オイカワ飼育の完全ガイド!おすすめの飼育用品から餌やり・水換えまで徹底解説

オイカワは身近な川に生息する淡水魚で、網で魚を捕る「ガサガサ」や「釣り」で目にすることが多い魚です。

出会う機会が多いだけに、捕まえた個体を飼育してみたいと考える人は少なくありません。

しかし初めて魚を飼うとなると、何から始めればいいか迷ってしまうことも多いでしょう。

そこで今回は、オイカワの生態や特徴、一緒に飼える魚・生き物を踏まえて、飼育方法を詳しくご紹介します

オイカワの飼い方を動画で確認する

実際のオイカワ水槽をもとに、

  • 飼育数の目安
  • 餌の与え方
  • 水換えの方法

など動画のほうが伝わりやすい内容もご紹介しているので、記事と合わせてご覧ください。

オイカワの特徴と生態・その魅力と飼育の心構え

オイカワの特徴や生態は、飼育環境に直結します。

体長は水槽サイズ、食性は餌選びといったように、飼育を始めるうえで大切なことも多いので目を通してみてください。

身近な淡水魚オイカワの生態と特徴

オイカワは、日本の川や湖に広く生息するコイ科の淡水魚です。

大きさは5~10㎝ほど。大きい個体では15㎝程度に成長します。

関東以西の本州・四国・九州まで広く分布します。河川の上流~下流域まで広範囲に生息していて、群れで泳いでいる姿を見かけることが多いです。

自然界では水生昆虫や藻類などを食べる雑食性です。

オイカワの魅力は飼いやすさと婚姻色!

オイカワは飼いやすさと美しさを兼ね備えた魚です

丈夫で選り好みせず餌を食べ、夏の高水温だけ気を付ければ水質や水温管理も難しくありません。

オスの婚姻色はエメラルドブルーに輝き、ヒレやエラのあたりは燃えるようなオレンジ色に染まります。

この美しい婚姻色を水槽の中で見たくて、オイカワの飼育を始める人も少なくありません。

遊泳力が高い!飼育を始める前に知っておきたい注意点

オイカワは流線形の体からもわかる通り、非常に泳ぎが速く遊泳力が高い魚です。

自然界では川の流れに乗ったり、逆らったりしながら生活しています。

チェックポイント

その遊泳力の高さから驚いた時などに猛スピードで泳いだ結果、水槽から飛び出してしまう事故も少なくありません。

この「飛び出し事故」は、オイカワ飼育で最も多い失敗の一つなので対策は必須です。

水槽の準備と必要なものリスト

飼育を始めるために欠かせない飼育用品と選び方をご紹介します。

飼育用品の選び方と水槽の立ち上げ方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

最適な水槽サイズは?60cm以上の水槽をおすすめする理由

オイカワを飼育するなら、60cm以上の水槽をおすすめします

5~8cm程度のオイカワを2~3匹飼うなら、45cm水槽でも問題ありません。ただ遊泳力が高いうえに大きい個体では15cm程度に成長するため、60cm水槽のほうが良いです。

あくまで目安ですが、60cm水槽ならオイカワ単体で7匹前後、他魚種と一緒に飼うなら5匹前後は飼育できます。

水槽のフタは必須アイテム!飛び出し事故は絶対に防ぐ

水槽のフタは、オイカワ飼育において「あったら良いもの」ではなく「絶対に無くてはならないもの」です。

オイカワは驚いたときに人間が想像する以上の力でジャンプします

フタが無ければ、あっという間に水槽の外へダイブして数分で干からびてしまいます。そのため、どんなに小さな隙間でも必ず塞ぐようにしてください。

ガラス製、プラスチック製など、水槽の大きさに合った専用のフタを入手しましょう。

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ろ過フィルターは上部フィルターがおすすめ

ろ過フィルターは、水槽の水をキレイに保つための「生命維持装置」です。

フンや残った餌から発生する魚にとって有害なものを、無害なものに変えるバクテリアの住処になります。

オイカワ飼育にはメンテナンスが簡単で、ろ過能力も高い「上部フィルター」がおすすめです

水槽の上に乗せるタイプのフィルターで、以下のようなメリットがあります。

  • 酸素を多く取り込める
  • オイカワが好む水流が作れる
  • 掃除の手間が少ない

オイカワは酸欠に強くないうえに水流を好むので、上部フィルターのメリットは大きいです。

メンテナンスも簡単なため、初心者の方でも心配ありません。

投げ込み式フィルター

45cm程度の水槽で2~3匹ほど飼うなら投げ込み式フィルター(ぶくぶく)でも管理できます。

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底砂は大磯砂・川砂・田砂がマッチしやすい

大磯砂

底砂がなくても飼育できますが、

  • 水槽の見た目をよくする
  • 水をきれいにするバクテリアの住処になる
  • 水草を植えられる

といったメリットがあります。

オイカワには、日本の川の風景を再現できる以下のような底砂がよく合います。

  • 大磯砂: ポピュラーな底砂で角が取れていて魚を傷つけにくく掃除もしやすい
  • 川砂:自然の川底のような雰囲気を演出できる
  • 田砂:川砂よりも粒が細かく非常に自然な見た目になる

