宮崎県内水面漁場管理委員会の指示により、2024年8月5日からコウライオヤニラミは生きた状態での持ち出しができません。もちろん、捕まえて飼育することもできませんので注意してください。また宮崎県内の他の河川等に移植することも禁止です。
詳しくは下記のリンクをご覧ください。
コウライ(高麗)オヤニラミは、朝鮮半島原産の淡水魚で、アクアショップで見かけることがあります。
30cm程度まで成長して見た目もかっこいいので「飼育してみたい!」と考える人もいることでしょう。そこで浮かび上がるのが、
- 普通の飼育設備で飼えるの?
- 人工飼料を食べてくれる?
- 低水温や高水温は大丈夫?
といった疑問です。
今回はその疑問にお答えつつ、コウライオヤニラミの飼い方をご紹介します。
実際に5~20cmほどのコウライオヤニラミを6匹飼育している経験をもとにお話しするので、参考にしてみてください。
目次
コウライオヤニラミの生態と特徴
「コウライオヤニラミ」は朝鮮半島原産の淡水魚で、大きなものでは30cm程度に成長します。
外来種ではあるものの、日本では九州の一部地域に定着しています。
肉食性なので、小魚やエビなど小さな生き物を捕食します。加えて縄張り意識が強いので、混泳には注意が必要です。
表層や中層まで上がってくることも少ないので、底付近を住処にする底棲魚と言っても過言ではありません。とはいえ、慣れれば浮いてきて餌も食べますよ。
コウライオヤニラミは終生飼育を徹底しよう
コウライオヤニラミを飼育する場合は、最後まで飼育し続ける「終生飼育」を徹底しましょう。
日本の気候に適応できるので、もし河川などに放流して定着すると、日本の生態系が壊れてしまいます。今は九州しか確認されていませんが、全国に拡散すると大問題です。
こちらの記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
コウライオヤニラミの飼い方!
ここからは、コウライオヤニラミはの飼い方をご紹介します。
特別な飼育設備は必要ないので、飼育は難しくありません。
水温と水質
水温は「15~28度」の範囲で飼育できます。
10度以下でも死ぬことはありませんが、活性が下がって動きが鈍り餌を食べる頻度も下がります。
「餌を食べない……」という心配は無用で、動きが少なければエネルギー消費も抑えられ、普段より少ない餌でも餓死することはありません。
また、室内飼育であれば10度以上になることがほとんどです。
一方で高水温には注意が必要です。
30度以上は危険信号なので水槽用冷却ファンを設置して水温を下げてあげましょう。
水質に関して言うと、コウライオヤニラミは比較的水のきれいな場所に住む魚です。
しかし、水質にうるさい魚ではないので、神経質になる必要はありません。2週間に一度の水換えで十分です。
ただ、餌をやり過ぎると水質が悪化するスペースが早まるので、気を付けましょう。給餌頻度は後ほど解説します。
水槽サイズは60cm以上
コウライオヤニラミは30cm近い大きさになるので、60cm以上の水槽がおすすめです。
とはいえ、5~10cmほどなら45cm水槽でも十分飼育できます。コウライオヤニラミの大きさと水槽サイズの目安は次の通りです。
- 5~10cm1匹:45cm以上
- 10cm以上1匹:60cm以上
- 複数飼育:90cm以上
縄張り意識が強い魚なので、原則単独飼育になります。
複数飼育では大型水槽とたくさんの隠れ家が必要です。詳しくは後ほど解説します。
水槽の立ち上げ方は、こちらの記事をご覧ください。
ろ過フィルターは上部フィルターが便利
ろ過フィルターは「上部フィルター」がおすすめです。
餌をよく食べるので、外掛け式や投げ込み式ではろ過能力が不足してしまいます。
5cm程度の小さな個体であれば問題ありませんが、大きくなることを考えると上部フィルターが良いでしょう。
90cm以上の水槽であれば外部式ろ過フィルターもおすすめですが、設置方法が少し複雑なのでべテラン向きです。
照明を用意する
