熱帯魚の中でも人気の高い種類のカージナルテトラ。
熱帯魚が好きな方なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
今回は初心者からベテランにまで愛される、カージナルテトラの飼い方についてご紹介していきます。
- 群れて泳ぐ熱帯魚に癒されてみたい!
- メダカからアクアリウムの楽しさを知った、熱帯魚にも挑戦してみたい!
という方に熱帯魚飼育の楽しさを感じてもらえるよう、熱帯魚飼育13年の経験をもとに解説します。
目次
カージナルテトラの特徴と寿命・生態について
「カージナル」とは、キリスト教カトリックでの枢機卿(すうききょう)や、ショウジョウコウカンチョウという鳥を意味する言葉です。
いずれも同じようなやや深みのある赤色をしており、「カーディナルレッド」と呼ばれています。
カージナルテトラの特徴と寿命
カージナルテトラは、南米のアマゾン川上流域に住む淡水魚です。
大きな特徴は、赤と青のツートンカラー。2色のコントラストがはっきりしていて、お腹の赤色が背中のメタリックブルーを引き立てています。
群れで泳ぐ姿に人気があり、数が多いほど豪華に見える熱帯魚です。
寿命は平均で2~3年、長生きするものは4~5年と言われており、比較的丈夫な種類といえます。
カージナルテトラの生態
カージナルテトラはカラシンという種類に属する熱帯魚です。
大きさは3~4cmで、アクアショップには「Sサイズ」「Lサイズ」に分けて販売されていることもあります。水槽で飼育すると水面や底面にいるときもありますが、基本的には中層域を泳ぐことが多いです。
餌については、口に入るものは生き餌も人工餌も食べますが、稀に柔らかい有茎草は食べてしまうことがあります。
ネオンテトラとの違い
ネオンテトラとは形と色が似ているので、見分けがやや難しいです。
ざっくりとした見分け方は、ネオンテトラが「赤・白・青」の3色なのに対し、カージナルテトラは「赤・青」の2色のイメージです。
大きさはカージナルテトラの方が少しだけ大きくなりますが、個体差もあります。
カージナルテトラの飼い方と飼育環境
飼育に必要なものは、アクアショップでなくてもペットショップやホームセンターに行けばほぼ確実にそろいます。
カージナルテトラに最適な水温と水質
カージナルテトラの飼育に適した水温は24~28℃程度です。
水質はさまざまなpHの数値が推奨されており、「5.0~7.0」といった数値を見かけます。実際飼育してみてもpH6~7程度の弱酸性の水質のほうが調子がよいです。
水槽サイズは45cm以上がおすすめ
飼育するとなったら、カージナルテトラたちが群れる姿を見たいものですね。
カージナルテトラのみで飼育するなら30cm水槽で10匹程度の飼育が可能です。
そうなることも見据えて、最低でも45cm以上の水槽を用意することをおすすめします。
他にグッピーやコリドラス、エビなどを混泳させる場合は60cm以上の水槽を検討してください。60cm水槽なら、カージナルテトラ単体で30〜40匹の飼育が可能です。
※フィルターの性能や水換え頻度にもよりますので、あくまでも目安です。
≫グッピーの飼い方を完全解説!飼育に必要なものと餌・混泳・繁殖方法のすべて
おすすめの餌は「ひかりクレストカラシン」
カージナルテトラは、口に入る餌であればどんな餌でも食べてくれます。
一般的に水を汚しにくいと言われる水面に浮上するタイプの餌で問題ありません。
そこでおすすめなのが、「ひかりクレストカラシン」です。
この餌は最初は水面に浮上するものの、少し経つとゆっくり沈下していくタイプなので、中層域を泳ぐカージナルテトラなどのカラシンにぴったりの餌といえます。
水槽用ヒーター
熱帯魚なので、水槽用ヒーターで加温する必要があります。
ホームセンターなどで安価で販売されている26℃固定のものでも問題ありません。ただ、水槽サイズによってヒーターの大きさも変わるので、入手する前に確認しておきましょう。
照明
カージナルテトラを飼育するなら、体が輝く姿を楽しみたいですよね。
そのためには照明器具が必要になります。
ここからは必須ではありませんが、ぜひ用意しておきたいものを紹介します。
水草
生い茂った水草をバックに泳ぐカージナルテトラはとても美しいものです。