どれを選んでも構いませんが、初心者の方は掃除しやすい「大磯砂」がおすすめです

厚く敷きすぎるとゴミが溜まりやすくなるので、2〜3cm程度の厚さに敷くと良いでしょう。

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照明は一般的な観賞魚用でOK

照明はオイカワの美しい姿を観賞するために設置します。

また魚に昼と夜の区別をつけさせ、生活リズムを整える役割もあります。

特殊なものは必要なく、一般的な観賞魚用のLEDライトで十分です。

タイマーを使って毎日同じ時間に点灯・消灯(例:8時間点灯)させると、管理が楽になります。

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オイカワを水槽に入れる手順と失敗しないコツ

水槽の準備が整い、いよいよオイカワを水槽にドボン、と入れてはいけません。

これをやると、環境の急変で魚がショック症状になる「pHショック」や「水温ショック」を起こす可能性があります

人間がサウナから急に水風呂に入るようなものです。以下の手順で「水合わせ」をして、慎重に水槽に慣らしてあげましょう。

水合わせの詳しい方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

1. 水温を合わせる

オイカワがいる容器を水槽の横に30~60分ほど置いて水温を合わせます。

オイカワが袋に入っている場合は、そのまま水槽に浮かべましょう。

こうすることで、袋の中の水温と水槽の水温がゆっくりと同じになり、水温ショックを防ぐことができます。

2. 水質を合わせる

次に水質に慣れさせます。

オイカワがいる容器や袋の水を1/3ほど捨てます。

そこに捨てた分と同じ量だけ水槽の水を注いでください。

ソフトチューブなどを使ってゆっくり注ぐ方法がおすすめです。

なければカップなどで入れても問題ありません。この作業を2〜3回繰り返します。

こうすることで水質が徐々に水槽の水質に近づいていき、魚への負担を最小限に抑えることができます。

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3. オイカワだけ水槽に移す

水合わせが終わったら最後に魚だけを網ですくい、そっと水槽に移します。

このとき容器や袋に残った水は水槽に入れないでください。病原菌などが含まれている可能性があるためです。

オイカワが好きな餌の種類・餌やり方法・頻度の目安

オイカワが好んで食べる餌の種類や失敗しない餌やりの方法をご紹介します。

オイカワが食べやすい餌の種類

オイカワは雑食性なので、基本的に何でもよく食べます。

栄養バランスと保存性を考えると、観賞魚用に市販されている人工飼料をメインにするのが良いでしょう。

パウダータイプは粒が小さすぎて食べ残しが増えるため、フレークタイプや顆粒タイプが向いています。川魚用がおすすめですが、金魚用でも問題ありません。

冷凍アカムシも食いつきが非常に良いです。ただ栄養バランスが偏るため、おやつとしてたまに与える程度がおすすめです。

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餌やりの頻度と量の目安

餌やりの頻度は1日に1〜2回、2〜3分で食べきれる量が目安です

餌を与えた後、オイカワのお腹が少しポッコリするくらいが適量です。

もし5分経っても餌が水底に残っているようであれば、それは明らかに与えすぎ。次の日から量を減らしましょう。

オイカワ水槽の水換え方法と水質管理

水質は魚の健康に直結します。

オイカワの長期飼育に欠かせない水換えの方法と頻度を解説します。

水換えの頻度と水量の目安

水槽の水は、見た目が透明でも魚のフンや尿、餌の食べ残しによって汚れていきます。

どんどん蓄積していくと水質が悪化して、オイカワが体調をくずす原因になるため定期的な水換えが必要です

水換えの目安は次の通りです。

  • 頻度:1週間に1~2回
  • 水量: 水槽全体の1/3程度

水槽の大きさや魚の飼育数によっても変わるので、あくまで目安です。魚の動きが鈍かったり、コケの生えるペースが早かったりする場合は、水換えの頻度を高めます。

すべての水を一度に換えてしまうと、水質が急変してオイカワがショック症状を起こす可能性があるため、水槽全体の1/3にとどめましょう。

水換えに使う水は、バケツなどで水槽の近くに置いて水温を合わせます。

水道水には魚に有害な塩素が入っているため、カルキ抜きを添加してから使いましょう

プロホースなどの専用クリーナーを使うと、水換えと同時に底砂の掃除もできるのでおすすめです。

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オイカワの適水温と夏の高水温対策

