メダカを観察していると、追いかけたり、体当たりしている光景を目にすることがあります。
ときには「ピチャッ」と音がするほど激しいこともあるので、
- 追いかけて体当たりしているけど大丈夫?
- ケンカやいじめを防ぐ方法はある?
- 温和な性格なのになぜケンカするの?
など、心配になったり、なんとか防いだりしたくなる気持ちもわかります。
そこで今回は、いじめが起こる原因をふまえて、メダカ同士で追いかける・体当たりする「ケンカ」の対策をご紹介します。
ケンカやいじめはストレス・体調不良につながるので、対策するほうがメダカが健康な状態を維持しやすいです。
目次
メダカのケンカ・いじめとは
メダカがケンカ・いじめをしているかどうかは、次のような行動からわかります。
- 追いかけまわす
- 体当たりする
- 口でつつく
- 尾びれではたく素振りをする
一番多いのは強い個体が弱い個体を追いかけまわすケースです。
追いかけまわしている途中にピッと急に素早く動いたり、ピチャッと水の音がしたりするときは、体や口、尾びれを使って攻撃していることが少なくありません。
ケンカはメダカにとってストレスになりますし、健康に悪影響を与える可能性もあります。
軽度であれば問題ありませんが長期化すると、餌を食べずにやせたり、体調不良になったりすることもあるので対策が必要です。
すでに体調不良のメダカがいる場合は、こちらの記事をご覧ください。
≫メダカの元気がない・動かない!死ぬ前に知っておきたい原因7つと対策!
メダカがケンカする原因
メダカがケンカしたり、いじめたりする原因は次の4つです。
- 縄張り争い
- 大きさや種類が異なる
- 攻撃的な個体がいる
- 飼育容器が小さい
原因によって対策が変わる場合もあるので、飼育中のメダカに当てはめて目を通してみてください。
それぞれの原因に合った対策は、後ほどご紹介します。
縄張り争い
優しい性格のメダカですが、意外にも「縄張り争い」を起こすことがあります。
とくに繁殖期のオスは、縄張り意識が強くなったり、自分以外のオスをメスに近付けたくなかったりするため、他の個体を追いかけることが多いです。
大きさや種類が異なる
メダカのケンカやいじめには「大きさや種類」も関係します。
体の大きなメダカが小さな個体をいじめることがあります。これはメダカに限ったことではなく、他の魚や生き物でもよくあることです。
また、ダルマやヒレ長といった特殊な体型のメダカは、普通体型のメダカほど泳ぎが上手くないため、一方的にいじめられることがあります。
攻撃的な個体がいる
メダカが温和とはいっても個体差があるので、なかには攻撃的な個体もいます。
気性が荒い個体は、周囲のメダカを追いかけまわしてバランスを乱すことが多いです。
飼育容器が小さい
飼育容器が小さいからケンカする、というより「深刻な状態になりやすい」です。
弱い個体が追いかけられた場合に逃げ場所が少ないことで、攻撃される機会が増えるためです。また、大きな飼育容器と比べて、お互いが接触したり、視界に入ったりしやすいのもケンカにつながります。
メダカ同士で追いかける・体当たりする「ケンカ」対策
ここからは、メダカのケンカ対策をご紹介していきます。
具体的には次のような方法です。
- 水草・流木・石など隠れ家を増やす
- 大きな飼育容器で飼育する
- メダカの大きさと種類を合わせる
- メダカの数を増やす
飼育環境によって実践できるものが異なります。簡単にできて効果が高い順に解説するので、ご覧になってみてください。
水草・流木・石など隠れ家を増やす
メダカのケンカ対策で効果的なのは、水草や流木、石といった「隠れ家を入れる」方法です。
追いかけられたメダカが逃げ込むことができるだけでなく、お互いが視界に入る頻度を下げてケンカを防ぐことにもつながります。
とくにおすすめの隠れ家が「ホテイアオイ」や「アマゾンフロッグビット」などの水草です。
浮草として浮かべることで、メダカが泳ぎやすい水面付近の隠れ家になります。
もしくは、「マツモ」や「アナカリス」などの植えなくても育成できる種類であれば、水面付近に漂わせることもできます。
メダカにおすすめの水草は、こちらの記事をご覧ください。
大きな飼育容器で飼育する
大きな飼育容器で飼育するほど、メダカ同士が出会う機会が少なくなりケンカの頻度も下がります。
メダカの飼育数の目安は、飼育水1Lに対して1匹(例:10L入る容器なら10匹)なので、これより小さな飼育容器で飼育してケンカやいじめが起きている場合は、飼育容器のサイズアップを検討しましょう。
飼育スペースの確保が難しい場合は飼育容器を1つ増やして、メダカを分けて入れる方法もおすすめです。
メダカの大きさと種類を合わせる
パワーバランスに大きな差ができるとケンカやいじめにつながるため、メダカの大きさや種類ごとに飼育容器を分けます。
メダカの種類で分ける場合は、泳ぎが上手い普通体型と下手なダルマ・ヒレ長などの特殊体型で分けると上手くいきやすいです。
≫飼いやすいメダカ7選!初心者におすすめの飼育が簡単な種類と特徴
メダカの数を増やす
「ケンカやいじめが起きているのにメダカの数を増やすの?」と不思議に思いますが、飼育数を増やすことで縄張りが作りづらくなり争いが減ります。
また、ケンカが起きても攻撃対象が分散するため、弱い個体が一方的に消耗することもありません。
ただし、メダカの数が増えることで餌やフンが多くなり水が汚れやすくなるので、飼育数の目安である「飼育水1Lに対してメダカ1匹」を超えないようにしましょう。
もちろん、水換えの頻度も今までより高くするほうが良いです。
メダカの水換え方法は、こちらの記事をご覧ください。
≫メダカの水換えは1ヶ月に何回がベスト?理想の水換え方法と頻度・水量を解説!
メダカがケンカ・いじめを止めないなら隔離も考えよう
どうしてもケンカが収まらない場合は、「ケンカやいじめてしまう個体を隔離する」ことも検討しましょう。
飼育容器は増えますが、確実な方法です。飼育スペースを考えて、これ以上増やしたくない場合は、ペットボトル水槽やバケツなどの小型容器で隔離・飼育することもできます。
メダカの大きさがケンカの原因になっている場合でも、大小で分けて、小さなメダカに多めに餌を与えて大きくすることで体格差を少なくすることも可能です。
≫メダカをペットボトルで飼う方法!5分で完成する簡単水槽の作り方
≫メダカをバケツで飼う方法とメリット・デメリット!ベランダ飼育にもおすすめ
まとめ:メダカ同士で追いかける・体当たりする「ケンカ」対策!いじめが起こる原因とは
今回は、いじめが起こる原因をふまえて、メダカ同士で追いかける・体当たりする「ケンカ」の対策をご紹介しました。
追いかけたり、体当たりしたりといったケンカやいじめの原因は、
- 縄張り争い
- 大きさや種類が異なる
- 攻撃的な個体がいる
- 飼育容器が小さい
などが原因で起こります。
ケンカが長期化するとストレスや体調不良につながるため、水草などの隠れ家を増やしたり、飼育容器を大きくしたりなど対策するようにしましょう。
1つの方法で効果が薄い場合は、「大きな飼育容器に水草を入れて飼育する」といったように複数の方法を実践するとより効果的です。
メダカのケンカやいじめは、1匹で飼育しない限り起こる可能性があります。深刻な事態にならないためにも見つけ次第、ケンカ・いじめ対策するようにしましょう。