細かい葉の有茎草がびっしりレイアウトされた水景も美しいですが、それほど凝らなくとも、
- アヌビアス・ナナ
- ミクロソリウム
といった丈夫で安価な水草でも十分に美しさを感じることができます。
底砂
魚なので、フンが出ることは避けられません。
底砂があればフンが見えづらいうえに、底砂に住みついたバクテリアがフンを分解してくれます。
底砂の種類は、
- ソイル
- 大磯砂
- 化粧砂
などで問題ありません。できれば暗い色の砂を選んだ方が、カージナルテトラの色を強調してくれるのでおすすめです。
ろ過能力の高いフィルターほど、より多くのカージナルテトラを飼育することができます。
カージナルテトラの混泳について
カージナルテトラは性格がおとなしい種類なので、他の魚を追いかけ回す心配はほとんどありません。
同じカラシンである、
- グローライトテトラ
- レッドファントムテトラ
- ブラックネオンテトラ
といった異なる色の魚と混泳することで、色の違いを楽しむこともできます。
コリドラスやヤマトヌマエビといったテリトリーの異なる生き物とも混泳可能です。
混泳に向いていない熱帯魚
カージナルテトラとの混泳に向いていない魚は、「泳ぐスピードが遅い魚」「大型の魚」の2つです。
「他の魚が餌にたどり着けるか?」という問題です。カージナルテトラは動きが速いため、水面に餌が落ちたタイミングですぐに餌にたどり着くことができます。しかし、グラミーなどの動きの遅い魚がいる場合、カージナルテトラに先に餌を取られてしまい、餌が十分に行き渡らなくなる可能性があります。
そのような魚がいる場合は、餌のタイミングをずらすなどの工夫をしましょう。
大型の魚とは一緒に飼育しない方が良いです。カージナルテトラが口に入るほどの大きな魚がいると、食べられてしまう恐れがあるためです。
経験談ですが、10cm程度のエンゼルフィッシュがいる水槽に中サイズのカージナルテトラを入れたところ、1日で5匹以上食べられてしまったことがあります。
カージナルテトラの繁殖方法
熱帯魚の繁殖というとグッピーが簡単で有名ですが、稚魚を産むグッピーと異なりカージナルテトラは産卵をします。
産卵自体は比較的簡単ですが、稚魚がとても小さいので育成が難しいと言われています。
繁殖させるには、親となる魚が3cm以上になってからです。
その他の条件としては、
- 雄雌のペアがそろっている
- 水温をやや高めにする(28℃前後)
- pHを弱酸性にする(6.0程度)
といった環境を整えると産卵する確率が上がります。
産卵は水草や砂の上に行います。
注意点としては産卵後、すぐに他の魚に食べられてしまうことです。
ホームセンターなどで売っている鉢底ネットなどを底に敷いて、他の魚に卵を食べられないようにする工夫が必要です。
稚魚が産まれたら、メダカやグッピーの場合と同様に、隔離して飼育をしましょう。
カージナルテトラを入手するならアクアショップか通販がおすすめ
購入する場所については、できればアクアショップがおすすめです。
近くにアクアショップがなければ、通販でも良いでしょう。アクアショップや通販なら、サイズごと(Sサイズ・Lサイズ)で販売しているお店が多いです。
お近くにアクアショップがあるなら、見て購入できるので最も安心でしょう。
ホームセンターでも熱帯魚を扱っているお店であれば、カージナルテトラは高い確率で販売されています。
ただし、ホームセンターの場合は専門店であるアクアショップに比べると生体の管理が丁寧に扱われていないお店もあります。
並んでいる各水槽をよく見て、弱っていたり、死んでいたりする個体が少ないお店で購入するようにしましょう。
通販で熱帯魚や飼育用品を入手する際の注意点と安く買う方法は、こちらの記事で解説しています。
≫熱帯魚・メダカ・金魚・飼育用品を通販で買うときの注意点 | 失敗せず安く購入する方法
まとめ:カージナルテトラの飼い方と育て方!実例つきで飼育環境と混泳方法をご紹介します
今回はカージナルテトラの飼い方と育て方を実例つきで紹介させていただきました。
これから飼ってみようと検討されている方は美しい群泳を実現できるよう、ぜひカージナルテトラの飼育に挑戦してみてください!
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