣り座を構えるか決めましょう。

その後に、

  • バッカン
  • タモ
  • タックル
  • 水汲みバケツ

などを持って行きます。

また、大物がヒットした時に備えて魚を取り込みやすい位置も決めておきましょう。ここで重要なのが、タモは取り込む位置の手の届く所に置いておくことです。

田口竜也
タモを離れた所に置いていればバラシの原因になります。

6:撒き餌を撒く

フカセ釣りの基本は足元にエサ取りを集め、沖で本命のグレを食わせることです。

まず、エサ取り用の撒き餌を足元にドカ撒きします。

エサ取りが撒き餌の周りに集まったら、本命ポイントに3杯ほど少なめの撒き餌を撒きます。

田口竜也
数匹必ず本命の撒き餌に気づいて沖に出ていこうとするので、もう一度足元にドカ撒きしてエサ取りをしっかり足止めしましょう。

ここでのポイントは、3つです。

  • 足元の撒き餌は大量に撒く
  • 足元と本命ポイントの間隔はエサ取りが沖に出ない程度空ける
  • 絶対に本命ポイントとの間には撒き餌をこぼさない
足元の撒き餌が少なければ本命ポイントの撒き餌にエサ取りが行きますし、少しでも撒き餌が本命ポイントとの間にこぼれれば沖の本命ポイントにエサ取りが必ず出ていきます。

7:仕掛けを投入する

本命ポイントに撒き餌を撒いたあと、もう一度足元にドカ撒きします。

全てのエサ取りの頭が撒き餌方向を向いたタイミングで、本命ポイントに仕掛けを投入しましょう。

本命ポイントの撒き餌の真上に被せるイメージで仕掛けを投入することが大切です。

8:追い打ち撒き餌を撒く

フカセ釣りの基本は撒き餌と仕掛けが同調(カモフラージュ)しながら一緒に流れることです。

そのためには、仕掛け投入後すぐに追い打ち撒き餌が必要になります。撒き餌は比重が仕掛けよりも軽いため、速く流れていきます。

追い打ち撒き餌の位置は潮の速さに合わせて、仕掛けよりも潮上(潮が流れてくる方向)に撒きましょう。

田口竜也
潮が緩ければ仕掛けの近くに、潮が速ければ仕掛けから離して撒きます。

仕掛けがなじんだときに撒き餌が合うようにイメージするのがポイントです。

9:仕掛けを流す

仕掛けは止めず緩めず潮のスピードに合わせて流しましょう。

ラインを止めてしまえば撒き餌と外れてしまいますし、入れたいタナまで入っていかず仕掛けが浮いてしまいます。

逆にラインを緩めすぎると魚のあたりもわかりませんし、ラインが潮に引っ張られて仕掛けが本命ポイントから外れてしまいます。

流し方のポイントは仕掛けが張る前に自ら繰り返しラインを出していくことです。

10:ヒットから取り込むまで

グレがエサをくわえたら、ウキが沈むか竿の穂先が持っていかれます。

あたりがあったら竿をあおってアワセます。

田口竜也
竿を立てしっかりと竿全体に重みをのせながらゆっくり引きましょう。

注意点は細いラインを使用しますので、力任せに引っ張るとグレが暴れ根に突っ込みラインが切れてしまうことです。

寄せる途中で強烈な突っ込みがあり耐えられない場合は、レバーブレーキリールの機能を使ってラインを出し体勢を整えましょう。根ずれ回避にもつながります。

足元まで寄せてきたらいよいよタモでの取り込みです。

グレの口を海面から出し空気を吸わせると暴れなくなります。タモを取りグレの頭からすくいタモにおさまったらラインを出してください。

グレは真下に突っ込むので自らタモに入ってくれます。一人で取り込む際は体勢が不安定で危険もあるので、焦らず落ち着いて取り込みましょう。

同行者がいる場合は一人で無理はせず頼ことも大切です。

グレのフカセ釣りにおすすめの場所を解説

グレは大きく分けて「尾長グレ」と「口太グレ」の2種類が存在します。

2種類のグレともに潮の流れがあり、沈み瀬や根がある場所を好みます。磯はもちろん、波止やテトラポットにも岩礁帯があればグレにとって住みやすい環境となります。

基本的に幼魚から30㎝くらいまでは内湾に群れで生息し大型になるにつれて、潮通しが良い沖に出ていく傾向があります。

ここでは、おすすめの釣り場である磯、波止、テトラポットに分けて特徴を解説します。

おすすめの場所:磯

グレは磯釣りの王者といわれます。

岩礁帯が複雑にからみ合う潮通しのいい「磯」に型、数ともに圧倒的に多いです。

田口竜也
尾長グレなら60㎝級、口太グレなら50㎝級を狙えるため、フカセ釣り師にとって夢があり魅力的な釣り場といえます。

グレだけでなく大型のさまざまな魚も潜んでいるため、幅広い釣りができるのも魅力の一つです。

とはいえ、磯はとても危険な釣り場なので初心者の方にはおすすめしません。ある程度経験を積んでからベテランの方と安全を考慮したうえで狙ってください。

おすすめの場所:波止

初心者の方はまず足場がいい「波止」からチャレンジしましょう。

小型のグレが数多く生息していてさまざまな魚種もいることから、フカセ釣りの基本を身につけるために最適な場所です。

また、口太グレは幼魚期に内湾で生息し居着いたまま大型になる個体もいるため、40㎝を超える良型も狙えます。

潮の動き、エサ取りの動き、グレの動きなど観察しながら釣ることが上達する近道になるでしょう。

おすすめの場所:テトラポット

「テトラポット」はグレの隠れ家となる隙間や穴が多いです。

幼魚期から居着いているグレが数多くいるため、フカセ釣りでは人気の場所です。とはいえ、テトラポットも大きさや形が場所によってさまざまで危険が伴うため、初心者の方にはおすすめしません。

