水槽を設置して魚を入れ、餌の容器を手に持ってから気付くことがあります。
「餌は1日に何回、どれぐらいの量をやればいいんだろう......」
熱帯魚の餌やりは1日に1回以上を目安にすることが多いですが、自分が飼育している魚種にもそのやり方でいいのか気になる人は少なくありません。
そこで今回はベストな回数と量の考え方をふまえて、熱帯魚を健康的に育てられる餌のやり方をご紹介します。
餌は魚の健康に直結するので、
- 太りすぎるうえに水がすぐ汚れる
- やせて成長が悪い
といった餌やりの失敗を防いで健康な状態で飼育できるようになります。
目次
熱帯魚の餌やりは1日1回!2~3分で食べ終わる量がベスト!
熱帯魚の餌やりは、
- 1日に1回
- 2~3分で食べ終わる量
この2点が目安になります。
「1回だけだと少なく感じるけれど大丈夫?」
そう思う人もいるかもしれませんが、餌やりの回数を1日に1回、多くとも2回にとどめたほうが健康的に育ちやすいです。
熱帯魚の餌は人工飼料をメインに与えることがほとんどです。人工飼料は栄養バランスがよく栄養価も高いので、たくさん与えると太りすぎたり、水が汚れたりすることも少なくありません。
また、1回に与える餌の量を2~3分で食べ終わる量にすることで、食べ残しが減ります。
10分経過しても餌が浮いている場合は多すぎます。一方で30秒ほどで食べ終わるなら、少ないことがほとんどです。
餌やりの方法としては、2~3分で食べ終わる量を一度に与えるのではなく、小量を数回に分けて給餌しましょう。わんこそばのように、食べたら追加するイメージです。
餌を食べてから足すことで、食べ残しを減らして水質の悪化を防ぐことができます。
チェックポイント
餌やりの回数と量はあくまで目安です。多少増減しても、すぐに体調をくずすことはないので安心してください。
餌やりの時間帯は照明を点灯して1時間後
餌を与える時間帯は、水槽の照明を点灯して1時間ほど経過したころがおすすめです。
朝の8時や夜の7時といった決まりはありません。
明るい時間帯に活動する昼行性の熱帯魚は、照明の光を感じて活動を始めます。
暗かったり、照明を点灯して間もなかったりすると、本調子ではなく食べ残しが増えてしまいます。
また、餌を食べてすぐに照明を消すと、活動が鈍くなって消化不良につながる可能性があります。餌やりをしたら、数時間は照明を点灯しておくことをおすすめします。
熱帯魚の餌やりは健康状態を見て回数を変える
熱帯魚の餌やりの回数と量について解説しましたが、実は魚の健康状態によって変わる場合があります。
「どんなときでも1日1回、2~3分で食べ終わる量!」
とはいかない点が難しいところです。
ただ考え方としては、
- 太り気味なら減らす
- やせ気味なら増やす
- 食べないなら与えない
といったシンプルなもの。
ここからは、餌やりの回数を変えたほうがよい場合を具体的に解説していくので、ご覧になってみてください。
太り気味・やせ気味なら餌やりの回数を調整する
飼育している魚が太ったり、やせたりしている場合は回数を調整しましょう。
性格や魚種によって餌を食べる速さが異なるので、同じように与えていても多く食べたり、少なかったりする魚がでてきます。
やせている魚がおらず太っている個体が多い場合は、餌やりの回数を2日に1回にしても問題ありません。一方で、特定の魚がやせていたり、やせ気味の個体が多かったりする場合は1日2回に調整しましょう。
とはいえ、飼育している魚が太っているのかやせ気味なのか、その判断が難しいですよね。
また、やせている魚は頭に比べて胴体が薄く見えますし、力なくヨレヨレとした泳ぎ方をしがちです。
体調不良の場合は餌やりをしない
熱帯魚に餌をやっても食べない場合は体調不良の可能性が高いので、餌やりを控えましょう。
餌を与えたとしても、食べ残しが増えるばかりです。それどころか、食べ残しによって水が汚れて、体調不良が悪化してもおかしくありません。
チェックポイント
「熱帯魚が餌を食べない原因」を特定・対処して、餌を食べる程度に回復してから餌やりを再開することが大切です。
原因がわからない場合は水換えをして、きれいな水質を維持しつつ様子を見ましょう。水質悪化は万病のもとです。
熱帯魚の体調不良の原因と対策は、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫熱帯魚が底や水面で動かない・元気がない12の原因と対策!泳がないのは体調不良のサイン
薬浴中も餌やりを控える | 食べるなら少量与える
熱帯魚が病気で魚病薬を添加して薬浴している場合は、餌やりせず回復に専念します。
薬浴をする場合は、薬浴用の水槽や飼育容器を用意して病気の魚を隔離してから治療することがほとんどです。
隔離先にはバクテリアがおらず、餌の食べ残しやフンが分解されにくいため、水質が悪化しやすいです。
- バクテリアとは
- バクテリアは餌の食べ残しやフンから発生する有害なアンモニアや亜硝酸をほぼ無害な硝酸塩に分解してくれる細菌です。水槽に水を入れると勝手に増えていきますが、繁殖には時間がかかります。
病気で餌を食べない場合はもちろんですが、バクテリアがいないことを考えても餌やりは控えたほうがよいでしょう。
ただし、長期化(1週間以上)する場合は少量の餌を与えて食べることを確認してから餌やりをします。食べ残しは必ず取り除きます。
バクテリアについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
≫熱帯魚・メダカ水槽に必要なバクテリアとは!硝化サイクルで水がろ過される仕組み
稚魚の餌やりは1日3回!成魚より栄養が必要
熱帯魚の稚魚を育てる場合は、1日に3回以上餌やりをします。
稚魚は成魚よりも栄養が必要ですし、小さいので餓死しやすいです。こまめに餌やりをして「食べたいときに餌がある状態を作る」ことが稚魚を育てるポイントです。
成魚用の餌は大きすぎて食べられないので、粒の小さな稚魚用の餌を与えてあげましょう。
旅行で熱帯魚の餌やりができない!3日程度なら問題なし
「旅行や仕事で家を空ける際の熱帯魚の餌やり問題」で悩む人は少なくありませんが、3日程度なら餌やりをしなくても問題ありません。
普段から餌をしっかり与えていれば、餌不足で弱ることはないです。
実際のところ1週間ほどの絶食にも耐えられますが、やせたり、体力が落ちたりすることもあるので、長期化する場合は自動給餌機(フードタイマー)がおすすめです。
人がいなくても設定した時間の間隔で回転して、自動で餌やりができます。急な外出のことも考えて1つ用意しておくと安心です。
まとめ:熱帯魚の餌やりは1日何回がベスト?やせない・太らない給餌回数と量
今回はベストな回数と量の考え方をふまえて、熱帯魚を健康的に育てられる餌のやり方をご紹介しました。
- 1日に1回2~3分で食べ終わる量
- 時間帯は照明を点灯して1時間後
- 体型や健康状態を見て回数を変える
餌やりは魚の健康を維持する柱といっても過言ではありません。
ベストな餌やりができれば、太り気味・やせ気味といった体型くずれを防ぐことができます。
さら餌のやりすぎによる水質悪化もなくなるため、体調不良になる確率を下げることにもつながります。
餌やりの時間は「かわいい熱帯魚を眺められるから好き」という人も少なくありません。
それだけではなく、「大切な熱帯魚の健康を守る時間」にもなるので、ここでご紹介した餌やりの方法を、ぜひ、役立ててみてください。