オイカワは日本の河川に生息する魚なので5~28℃の範囲で飼育できます

適水温は15~25℃です。水温が30℃を超えてもすぐに体調をくずずわけではありませんが、それ以上の高水温になると危険です。

上昇した水温は、なかなか下がらないので28℃で対処するほうが無難です。

水温を把握するために、「水温計」を用意するようにしましょう。

高水温対策では「水槽用冷却ファン」がおすすめです

水槽用クーラーよりも安価で設置も簡単です。水面に向かって風を送り、水が蒸発するときの気化熱を利用して水温を下げます。

製品にもよりますが、水温を3〜4℃下げる効果があります

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オイカワと一緒に飼える魚や生き物

オイカワは比較的温和なので、多くの魚や生き物と混泳できます。

  • カワムツ
  • ヌマムツ
  • フナ
  • タナゴ
  • ドジョウ
  • ヨシノボリ
  • 金魚
  • 石巻貝
  • タニシ

この他の魚や生き物とも一緒に飼えます。水槽用ヒーターで加温すれば、熱帯魚とも混泳可能です。

ただオイカワの口に入るような小さい魚や稚魚、エビは食べてしまうため混泳は控えましょう。

一方でオイカワを食べるような肉食魚とも一緒に飼うことはできません。

またヨシノボリは、オイカワのヒレやウロコをかじることがあるため、混泳するときはよく観察するようにしてください。

オイカワがかかりやすい病気と対策

水質悪化や急な水温変化、ストレスが病気の主な原因です。

定期的に水換えしてきれいな水質を維持できれば、ある程度は予防できます。

ただ、それでも発症してしまう場合はあるため、日頃からよく観察して早期発見・早期治療を心がけましょう。

白点病

体やヒレに、白いゴマのような点がポツポツと現れる病気です。

水温が急変したり魚の体力が落ちたりしたときに発症することが多いです。

白点病の治療

市販の魚病薬(メチレンブルーなど)を規定量投入します。水槽用ヒーターで加温して、水温を28~30℃程度までゆっくりと上げる方法も効果があります。

オイカワには少し高い水温ですが、治療期間だけなら問題ありません。

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水カビ病

体の傷ついた部分などに、白い綿のようなカビが生える病気です。

オイカワは遊泳力が高いので、勢い余って体を擦ったりすると発症することがあります。

水カビ病の治療

メチレンブルー水溶液やグリーンFリキッドなどの魚病薬で治療します。

オイカワは水槽で繁殖できる?

オスとメスを飼育していると、初夏から夏にかけて水槽内で繁殖行動が見られることがあります。

オイカワのオスとメスは次のように見分けます。

上:オス 下:メス
オスの特徴
  • 婚姻色で体側が青くなりヒレやエラ付近がオレンジ色になる
  • アゴ周辺が黒くなり追い星と呼ばれる白い点が現れる
  • しりビレが伸長する
メスの特徴
  • 婚姻色が薄く体は銀色でヒレは透明のまま
  • 追い星はなくしりビレも伸長しない

実際に繁殖したときの環境は次の通りです。

繁殖条件
  • オス1匹にメス4匹
  • 水温は28℃前後
  • 60㎝水槽に上部フィルター
  • 底砂は大磯砂
  • 一般的な照明
  • エアーストーンでエアレーション

オイカワは繁殖後に卵に砂利をかけるので、卵が見えにくいことがあります。

プロホースなどで砂利を掃除しているときに発見することも多いです。

卵や生まれたばかりの稚魚は、親に食べられてしまうことが少なくありません。もし本格的に繁殖を狙うのであれば、卵を別の水槽に移すなどの工夫が必要です。

オイカワは捕まえたり釣ったりして飼育できる

オイカワは、自分で川へ行って捕まえたり釣ったりして飼育することもできます。

タモ網を使った「ガサガサ」や簡単な釣りで捕まえることが可能です。自分で捕まえると、より一層の愛着が湧きます。

興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ:オイカワ飼育の完全ガイド!おすすめの飼育用品から餌やり・水換えまで徹底解説

今回はオイカワの飼育方法をご紹介しました。

オイカワはとても身近で出会いやすい魚ですが、飼いやすいうえにエメラルドブルーや銀色に輝く美しさも兼ね備えています。

魚の飼育が初めての方はもちろん、きれいな魚を飼ってみたいという場合にもおすすめです。機会があれば、ぜひ飼育に挑戦してみてください。

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