水槽を照らす「照明」は必要です。
「飼育したいだけだから暗くても大丈夫!」というものではなく、日光が当たらない室内飼育では欠かせません。
照明の光はバイオリスズムと整えるはたらきがあるので、1日8時間を目安に点灯してあげてください。
餌は生き餌と人工飼料を使い分ける
コウライオヤニラミは肉食魚なので、「生き餌」と「人工飼料」を使い分けましょう。
生き餌だけでも飼育できますが、栄養面を考えると人工飼料が優れています。
水槽に入れて間もない頃はメダカや小赤などの生き餌を与えて、環境に慣れさせます。
しばらくすると、餌をあげようとしたら水面によってくるようになるので、肉食魚用の人工飼料「カーニバル」を落としてみてください。反射的に口に入れると成功です。
食べなかった人工飼料は水質悪化の原因になるため、網で取り出してくださいね。
給餌頻度は1日2回が目安です。
流木や石を入れる
1つだけでも良いので流木や石など、身をよせられるものを入れてあげましょう。
すぐに落ち着きます。
底砂は大磯・川砂がおすすめ
底砂は必要なものではないので、ベアタンク水槽(底砂を敷かない)か底砂を敷くか好みで選んでも問題ありません。
ベアタンク水槽は殺風景ですが、掃除の際に食べ残しやフンを吸い出しやすいです。
一方で底砂を敷くと水質が安定しやすく見た目も良くなる反面、底砂掃除に少し手間がかかります。
底砂を敷くなら、生息地の川底に近いうえにコウライオヤニラミのイメージにも合う「田砂」や「大磯砂」をおすすめします。
水草は抜けます
水草は植えても高確率で抜けます。
底付近を泳ぐことに加えて驚くと素早く逃げ込むため、水草が抜けがちです。
「毎日抜けて仕方がない」ということはありませんが、根気よく植え直す必要があります。
コウライオヤニラミの適水温に合っていて丈夫な、
- アナカリス
- カボンバ
- マツモ
といった種類がおすすめです。
根側の2~3cmの葉を取り除いて(植え込む部分の葉は枯れる)、少し斜めに植えると抜けにくいです。
マツモは底砂に植え込むと枯れてしまうので、なにもせず浮かべるか重りを巻いて沈めます。
コウライオヤニラミの混泳について
コウライオヤニラミは縄張り意識が強いので、混泳には注意が必要です。
ここでは、コウライオヤニラミ同士(同種混泳)と別の魚種(異種)の混泳について解説します。
コウライオヤニラミ同種の混泳(同種混泳)
コウライオヤニラミは同種に対して強い攻撃性を示すので、混泳は不向きです。
常に追いかけ回して片方が消耗してしまいます。死んでしまうことも少なくありません。
どうしても混泳させたい場合は、90cm以上の水槽を用意して流木や石などたくさんの隠れ家を入れてあげてください。
それでも2~3匹が限度です。
別種との混泳(異種混泳)
肉食魚なので、口に入る大きさの魚種は混泳できません。
また、コウライオヤニラミ自体が30cm近い大きさになることもあって、異種混泳も難しいところです。
10cm以下の小さな個体であれば、
- 大きめのドジョウ
- 少し大きな金魚やフナ
など、口に入らない大きさであれば混泳できないこともありません。
しかし、コウライオヤニラミが成長するにつれて混泳は難しくなるでしょう。
コウライオヤニラミの入手方法
コウライオヤニラミの入手方法は次の2つです。
- アクアショップに足を運ぶ
- 通販を利用する
近くにアクアショップがあれば、取り扱っている可能性があります。
通販で出品されていることもあるので、アクアショップが近くにない場合は利用してみてください。
通販で淡水魚や飼育用品を入手する際の注意点と安く買う方法は、こちらの記事で解説しています。
まとめ:コウライオヤニラミの飼い方!餌や水槽サイズなど実際の飼育環境をご紹介します
今回はコウライオヤニラミの飼い方についてご紹介しました。
飼育方法が難しい魚ではないため、高水温には注意して単独飼育すれば問題なく飼育できます。
少し珍しい魚ですが大きく育つと迫力が出てくる魅力的な魚なので、飼育に挑戦してみてください。