田口竜也
波止釣りで基本を身につけた後で、比較的足場がいい四角いテトラポットからベテランの方と一緒にチャレンジしましょう。

釣り道具の置き場も限られるので、釣りがしやすい道具の置き場を見つけて行きましょう。釣り座の整理整頓が磯釣りに足を運んだ際に役立ちます。

グレのフカセ釣りに最適な季節と時間帯

グレは年中狙えることから、フカセ釣り師にとって人気のターゲットになっています。

また、時間帯も大きく釣果に結びつくポイントになります。

ここではグレの1年間の動き、そして最適な時間帯について詳しく解説していきます。

秋:家探し

グレは9月、10月になると周囲一面の海面がモワモワになるほどの大群で、沖の潮目でエサを捕食しながら生活します。

これを「湧きグレ」といいます。

湧きグレを見つけたら群れから離して仕掛けを投入して、潮にのせて水面直下でエサを運んでやるとヒットします。釣り方のポイントとしては撒き餌を撒くとビックリして散ってしまうので、撒かずに付けエサのみで釣ることです。

冬にかけて水温が下がってきたら食い気が一気になくなり、エサを見ただけで逃げて行くこともあります。

エサを求めるのではなく本格的に住みやすい場所を探しながら移動を始めます。

冬:体力をつける

秋に沖で生活しながら家探しをしたグレは、磯周りに住処を確保します。

住処が決まったら、春の産卵に向けて荒食いし体力をつけます。これを「寒グレ」といいます。

寒グレシーズンである12月~1月は1年でもっとも数、型ともに狙える時期です。秋に湧きグレが多かった磯ほど居着くグレも多い傾向にあります。

また、2月ごろの水温が低下する時期は、再び食いが渋くなりますがグレとの知恵比べをしながら釣るのも楽しみの一つです。沈み瀬ギリギリにフワフワとエサを落とす方法が効果的です。

春:産卵

冬に食い込んだグレは次第に群れを作り、その地域で最も潮通しのいい磯に移動します。

その回遊に運よく当れば大型グレが連発することも珍しくありません。

田口竜也
各地域で異なりますが、2月から5月に幅広く産卵します。3月は特に産卵の最盛期といえるでしょう。

産卵を終えたグレは一旦食いが落ちるので、3月から5月はおすすめの時期とはいえません。

6月頃の水温が上昇し始めるタイミングで再び体力を取り戻すために荒食いを始めます。これを「梅雨グレ」といいます。

梅雨グレも数、型ともに期待できるためおすすめです。

夏:エサを求め移動

夏の7月、8月になると浅い場所や潮通しのいい所に移動します。

本流などで流れてくるエサを海面ギリギリで捕食します。狙うならタナは浅くしてピンピンに糸を張って釣るのが効果的でしょう。

田口竜也
夏になると魚を観察するためよく海に潜りますが、砂浜の浅い場所でグレがフラフラと群れを作り泳いでいるのを目にします。ゴカイなどの虫エサを求めて砂浜に回遊してきているのです。

とはいえ、夏の海はとても暑くエサ取りも数多くいる時期なのでおすすめできる季節とは言い難いです。

最適な時間帯

グレは潮に敏感なため、潮が動かなければ活性は高くなりません。

グレを狙うなら潮が上げ潮から下げ潮、もしくは下げ潮から上げ潮のように潮が変わるタイミングが効果的です。

田口竜也
「下げ潮では食わなかったのに上げ潮が動き始めてから釣れ始めた」といったことがよくあります。やはり、グレは潮に大きく影響される魚だといえます。

また、狙い目として朝マズメ(日が昇るまで)と夕マズメ(日が沈み始めてから暗くなるまで)はとてもおすすめです。

基本的に夜は岩陰などにジッとしていて日が昇ると次第に沖を回遊する傾向があります。

マズメのタイミングは比較的磯の近くにいることが多いです。日が差していないことで釣り人の影ができないので、警戒心が薄れます。

良型グレが近距離に集まる時間帯でもあるので、朝マズメか夕マズメのどちらかは是非とも狙ってほしいです。

まとめ:大会経験者がグレのフカセ釣りを完全解説!釣り方や場所の選び方・季節ごとのコツ

ここで解説したフカセ釣りの手順、場所、季節、時間帯は基本的な一つのパターンです。

この内容を軸にして、自分なりにそれぞれパターンを発見していただければよりグレとの距離が縮まるでしょう。

1匹でも多く1㎝でも大きなグレとの出会いを求めてフカセ釣りを楽しんでください。

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