カワハギの旬は夏と冬に2度訪れることをご存知でしょうか?
冬は言わずもがな、脂の乗ったカワハギの肝が旬を迎えます。
対して、夏はカワハギの身に脂が乗るため、煮つけや塩焼きで美味しくいただけます。
今回の記事では、
- 薄皮を残さない簡単な刺身用のカワハギの捌き方
- お頭を残した煮つけ用の捌き方
- 肝の取り外し方
- 日持ちの目安と保存方法
など、カワハギの捌き方についてご紹介いたします。
目次
カワハギの刺身を作りたい場合の捌き方
皮を剥がずにカワハギを3枚におろす(刺身用)
カワハギを刺身にするにあたり、少しネックになるのが薄皮の存在です。
意外とカワハギの薄皮って皮引きが難しいですよね。
でも、あることをしなければ、すんなりカワハギの薄皮を綺麗に引くことができるんです!
カワハギの目利きは難しい
肝を生で食べる場合は、必ず鮮魚売り場の人に生食ができる鮮度か確認しましょう。
釣ったカワハギを持ち帰る場合はしっかり血抜きを行い、クーラーボックスで冷やして持ち帰りましょう。
カワハギの血抜きはエラをナイフで切るだけ。とても簡単なので忘れずに行いたいですね。
夏場の肝は要注意です。カワハギの肝の鮮度は時間との闘いですので、疲れていても釣行から帰宅したらすぐに肝だけでもカワハギのお腹から取り出しましょう。
こだわる人は、釣れたその場でカワハギの肝を取り出す方もいらっしゃいます。
カワハギの頭の落とし方
まずはカワハギの角の後ろから包丁を入れます。角のすぐ後ろの硬い部分を避けると、サクッと包丁が入ります。
そのまま刃を進め、中骨(背骨)に刃先が当たったら包丁を抜きましょう。
両手で首をポキッと折るようなイメージで頭と胴体を引き剥がします。
刺身にする場合は皮を剥がないで!
多くの方はここで皮を剥ぐのですが、刺身用にカワハギを捌きたい場合は、皮を剥がないようにしましょう。
本皮を残すことで薄皮を綺麗に引くことができます。
(薄皮も湯がいて食べたい方は、この方法は適しません)
まずは鮮度を重視したい肝から取り外していきましょう。
優しく手で肝を支えながら食道をハサミなどで切ると、頭と内臓が分離できます。
胃や腸との癒着は、包丁やハサミではなく指先で優しくほぐすように剥がしましょう。
取れた肝は軽く冷水で血や汚れを洗い流し、キッチンペーパーで優しく水気をふき取ります。乾燥しないようにラップなどでくるんで、冷蔵庫のチルドへ入れましょう。
生食用のカワハギの肝の日持ち日数は、血抜きとチルドもしくは氷水で低温保存されたもので長くて2~3日間と言われています。
沢山釣れた場合は、ラップでくるみ、ジップロック等で密閉して冷凍しましょう。
※カワハギの肝は非常に傷みやすい食材です、保存日数はあくまで目安です。色・匂い・触感・味に違和感を覚えたら食べないようにしましょう。
※アニサキスのリスクも少なからずあるので、気になる方は48時間以上冷凍するようにしましょう。
カワハギの身を刺身用に冊どりしていこう
皮を付けたままのカワハギを3枚におろし、腹骨をかきましょう。
一般的な魚の皮引きと同様に皮をまな板に当てながら、皮を引くと薄皮と一緒に綺麗に引くことができます。
最後に血合い骨を取り除いてカワハギの刺身用の冊が完成しました。
カワハギの血合骨は頑丈なので、骨抜きなどで抜くのは難しいです。
写真のように血合骨に沿って切り分けてしまうのが良いでしょう。
カワハギの皮を剥いじゃったよ・・・と言う方へ
カワハギの薄皮は食べられます
カワハギを初めて捌いている方は、教科書通り皮を剥いでしまってから薄皮の皮引きの難しさに気づかれる場合も多いかと思います。
良く研がれた包丁がないと結構難しいのです…。かと言って無理して薄皮を取ろうとすると、ただでさえ薄っぺらいカワハギの身がボロボロになってしまいます。
そんな時は、きっぱり薄皮を引くのを諦めましょう!
好みによりますが、カワハギは薄皮がついたままでも薄造りにすれば然程気にならないものです。
僕は、カワハギの薄皮の触感が好きなので普段から薄皮は敢えて取っていません。
とは言え、薄造りでは気になりませんが、一般的なお刺身のように厚切りにする場合は薄皮が口に残りやすいかな…。この辺りは本当に好みの問題ですね。
カワハギの薄皮は普通に食べられますので、上手に引けない場合は食べてみると良いかと思います。
カワハギの頭や中骨からは美味しいお出汁が取れます
カワハギの骨や頭から出るお出汁はとても上品な味わいで、捨てるのはハッキリ言ってもったいないです。
肝と内臓を取り終えたカワハギの頭に残っている角をキッチンバサミで切り落とします。
この時、100均のキッチンバサミだと負けてしまうことがあるので注意です。
角を切り落としたカワハギの頭から皮を剥ぎ、エラを取って血合いを綺麗に洗い流し、お鍋やお吸い物に回しましょう。カワハギのエラの取り方は後述いたします。
食べきれなかった肝を使った肝吸いは格別に美味しいですよ!
夏のカワハギは身が美味しい!
お頭つきのカワハギの捌き方
さて、記事終盤になってしまいましたが、お頭を残したカワハギの捌き方をご紹介します。
カワハギには腹側にも角のような骨がありますので、後ろ側にハサミや包丁で軽く切れ込みを入れましょう。
角の先端を持って口先方向へビリビリっと引き裂きます。
分厚い皮に切れ目が入ったところで全身の皮を剥いでいきましょう。
先ほど破いたお腹の切れ込みにハサミや包丁を薄く入れ、肝や内臓を潰さないように注意しながら取り出します。
エラ穴から下を切り開いたら、エラを引き抜き、血合いや汚れを洗い流してカワハギの下処理終了です。
まとめ:カワハギを刺身用に捌く時は本皮は最後に!
ついつい…ベリベリッと皮を剥ぎたくなる気持ちはよく分かります。
ですが、カワハギを刺身用の冊にする場合は、三枚おろしにしてから本皮と薄皮を一緒に包丁で引くようにしましょう。